参考にしちゃダメ!?財政難に陥った薩摩藩の驚くべきブラックな藩政・経済改革【後編】 (2/3ページ)
さらに、借金の返済期限を勝手に無利息の250年分割払いというあり得ない内容に変更し、そのかわり商人には砂糖販売の利権を与えて、この事実上の踏み倒しを承諾させるという手段を採ったのです。
ちなみに黒砂糖を専売制にしたことで、当時砂糖を生産していた奄美大島・徳之島・喜界島の人々の生活は窮乏しました。
こうした改革によって薩摩藩は年収を増やし、備蓄金を増やして借金を返済していくことに成功します。しかし、ここまでやっても完済には至りませんでした。
廃藩置県による棚ぼたではその後、この借金はどうなったかというと、廃藩置県による制度の変化によってチャラとなったのです。
明治維新後、新政府は旧幕府や旧藩の権力を剥奪するために廃藩置県を実施しました。これによって、旧藩は廃止されて県に統合され、旧藩主や旧家老は官職や俸禄を失います。
そして旧藩の法的・経済的な基盤が崩壊したため、借金の債権者や債務者の関係も曖昧になり、借金の返済を強制することは不可能になったのです。薩摩藩にとっては、廃藩置県という変革は棚ぼただったわけです。
また、返済期間250年という長い目で見ると、インフレによって金銭の価値が変動したこともあり、時代が下るにしたがって相対的に借金の金額は小さくなっていったとも言われています。