成果主義をやめた保険代理店に起きたこと (2/3ページ)

新刊JP

稲葉:リード作成、アプローチ、クロージング、アフターフォローというプロセスがあるとしたら、それを全て分業にしています。だから一般的な営業のように「契約をとった人が一番偉い」とはなりません。

――稲葉さんの会社が成果報酬型のシステムをやめた理由は何だったのでしょうか。

稲葉:人を教育したいと思ったのと、あとは本当の顧客本位とは何なのかを考えて決めました。私たちはお客さんよりも圧倒的にたくさんの情報と知識を持っているわけじゃないですか。だから、お客さんを誘導することもできれば、先生になって知識を授けることもできるわけです。「これがいいと思いますよ」と言ったら、「あなたが言うならこれにするわ」というお客さんも多い。

成果報酬型だとこうした環境でどんな商品を勧めるかといったら「手数料が高い商品」を勧めますよね。それって顧客の利益とは別の観点から商品を売っているわけで、顧客本位とは言えないと思ったんです。

――この変革によって入社してくる人のタイプや従業員のメンタリティはどのように変わりましたか?

稲葉:新しい環境に飛び込む不安よりも希望を抱いて入ってくるようになりましたね。というのも、成果報酬型のシステムをやめてから、うまくいっていない人に対して、「うまくいかせるために周りのみんなができることは何なのか」を全員が考える風土が育ってきたんです。成果報酬型だとなかなかそうはならないんですよ。

――「保険代理店の大淘汰時代が始まる」ということが示唆されていました。淘汰される代理店というのは顧客からの信頼を得られない、あるいは従業員からの信頼を得られない代理店ということになるのでしょうか。

稲葉:これは「手数料開示」が義務化された場合という仮定の話ですね。もし、手数料が見える化してしまうと、顧客である自分のためを思ってアドバイスをしてくれていると思っていた営業マンが実は別の思惑を持って営業をしていることがわかってしまう可能性がありますし、「こんなに高い手数料をもらっているのに、何もしてくれない」と感じる顧客も出てくる可能性があります。

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