大谷翔平VS伝説の大打者5人「どっちがすごい?」夢の6番勝負

日刊大衆

大谷翔平
大谷翔平

 前人未到の道を歩む“令和の怪物”。時代を超え、日本最高のスラッガーと徹底比較。真の“最強”は誰だ?

 ア・リーグ本塁打王争いを独走する我らが大谷翔平(29)。今季のエンゼルス残留が決定し、投打に渡ってさらにギアを上げている。

「7月27日の活躍は驚愕でした。タイガースとのダブルヘッダーで、初完封を記録したと思ったら、40分後の第2試合で2打席連続弾。史上初の偉業でした」(スポーツ紙MLB担当記者)

 しかし、まぶたを閉じれば、世界の王が描いた美しい放物線や、三冠王落合の内角打ち、松井秀喜の超高速弾丸ライナーを、今も鮮やかに思い出すという人も多いだろう。

 いくら大谷が前人未到の地にいるとはいえ、日本球界が誇る伝説的な大打者も負けていない。今回は、そんなレジェンドたちとの“夢対決”を、誌上でシミュレーションしていこう!

■大舞台に強い長嶋茂雄

 まず一番手は“ミスタープロ野球”長嶋茂雄

 実働17年間で首位打者6回、本塁打王2回、打点王5回の実績はもちろん、「記録の王、記憶の長嶋」の言葉通り、天覧試合や日本シリーズなど大舞台でこそ、勝負強さを発揮した。

「通算4度の日本シリーズMVPは歴代1位。中でも4度目となった1969年阪急とのシリーズでは、打率4割9厘、4本塁打、6打点の大活躍でした」(スポーツジャーナリスト)

 そのスター性は、先のWBCでの大谷にも相通じる。

 阪急時代の全盛期に「大リーグに最も近い男」と称された“史上最高のスイッチヒッター”松永浩美氏も共通点を、こう指摘する。

「根っからの“野球小僧”。周囲の評価は二の次で、何より野球が楽しくてしかたないという気持ちが、2人からは伝わってくるよね」

 感情豊かなプレー中の表情だけでなく、あの有名なひと言にも野球を楽しむ大谷が見て取れるという。

「“ここで決めれば”などと承認欲求が先に立って、重圧を感じる場面でも、彼らは難なく結果を出す。その精神性を端的に表していたのが、例の“憧れるのをやめましょう”だよね」(前同)

 松永氏は、今年の大谷の進化も「本人は感覚的にやっているのでは」と言う。

「解説者連中は“バットが下から出るようになった”とか、したり顔で技術論を語るけど、本人の中では“今日はこんな感じ”ぐらいの感覚で微調整してるだけだと思うんだよね。もちろん日々、研究はしているだろうけど、基本は来た球に反応している。そういう意味でも、長嶋さんに近いよね」

 では、ミスターと双璧をなす王との対決はどうか。

■王貞治の凄さ

 通算868本塁打は今なお燦然と輝く世界記録で、2170打点、出塁率4割4分6厘、長打率6割3分4厘など、打撃主要3部門の通算成績でも、堂々の歴代1位に君臨する。

 野球データの解析を専門とする株式会社DELTAのアナリスト・大南淳氏も、そのすごさをこう評する。

「過去のNPBでの成績と現在のMLBのそれを同列に比較できませんが、今季の打者大谷に比肩できる選手がいるとすれば、王さん。セイバーメトリクス的な観点からすれば、代名詞の本塁打はむしろ一側面。王さんの本質は、四球を選ぶ能力など、圧倒的な総合力の高さにあるんです」

 現役時代に左の好打者として鳴らし、史上最多3度の三冠王に輝く落合博満に師事した愛甲猛氏は「技術だけなら、王さんのほうが大谷より上」と語る。

●ボールを飛ばす技術

「ボールを遠くへ飛ばす技術ってことだけで言えば、大谷は王さん、オチさんには及ばない。でも、彼には、それらを陵駕するパワーとスピードがある。俺自身の感覚で言えば、パワーとスピードの前ではどんな技術もかなわない。だから、同じ条件での勝負なら、勝つのは大谷にはなるだろうね」

 とはいえ、令和の時代、トレーニング技術やスポーツ医学の進歩は、昭和とは比べものにならない。

「王さんは家や荒川コーチの自宅で素振りするときは、パンツ一丁で大鏡の前に立ち、筋肉の動き一つ一つをチェックしていました。落合さんはキャンプ中に星野、長嶋両監督にも見せない秘密特訓をしていました」(前出のジャーナリスト)

■落合博満“昭和の驚愕特訓”

 落合の特訓は今も昔も考えられないものだったとか。

「ホームベースの後ろにピッチングマシンと正対して立ち、飛び出して来る球をバットで左右に弾くというもの。巨人時代、解説者の関根潤三氏が一度だけ見学を許されたことがあったんですが、感想を求めても、ただただ首を振るばかり。感心よりも衝撃を覚えた様子でした」(前同)

