「すべては舞台を楽しんでいただくため!」林家笑丸さん(49)「後ろ紙切り落語を編みだした男の巻」珍談案内人・吉村智樹のこの人、どエライことになってます! (2/3ページ)
■試行錯誤しながら目指す落語の未来
場所を選ばず爆笑を呼ぶ後ろ紙切りだが、面白くしゃべりながら、完成図を頭に描きつつ指を動かすのは至難の業。いくつもの動作を同時にこなすため、そう簡単にはうまくいかず、完成までに数年を要した。以前は失敗もあったという。
「バスツアーの仕事で、車内で紙切りを披露した際、バスが揺れるものですから、誤ってハサミで指を切ってしまいました。切り絵に血がついて、“おめでたい紅白のウサギです~”って(苦笑)。焦って冷や汗が出ましたし、傷が痛くて泣きました。正真正銘“血と汗の涙”の芸なんです」
ちなみにバスツアーではBGMを流すスタッフがおらず、しかたがなく自分で歌いながら切り絵をしたのだそう。紙切りの際に歌うスタイルになったのは、この経験からなのだとか。まさにケガの功名である。
紙切りに歌の要素を含むようになってから、こんな経験もあった。
■西川きよしが舞台に駆け寄ってきて
「紙を切りながら“♪収入は不安定~、それ以上に情緒不安定~”と歌っていたら、西川きよし師匠が本気にして“大丈夫か?”と舞台に駆け寄ってこられたときもありました」
エピソードに事欠かない後ろ紙切り。作業は後ろで行うが、笑丸さんの姿勢は常に前向き。落語の未来のために、新しい笑いの方法論を自ら切り開いている。