還暦でアメリカのカレッジに留学。異国での0からの生活で得たものとは? (2/2ページ)
■還暦の留学生が受けたカルチャーショック
アメリカでの生活はまさに0からのスタートだ。家を借りること、家具の購入、自動車の購入、息子のハイスクールが始まるまでの語学学校への入学。サマータイムや文化の違いなどに戸惑いながらもひとつずつクリアにしていく。
そして、アメリカ生活も1年余りが過ぎ、ついに松木さんは長年の夢であったカレッジのキャンパスに通うことになる。入学したのはアーヴァイン・ヴァレー・カレッジ。1985年創立の公立大学である。
40数年ぶりの授業はパソコンを使った近代的なもので、松木さんは「高校で学んでいた頃の100%アナログの授業と比較にならない」とカルチャーショックを受ける。また、クラスメイトとの親睦会でちらし寿司をふるまったり、イギリスをテーマにした発表会では多国籍のチームメンバーの、およそ日本人では考えられない行動に驚いたりするなど、異文化の中でのキャンパスライフは刺激的なものだったようだ。
悪戦苦闘の連続で、アメリカは自己責任の国であると思い知らされるエピソードもある。
しかし、異文化に飛び込むというチャレンジは、大きなものを松木さんにもたらしたようだ。本書の最後で帰国時を振り返りながら、次のようにつづっている。
「・・・逞しく成長した息子を思うのと同時に、還暦を過ぎてなお学び、成長しているかのような、ある種の喜びを感じている自分がいました」(p.269より)
「自分にはできない」と思っていては何も始まらない。チャレンジの先にはまだ知らない夢の世界が広がっている。
本書に描かれている松木さんの素直な言葉は、何かにチャレンジする全ての人に対して、勇気を奮い立たせてくれるはずだ。
(新刊JP編集部)