訃報。ニューヨーカーたちが愛した脱走フクロウのフラコが死亡、悲しみに包まれる

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訃報。ニューヨーカーたちが愛した脱走フクロウのフラコが死亡、悲しみに包まれる
訃報。ニューヨーカーたちが愛した脱走フクロウのフラコが死亡、悲しみに包まれる

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 悲しいお知らせを報告しなければならない。2023年2月2日に、ニューヨークのセントラルパーク動物園から脱走したフクロウ科、ユーラシアワシミミズクのフラコが2024年2月23日に死亡したことが確認された。

 野生では生き伸びられないと言われながらも、自力で狩りを覚え、1年にわたってニューヨークの中心部を自由に飛び回っていたフラコは、まさにニューヨーカーたちの希望だった。

 だが大都会にはいたるところに危険が潜んでいる。フラコも都市部特有の事情で命を落としてしまったが、今頃天国で自由に羽ばたいていることだろう。

・ニューヨーカーとして生きることを選んだフラコ
 2024年2月23日夕方、ユーラシアワシミミズクのフラコ(オス)が亡くなったことを、セントラルパーク動物園がが公式に発表した。14歳だった。

 フラコはもともと同動物園で飼育されていたが、何者かによって飼育エリアの囲いの金網が破壊され、そのまま飛び立ってしまった。

 フラコはまだヒナの時に、ノースカロライナ州の鳥類保護区からやってきて、以来13年間動物園の中にいたため、野生では生きられないのではと心配されていたが、脱走から1週間後に自力で狩りに成功し、その適応能力の高さに皆がびっくりした。  当初はフラコを捕獲し、動物園に戻す試みが行われたが全て失敗し、「フラコに自由を!」という市民からの署名運動の高まりもあり、フラコを罠で捕らえる試みは一旦停止し、常に監視しながらも見守ることとなった。

 フラコはどんどん野生に適応していき、狩りの腕も上達。セントラルパークを拠点としながら、近くの高層マンションなどにも顔を出すようになった。  ニューヨーカーたちは、大都会のコンクリートジャングルの中で自由を満喫し、奔放に生きるフラコを愛し、彼に希望を見出していた。

 そんな矢先の出来事である。・フラコ、ビルに衝突して死亡
 野生動物保護協会(WCS)ワイルドバードファンド(WBF)の発表によると、フラコはセントラルパークからさほど離れていない、マンハッタンのアッパーウェストサイドにあるビルの窓に衝突した。

 この事故の後、このビルにいた人々が、ワイルドバードファンド(WBF)に連絡し、リハビリセンターのスタッフが午後7時頃に動かなくなったフラコを回収した。

 その後まもなくフラコの死亡が確認され、解剖のためにブロンクス動物園に移送されたという。

 フラコの初期解剖の結果、死因は急性外傷であることが明らかになった。

 体に衝撃を受け、胸骨の下と肝臓の周りの体腔の後部に大量の出血があった。左目の後ろに少量の出血があったが、頭部の外傷や骨折もなかったそうだ。

 ニューヨーク市では、年間約20万羽もの野鳥が建物との衝突で命を落としているが、フラコが衝突を避けられなかった要因は他にあるとする専門家もいる。

 例えば、フラコが殺鼠剤や他の毒性のあるものを食べて飛行能力が低下していた可能性もある。何らかの感染症を患っていた可能性もある。

 野生動物愛好家のデイビッド・バレット氏は、フラコが窓との衝突前に異常行動を示していたことから、毒物による中毒の能性を指摘している。

 そのため、次のステップでは、フラコの健康に悪影響を及ぼした可能性のある基礎因子の特定が行われるという。 ・フラコの死を悼むニューヨーカーたち
 フラコの死は、ニューヨーク市長、エリック・アダムスや州知事も含め多くの市民たちを悲しみに包んだ。

 フラコにはお気に入りのオークの木があって、その木で多くの時間を過ごしていたため、フラコの死を悼む多くのニューヨーカーたちがその木に集まった。

 木の下には花束やメッセージカード、似顔絵、記念品など、追悼の品がたくさん置かれた。  カラパイアでも今月の初旬、フラコの脱走からの軌跡を追う特集記事を掲載したばかりなのに、こんなことになってしまい本当に悲しい。

 フラコはまだ14歳、野生下なら20年、飼育下なら最大60年生きられる可能性があった。

 なお、フラコの囲いの金網を破った犯人に関する調査は続いており、現時点でまだ逮捕されていない。

 星になったフラコは、天国でも持ち前の適応能力の高さで幸せに暮らしてくれていればいいな References:Flaco, the Eurasian Eagle Owl, Has Died Newsroom / Initial Necropsy Findings for Flaco Are Consistent with Death Due to Acute Traumatic Injury Newsroom / written by parumo



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