筋子とイクラの違い?ご飯食べるのになぜ「お茶碗」?知ってるようで知らない和の食材【その3】

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筋子とイクラの違い?ご飯食べるのになぜ「お茶碗」?知ってるようで知らない和の食材【その3】

和食にちなんだトリビア第三弾。

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シラスとシラスウナギの違い?青海苔とアオサの違い? 知ってるようで知らない和の食材【その1】

卑弥呼は何を食べていた?かば焼きはなぜ「蒲焼」と書く? 知ってるようで知らない和の食材【その2】

筆者がなぜ?と思い調べたことや、展覧会などで知ったことをただひたすら並べてみました。しかし「そういうものだろう」と何も考えなくなることは、せっかくの知る機会を失っているも同然。気持ちが和食づいた今、和の世界にお付き合いいただければ幸いです!

ご馳走はなぜ「走って」いるのか

御馳走。豪華な食事を意味するこの言葉は、客人をもてなすために馬を走らせて、色々な食材をかき集めたことに由来します。確かに現代のスーパーの様に一つの店にあらゆる食材が集まっているわけではないですね。

なぜ「味噌がつく」という?

なぜ失敗したり、面目を失うことを「味噌がつく」とか「味噌をつける」というのでしょう。
かつて、味噌は火傷などの傷に付けると治ると思われていました。 火傷は、しくじったときや間違いを起こした時におこることから、失敗した時にみそを付けるという意味となりました。

刺身とお造りは違うもの?

醤油は室町時代に登場した高級品でした。近畿地方にしょうゆの産地が形成されたあと、江戸幕府が開府されると、上方から大量の「下り(くだり)醤油」が送られるようになり、次第に関東では下総国の野田と銚子が産地となっていきます。

醤油登場前は、お寿司は甘い味噌をつけて食べていたといいます。魚の切り身に醤油をつけて食べるのが庶民にも一般的になるのは、江戸幕府以降のようです。

さて、日本料理の原型が確立した室町時代、刺身や造りはただ単に「切り身」と呼ばれていました。切った魚がなんの種類なのかが区別がつくように、尾頭や尾ビレを切り身に刺していたことから「刺身」と呼ばれるようになったとも。

江戸で庶民が醤油を手に入りやすくなると、新しく刺身屋が登場。お皿を持って、好きな分だけ盛りつけてもらいます。計り売りみたいなものですね。関東では武家が切腹を想起するということで「刺身」と呼ぶのが一般的に。

関西では、もともと魚を切ることを「造る・つくる」と呼んでいたため、皿にのせた切り身をそのまま「お造り」と呼んでいました。「切る」と同様に「刺す」も忌み嫌われて「造る」と呼んだという説もあります。

ちなみに、関東では褄や飾りをつけて様々な魚を盛り合わせるのが流行りましたが、上方では盆地で暑いこともあり、傷みやすいということで、一皿に一種類だけ載せるのが主流だったとか。

筋子といくらの違いって?

「筋子」は卵巣膜に入り卵がつながっている状態のサケ・マスの卵です。お腹から取り出したばかりのものは「生筋子」といい、塩漬けされているものが一般的。
一方の「いくら」は筋子から卵巣膜を外して、卵がバラバラになった状態を指します。秋鮭の卵をほぐしたものが主流です。

「本マグロ」と呼ばれるのは何マグロ?

寿司といえばマグロ、刺身といえばマグロが真っ先に思い浮かぶぐらい日本人に馴染みのある食材ですね。店頭でちょっと高級な「本マグロ」という表記を見かけることも多いはず。しかし普通のマグロとどう違うの…?と思ったことはありませんか?

食用のマグロはおおまかに「クロマグロ、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロ」と5種類あるのですが、実は本マグロと呼ぶのは「クロマグロ」だけ!
別名マグロの王様ともいい、本マグロはクロマグロの一般名なのだとか。

クロマグロの名前の由来には諸説あり、目が黒いことから「目黒(マグロ)」と呼んだ説、泳いでいる姿が真っ黒な山のように見えたことから「真黒(マグロ)」と呼んだという説などがあります。

ご飯を食べるのになぜ「お茶碗」?

ちょっとこれは複雑なので漢字の違いから説明します。茶碗の碗は部首が「石」ですね。汁椀の椀は部首が「木」です。今更説明不用とは思いますが、茶碗は茶の湯において「茶を入れて飲むための碗」を指す用語でした。

漆器の椀は飯や汁物などを盛るための食器のことです。飯椀、汁椀と呼んでいました。

茶碗は、奈良時代から平安時代にかけて茶と一緒に中国から伝来。当時の日本では磁器が作れなかったので、その後もずっと中国から輸入していました。花瓶や鉢などの陶磁器も輸入していましたが圧倒的に多かったのは茶碗だったため、次第に磁器全般のことを「茶碗」と呼ぶようになります。豊臣秀吉以降、国産の磁器も広まっていくと庶民も磁器の食器を手に入れられるようになります。

各々の特性としては、木は熱伝導率の低い素材のため、保温効果が高まる。木地に漆を塗った漆器であれば、防腐・防水・防虫効果も高いのです。ご飯やお味噌汁など冷めてほしくないものに適しているのですね。陶磁器の碗は、逆に抹茶などを点てる時に適しています。

しかし、陶磁器が漆器よりも手に入れやすくなる時代がきます。文化14(1817)年に大田南畝が記した随筆の中で、「今の陶器は尾州の瀬戸より多く出る故に、なべての陶器を瀬戸物といふに同じ」とあるように、「瀬戸物」とも言われる安価な陶磁器が出回るようになります。すると形状の似た茶碗のほうが使いやすいからとご飯を盛るようになっていき、「ごはん茶碗」と呼ぶようになったということです。

いかがでしたか? 色々な変遷をたどり今に受け継がれている和食。意味も知ると尚おいしくかんじることでしょう。

トップ画像:『東都名所高輪廿六夜待遊興之図(歌川広重画)

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