「一流の中でもまれる人生」と「お山の大将」 自己肯定感が高いのは? (2/2ページ)

新刊JP

もちろん、この研究結果が人間関係の全てを表すわけではないし、話し合いのメリットもたくさんある。ただ、人間関係には「時間が解決すること」や「相手が自然に気づいていけないところを改善するケース」も少なからずある。あえて話し合いの場を持って互いの気になっている点を指摘するだけが解決法ではない、と考えると気持ちが楽になることもあるのではないだろうか。

■「一流の中でもまれる人生」と「お山の大将」 自己肯定感高く過ごせるのはどちら?

また、周囲にどんな人間がいるかは自己肯定感に大きな影響を与える。
一流の中でもまれて、苦労しながら自己研鑽を積む人生と、自分より能力的に劣る集団でトップを走る人生。そこに優劣はないが、満足感や自己肯定感という点で言えば、どうも後者に軍配が上がるようだ。

本書で紹介されている、イスラエル・ハイファ大学のモーシェ・ゼイドナーが行った調査が興味深い。

ゼイドナーは、「超優秀」と判断された1020名の小学生を対象にある調査を行った。この1020名の半分は普通の子どもと一緒に授業をうけるレギュラークラスに在籍し、残り半分は超優秀な子どもだけを集めた特別クラスに在籍していたのだが、こちらの特別クラスの子どもの方が、「私は頭が悪い」「私は物覚えが悪い」「私は試験ができない」などのネガティブな発言が多かったという。繰り返すが、彼らは自分も「超優秀」なのに、である。

ただ、人間は周りにいる人と自分を比べて自己概念を形成していく生き物だ。たとえ自分が優秀であっても、同じくらい優秀な人が周囲にたくさんいると、自分に自信を持てず自己評価も低くなりやすい。

一方、「お山の大将」はあまりいい意味で使われない言葉だが、自分より劣る人ばかりの集団の中でトップを走るのは快感には違いない。精神的に満ち足りた状態で生きていくなら、背伸びせずに「自分が上位でいられる集団」に属するのがいい、ということか。

ここでは人間関係にまつわる心理学研究を紹介したが、本書では明日からすぐ使える実用的なものから、人間の隠された本質をあらわにするようなディープなものまで、古今東西の研究が多く取り上げられている。手にとってみると、目からウロコの新知識やびっくりするような研究結果がきっと見つかるはずだ。

(新刊JP編集部)

「「一流の中でもまれる人生」と「お山の大将」 自己肯定感が高いのは?」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る