 もしONや落合が、大谷と同条件で体を鍛えつつ、独自の特訓をできていたら……と夢想してしまうが、愛甲氏は、至近距離で見たそのすごみをこう語る。

「オチさんにとって重要なのは“いかにムダなく最大の結果を出すか”。仮に今のノウハウが当時あっても、その点は変えなかった気がするね。そして、一貫して“野球に必要な力は、野球でつける”という考え方を持っていた。キャンプでは、とにかくノックで下半身を鍛えて、シーズン中はバットより重たいものは一切、持とうとしなかったし……」

■巨人の4番を受け継いだ松井秀喜

 その落合から“巨人の4番”を受け継いだのが、平成を代表する大打者、ゴジラこと松井秀喜だ。

 ヤンキース時代の09年に、日本人初のワールドシリーズMVPを獲得。渡米初年度の03年から続けた3年連続全試合出場&100打点超えは、“鉄人”大谷さえなしえない大偉業だ。

「高校時点の完成度で言えば、松井のほうが大谷より圧倒的に上。インパクトの強さやボールを捉える能力は、当時から尋常じゃなかったよ」(愛甲氏)

 自身も甲子園のスターとして活躍した愛甲氏はこう語るが、その後の彼らの違いを、こう続ける。

「松井は何でもできる大谷や、同年代のイチローと違って超不器用。守備や走塁、スイング一つ取っても、華麗さとはほど遠い。彼にもし逆方向にも難なく本塁打が打てる器用さがあれば、もっとすごい成績を残せたんじゃないか」(前同)

 当時の長嶋監督が「このままではプロの変化球は打てない」と、育成のために“1000日計画”を打ち出したのは有名な話。

「長嶋監督が松井に求めた理想の打球は右中間への弾丸ライナー。今も巨人の裏方さんの中で言われている伝説があるんですが、“打撃練習でジャストミートした松井の打球から、キナ臭い匂いがした”というもの。文字通り、火花散る弾丸ですよ。後にも先にも、こんな話は聞いたことがない」(前出のMLB担当記者)

 規格外のパワーを誇った松井だが、特筆すべき点はまだある。

「松井も含め、大打者に共通しているのは、何より体が丈夫だったこと。ONの2人も、毎年オープン戦の初戦から、日本シリーズ最終戦まで、当たり前のように出続けた。大スターの彼らが“レギュラーは簡単に休んじゃいけない”を体現する存在だった、というのは、今とは大きく違うよね」(愛甲氏)

■鼻っ柱が強かったイチロー

 その意味では、28年に及ぶ現役生活で、大きな故障をほとんどしなかったイチローもまた“無事是名馬”。異端と呼ばれた“振り子打法”でのデビューから積み上げた通算4367安打の大記録は、大谷も見上げるばかりだろう。

 92年にはオリックスで1、2番コンビも組んだ松永氏は、こう語る。

「イチローはギリギリの打球でも、あまりダイビングをしなかったよね。それは、当時の練習でも同じだった。つまり、1歩目の速さとポジショニングができていれば、ダイビングの必要もないし、ケガも防げるから」

 ルーキーだった92年のイチローだが、その鼻っ柱は強かった。

「あれこれ言ってくるOBに向かって、“だったら先輩が一度打ってみせてくださいよ”と返したぐらい、若き日のイチローも大谷と同じく自分ってものを持っていた。伊良部(秀輝)の速球の印象を聞いたら“そんなに怖くない”と返したぐらいだしね」(前同)

●大谷との共通点

 さらに、松永氏は大谷とイチローに共通する精神性を見出している。

「打撃タイプは違うけど、固定概念にとらわれない感性の持ち主ってところは共通する。昔からパ・リーグには野武士みたいな個性的な選手が多くいた。彼や大谷が、ともにパ・リーグ育ちというのは、ある意味、必然だったのかもね」

 感性は近しいイチローと大谷。しかし、その振る舞いは大きく違うと、愛甲氏は指摘する。

「他人にどう映るかを誰より意識していたのがイチロー。端で見ていても、キムタク(木村拓哉)のように、24時間イチローであることを、あえて自分に課していたように見えたしね。対して、大谷は喜怒哀楽をそのまま出す。その振る舞いがアメリカでも、あれだけ愛される秘訣じゃないかな」

■投手・大谷と打者・大谷が勝負したら

 では最後に最大の“もしも”を。投手・大谷が打者・大谷にガチンコ勝負を挑んだとしたら、はたして結果は、どうなるのか。

 前出の大南氏は「圧倒的に打者・大谷が有利」と、こう語る。

「今季の投手・大谷が最大の武器としているスイーパーは、右打者にこそ絶大な効果を発揮する球。左打者で、とりわけ真ん中から内寄りのボールを大の得意としている打者・大谷には、効果は薄いのではないか」

●どう攻めるのか!

 では、投手・大谷は、どう攻めればいいのか。

「打ち取るには、今季は数字上あまりバットが出ない外角のゾーンを徹底して攻めて、追い込んだらスプリットというのが一番効果的。ですが、いかんせん今季の投手大谷はスプリットの精度がいま一つ。落ち切らないスプリットをすくわれて本塁打、もしくは外を狙いすぎて四球……という結果を予測します」(前同)

 名だたるレジェンドたちが踏み固めた日本プロ野球という肥沃な土壌があってこそ、“世界最強の二刀流”の今もある。

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