宇宙における人間の使命が情報の運び屋だとしたら…… (2/2ページ)

バリュープレス


下巻「情報の詩」は、第4章情報の汗で、情報の本質は信頼にあることを説き、第5章情報の姿で、われわれ情報の生まれ故郷は宇宙にあることを解説し、そして第6章情報の涙で、真の豊かさを情報に求めることを提案している。
さらに最終章情報の森では、読者の手元に漂着した「情報の運び屋」の上巻「情報の路」と下巻「情報の詩」は、読者に吸収されて消滅してしまい、そして読者により、新たな情報の運搬屋として生まれ変わり、平和で真に豊かな情報の森造りに活躍している話で完結となっている。
第2次世界大戦で日本軍が真珠湾攻撃をした昭和16(1941)年に大韓民国水原(すうぉん)で生まれた筆者(82歳)は、転居した宇都宮市で空襲の中を逃げ惑った経験がある。
戦争の悲惨さを身をもって知り、そして平和の実現と維持こそ、われわれ人類の究極の責務だと気づく。
さらに世界40ヵ国余りの歴史的遺産を訪問しながら、われわれ全ての生物すなわち人類も、“情報の運び屋”であるという発想が生まれた。本書は、この新思想と平和の尊さを読者に理解してもらうため、著者の人生体験などを素材にして、情報の性(さが)の目線で執筆された自伝的物語である。
過去と現在の延長上には、われわれの未来はない。
この自明の理を基軸にして書かれた本書は、従来の物質とエネルギー文明偏重の時代から情報文化の時代へ価値観を変え、現状を未来の立ち位置から視座転換して、諸課題の解決に取り組む必要性を訴えている。
情報というものは、多様性がなければ生きてゆけない。しかも情報の本質は信頼にある。人種や民族、国家や経済体制、政治や宗教、言語や生活習慣、思想や主義主張など、あらゆる違いは分断の壁ではない。
多様性は、これまで環境の変化に適合しながら、生き残り続ける情報の素晴らしい特長である。従って、われわれは“情報の運び屋”という客観的立場に立ち、お互いの違いを、お互いに理解し合い、お互いに認め合って、平和で真に豊かな多様性に満ち溢れた情報の森で覆われた世界を実現する必要がある。
それが本書の主張である。



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