窃盗犯罪が相次ぎ、ゴーストタウンと化したビバリーヒルズ。漂うポストアポカリプス感
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アメリカ・カリフォルニア州にあるビバリーヒルズと言えば、セレブの大邸宅が立ち並ぶ、全米でも有数の高級住宅街だが、最近このエリアでちょっとした変化が起きているようだ。
SNSに投稿された動画では、ロサンゼルスの窃盗犯罪の波を受けて、ビバリーヒルズの小売店や銀行、レストランなどが次々と閉店したことを示す様子が映し出されている。
日本でいうところのシャッター通りのようになってしまい、ゴーストタウンと化しており、ディストピア、ならぬポストアポカリプス感が漂っている。
・ゴーストタウンと化したビバリーヒルズ
TikTokに投稿された動画では、ビバリーヒルズの十数軒の小売店やレストランが完全に閉店され、新しいビジネスに置き換えられず、空っぽの店先が抜け殻のままになっている様子が映し出されている。
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象徴的な元バーニーズの店舗、ブルックス・ブラザーズ、オールセインツ、高級婦人ファッションブティックのエスカーダなど、ビバリーヒルズの人気小売店約11軒が、現在は完全に閉鎖されているようだ。
また、エスカーダとバーニーズは、近年破産を申請したという。
他にも、シャネル、ライトエイド、バーンズ&ノーブル、ナイキタウン、チポトレやスターバックスのようなレストランの跡地など、現在空き店舗となっている有名店がいくつかある。
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・全米の主要都市で起きているゴーストタウン化現象
ゴーストタウンと化したビバリーヒルズの有様は、ほとんどの主要都市で小売業界が直面している危機が、改めて強調されたものといっていいだろう。
それは窃盗犯罪だけでなく、多くのブランドが通販に置き換わり、対面での販売需要が減少していることを示している。
また、ビジネス戦略として買収や合併を進めているブランドもあり、大量閉店の理由は様々と伝えられている。
だがやはり、物価の高騰による経済の低迷は、ほとんどのブランドに悪影響を及ぼしていることは確かなようだ。
ウィルシャー大通りに並ぶ店舗は、かつては、パパラッチに写真を撮られて拡散される当代のセレブたちに人気のスポットだった。
しかし、多くの店舗が相次いで閉鎖になったことで、魅力と贅沢さで知られるこのエリアの評判は、今やまったく対照的になっている。
一方、サックス・フィフス・アベニュー、エルメス、グッチなどは、TikTokアカウントの「ベスト・オブ・ビバリーヒルズ」総まとめにランクインするなど、今のところはなんとか破滅を免れている。・急増した窃盗犯罪と闘う店舗RIP Beverly Hills: Video shows high-end retail stores now shuttered amid LA crime wave https://t.co/YawtXJFS42 pic.twitter.com/FKvbT2EHNK
— New York Post (@nypost) September 5, 2023
アメリカでは現在、パンデミック中の経済的苦境を乗り切った店舗は、犯罪の急増と闘うことを余儀なくされている。
ビバリーヒルズ、そしてロサンゼルス全般の企業もまた、犯罪の大幅な急増に対処していて、多くの店舗が強盗の集団に対して無防備になっているという。
先月、カリフォルニアの高級ショッピングモール「アメリカーナ」に入っているイヴ・サンローランの店舗が、少なくとも30人の集団強盗によって襲撃されるという事件が発生し、衝撃的な瞬間を目撃した人々は唖然とした。
オンラインに投稿された動画には、8月8日の午後5時少し前に、フード付きの黒服装にマスクをした複数の窃盗犯が店を襲うと、すぐに逃げ去っていく様子が映っていた。
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Video shows wild scene at Americana as thieves ransack Yves Saint Laurent store
グレンデール警察によると、強盗らは恐怖におののく職員が固まる前で、1分以内に奪えるものはすべて奪った後、約30万ドル(約4400万円)相当の商品を持ち去ったという。
この事件では、武器を使用した強盗は1人もおらず、負傷者も報告されていないそうだ。・法の改正以来、増加する強盗事件
カリフォルニア州当局が950ドル(約14万円)未満の物品の盗難に対する罰則を引き下げたことを受け、同州全域では、窃盗、強盗事件が増加し続けている。
有罪判決を受けた者は、郡刑務所に6か月収監される可能性があるが、ほとんどの場合、警察はわざわざ起訴しようとはしない。
5月には、カリフォルニア州上院は、店の従業員が同州で銃乱射事件や万引き犯と対峙することを禁止する法案を可決した。
そのため、動画撮影した従業員でさえ解雇されるという事態が起こっている。
この議定書の支持者らは、これにより従業員が暴力から守られると主張しているが、店舗や従業員らにとって、この措置はさらなる万引きを助長するだけだと主張していて、実際に窃盗事件の増加が、証拠として裏付けられているようだ。・フラッシュロブ(集団強盗)の取り締まりと窃盗撲滅を目指す
最近、警察では集団強盗「フラッシュロブ」を取り締まり、少なくとも9人を逮捕した。
その中には、ロサンゼルス東部のナイキ店舗を強盗した6人の泥棒も含まれていたそうだ。
ロサンゼルス市警察の最新データによると、8月26日現在、ロサンゼルスでは9455件の強盗事件が報告されており、昨年の同時期と比べて3%未満の減少となっているが、それでも2021年以降は14%以上増加しているという。
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California: Robbers steal $900k worth of jewellery
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、小売犯罪対策本部とともに、ロサンゼルスでの窃盗撲滅に向けてカリフォルニア・ハイウェイ・パトロールのリソースを活用すると発表し、記者会見で次のように述べた。
州は組織犯罪の取り締まりに数億ドルを投資しており、地元のパートナーがさらなる支援を必要とする場合には、私たちは援助の手を差し伸べる用意がある。ちなみに、2019年に設立された組織小売犯罪対策本部では、創設以来1250人以上を逮捕し、3000万ドル(約44億円)以上の盗難商品を回収したと発表している。
References:RIP Beverly Hills: Video shows high-end retail stores now shuttered amid LA crime wave / written by Scarlet / edited by parumo
追記(2023/09/09)ディストピアをポストアポカリプスと変更して再送します。
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