良い人として生きてきた人生。隠してきた「本音と闇」を伝えた本当の理由【いちばんすきな花#5】 (2/4ページ)
■鶴の恩返しならぬぼっちの恩返し
「クラスの中心人物であり人格者」と認識されていた紅葉は、一人ぼっちになっているクラスメイトがいると、積極的に声をかけに行っていました。そんな彼の優しさに救われた、ぼっちだったクラスメイトの1人が紅葉をインスタで見つけ、一緒に仕事をしようと声をかけてくれたのです。
絵のテイストは違えど2人とも絵を描くことが好きで、公園で一緒にスケッチをするなど、クラスメイトの中では紅葉の存在は素晴らしい思い出の一つになっていました。
昔助けてもらった御恩を返すために、自分の正体を明かさずに恩返しする様子はまるで鶴の恩返しならぬ、ぼっちの恩返し。その情とエピソードに心が温まります。
■紅葉が最低な本音を暴露した理由
ですが、そこでなぜか紅葉がせきを切ったように最低最悪な本音を話し出すのです。
「お前らみたいな余っている奴がいるとありがたかった。そういう奴は裏切らない。俺なんかでも一緒にいてくれて、うれしそうにしてくれて。(紅葉のことを友人がたくさんいると認識しているようだけど)本当は友達なんかいなくて、いいように使われているだけだし、優しいふりをしていただけ」
本当は一人ぼっちのクラスメイトのためなんかじゃなく、自分のために声をかけたのだと、話す必要のなかった本音をなぜここで突然吐露し始めたのでしょうか。
自分より下に見ていた人間が、同じアートという土俵で自分よりも大成していた劣等感から?
ぼっちだと思って救いの手を差し伸べ、もう一人の孤立しているクラスメイトを紹介したら仲良くなってしまい、本当のぼっちは自分だと思い知らされたから?
その中でも1番のとどめとなったのはおそらく、自分の絵の才能を認めてくれた人がいたのだと期待していたら、実は自分の人柄への恩返しとして舞い込んだ仕事だったことにがっかりしたから、なのでしょう。