国民の30%近くが移民のドイツ、差別はないものの深刻な悩みも (2/4ページ)

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さらに今年の2月には移民をより大幅に受け入れるため法律を改正することが決定された。これまでは企業からの招へいがなければ働くためのビザを取得できなかったが、学位やドイツ語能力が一定数あれば最長1年間ドイツに滞在して就職先を探すことができるのだ。

 こうした移民や難民を受け入れる窓口を大きくし彼らを多く受け入れることは、ドイツが近年労働者不足で悩んでいるIT産業や医療部門の人材を確保できるというメリットがある。またドイツで深刻になっている少子化解消にもつながり、将来的にドイツ国民一人ひとりの負担を減らすことができるのだ。ドイツ国民は元々移民が多いこともあるが、こういった事情を理解しており、移民に対して嫌悪感を抱きにくくむしろ感謝している面もあるのだろう。

 なお、移民の受け入れはEUの中でもドイツが突出して多いが、フランスやスペインなどドイツ周辺国も移民に対しては寛容で、労働者確保や出生率アップのために移民を受け入れている。

 一方でニュースにはならないものの、ひっそりとドイツ国民が抱えているデメリットとも言える問題もある。移民や難民が増えたことで当然、小学校や中学校にも移民が来ることになるのだが、言葉や文化の壁でドイツ人の子どもの肩身が狭くなっているというのだ。

 ある都心の公立の小学校では移民が多く住んでいる地域ということもあってか、クラスの8割が移民でドイツ語が流暢に話せない子も多いという。11歳の息子を持つ母親は「息子のクラスはトルコ人が多く、教室で聞こえる言葉はほぼトルコ語。ドイツ人が分からない話題も多く、人数的にもドイツ人が圧倒的に少ないので仲間外れのようになっている」と言う。また6歳の娘を持つ別の母親はドイツ語能力の違いからどうしても勉強に差が出てしまうことが悩みだという。「娘のクラスには純粋なドイツ人は1人。ドイツ語ができても問題が解けないという子が多く、友達同士で勉強を教え合い切磋琢磨できない」そうだ。

 こういった状況から、どうしても移民が多い公立小学校の地域に通う子どもは私立を選ぶ傾向も多いという。そのため私立への入学希望が殺到し、数年前からウェイティングリストに名前を載せてもらうように手配をせざるを得ず、私立のために学費がかさむという問題もある。

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