BON DANCE!?盆踊り!夏が来れば老いも若きも“盆踊ラー”に大変身!盆踊りの起源と歴史
今年2023年7月15日・16日・17日の3日間、ラジオ局“J-WAVE”が主催する『ナイアガラ盆踊り』が開催されます。会場は国立代々木競技場第一体育館。
なぜ渋谷・原宿エリアという日本で最もおしゃれな街に“櫓(やぐら)”まで組んで“盆踊り”をしようとするのでしょうか。
日本人と盆踊りの関係から、東京で行われる代表的な盆踊りまでをご紹介していきます。
盆踊りと言えば、筆者も小学生の頃、夏には参加するとアイスクリームがもらえるというのにつられて、喜び勇んで踊りに行ったものです。
ゆったりしたわりとラフな盆踊り、やぐらの周りを何周かすれば周りの大人を見て踊りなんか覚えてしまったものです。楽しかったなあ。
盆踊りの起源と歴史“盆踊り”の起源は諸説ありますが、平安時代、日本における浄土教・念仏信仰の先駆者・空也上人によって始められた念仏踊りが、盂蘭盆という仏教においてお盆の時期に先祖を供養する行事と結びつき、精霊を迎え死者を供養する行事の一つとなったと言われています。
それはやがて民間習俗と迎合し、村社会の結びつきを深める行事として、日本全国に浸透していきました。
そして仏教的側面は薄れていき、娯楽としての色合いが強くなっていきました。
江戸時代にはあまりにも贅を尽くしたものとなり、幕府から禁止令が出されたほどです。
「源氏十二ヵ月之内 孟秋」画:歌川豊国 出典:東京都立中央図書館
そのため盆踊りは衰退していきますが、20世紀の初めに復活を望む声が聞かれるようになり、やがて農村娯楽として推奨されていきます。
もともと盆踊りのなかった地方でも町内会などで盆踊りを催す所が増えていき、現在ではシーズンになると、同時期に数ヶ所で盆踊りが行われるようになり、また音頭からロックまで幅広い音楽にのって、人々が共に踊るという盆踊りまで現代では誕生しています。
「築地本願寺納涼盆踊り大会」今回は筆者が以前から常々行きたいと考えている“築地本願寺”の盆踊りについて、盆踊りの一つの例としてご紹介します。
今年2023年は8月2日・3日・4日・5日の4日間、“築地本願寺納涼盆踊り大会”と称して開催されます。
東京都中央区築地に位置する“築地本願寺”は、浄土真宗本願寺派の寺院です。
御本尊は聖徳太子手彫と伝えられている“阿弥陀如来立像”です。
築地本願寺の寺院建築は古代インド様式をモチーフとしており、当時の浄土真宗本願寺派法主・大谷光瑞と親交のあった東京帝国大学工学部名誉教授・伊東忠太によって設計されました。
当時の宗教施設としては珍しい鉄筋コンクリート造で、大理石彫刻がふんだんに用いられています。築地本願寺は現在においても荘厳でエキゾチックな雰囲気を醸し出しており、築地の街の代表的な顔と言えましょう。本堂は重要文化財に指定されています。
この本堂の前に櫓が組まれ盆踊りが行われるのです。まるで異国のような情緒が漂う雰囲気の中に浮かび上がる提灯の明かり。この非日常的な景色の中で踊りたいという“盆踊ラー”の人たちが集まり、10年前の2013年の段階で4日間開催された盆踊りに約3万人の人出がありました。
毎年この盆踊りに参加する人も多く、踊りのレベルも高いと言われますが、全くの通りすがりの素人でも、櫓を何周かすれば他に踊る人の姿を見ながらいつのまにか踊れるようになるのが盆踊りのいいところです。
また、築地本願寺納涼盆踊り大会は“日本一おいしい盆踊り”とも言われています。築地と言えばグルメの街。境内には築地銘店会からの出店が立ち並び、“盆踊ラー”や観光客のお腹を満たします。
まとめ盆踊りには櫓(やぐら)を囲んで踊る“輪踊り”と、踊り子たちが町中を練り歩く“小町踊り”という形態のものがあります。
この夏もいろいろなところから、盆踊りの音頭が風に乗って聞こえてくることでしょう。是非みなさんも“踊らにゃソンソン”ののりで盆踊りをたのしんでみてはいかがでしょうか。
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