まひろ、ついに結婚へ…宣孝が『源氏物語』キャラのモデル?大河ドラマ「光る君へ」6月16日放送振り返り
宣孝「自分が思っている自分だけが自分ではないぞ。ありのままのお前を、丸ごと引き受ける。それができるのは、わしだけだ。さすれば、お前も楽になろう」
まひろ「……そのお言葉が、少しばかり胸にしみました。……いとおしすぎると嫉妬もしてしまいます。されど宣孝様だと、恐らくそれはなく楽に暮らせるかと……」
父娘ほども年齢差(およそ20歳)のある藤原宣孝(佐々木蔵之介)からの求婚を受けて、まひろ(紫式部。吉高由里子)は少し気が楽になれたでしょうか。
NHK大河ドラマ「光る君へ」第24回放送のサブタイトルは「忘れえぬ人」でした。まひろにとっての藤原道長(柄本佑)であり、周明(松下洸平)にとってはまひろがそうなったのかも知れません。
それでは今週も、気になるトピックを振り返っていきましょう!
第24回放送「忘れえぬ人」時系列長徳3年(997年)……まひろ28歳
3月25日 大赦が発せられる
4月5日 藤原伊周と藤原隆家に大赦を適用すべきか陣定で協議する
4月22日 藤原隆家が入京する
6月13日 上達部らが宋国人の処遇について協議する
6月22日 藤原定子が職御曹司に入る
※時期不明 さわ(平維将女か)が筑紫で亡くなる
今回は長徳3年(997年)の数ヶ月間が舞台でした。
越前でのエピソードは詳しい記録がなく、周明も創作人物なので、基本的にはフィクションです。
正直なところ、この半年間観てきても彼女が紫式部には思えないのですが、紫式部と入れ替わった?まひろという女性の物語として楽しんでいます。
京都では一条天皇(塩野瑛久)が出家した藤原定子(高畑充希)を呼び戻し、生まれたばかりの脩子(ながこ)内親王ともども溺愛して政務が疎かになり始めました。
すでに新たな女御たちもいる中で、定子たちの存在が新たな波乱を招くのでしょうか。
改めて、藤原宣孝について前回まひろに求婚した藤原宣孝。最初期からずっと登場している腐れ縁ですが、この時点ではどんな状況だったのかを確認しておきましょう。
宣孝は従五位上・右衛門権佐(うゑもんのごんのすけ)として京都にいました。
右衛門権佐とは内裏の門を護衛する衛門府の次官(佐-すけ)です。
まひろの父である藤原為時(岸谷五朗)が従五位下・越前守なので、位階において一歩リードしていますね。
以前に言及していたように、妻は三人いました。
それぞれ藤原顕猷女(あきみちのむすめ)・平季明女(すえあきらのむすめ)・藤原朝成女(あさひらのむすめ)。
『尊卑分脈』によれば母親不詳の子供がいるため、その子たちを生んだ妾などがいる可能性もあります。
年齢差は父娘ほども離れており、むしろ嫡男である藤原隆光(たかみつ)の方がよほど釣り合いそうです。
しかし夫婦は相性もありますし、和歌のやりとりなどを見ても紫式部の夫として、宣孝は悪くなかったのかも知れませんね。
宣孝が『源氏物語』キャラのモデルに?
彼の名前は伊予介(いよのすけ)。その名が示す通り伊予国の国司次官ですが、妻の空蝉君(うつせみのきみ)とは父娘ほども年齢差がありました。
冴えない受領(ずりょう)階級の、しかもおっさん……世が世なら(ちゃんとした後ろ盾があれば)もっといい婿をとれたであろうに、空蝉の憂鬱は察するに余りあります。
そこへ主人公のスーパーエリートマザコンパーフェクト美男子の光源氏がやって来て、あっさり寝とってしまうのでした。
この夢展開?は、紫式部の願望だったのかも知れません。
後に空蝉君は光源氏の求婚を断り、夫との余生を選ぶのですが、これは夢から現実に戻ろうとする自分自身になぞらえたのでしょうか。
あるいはちょっと考えにくいものの、光源氏は愛妻の紫上(むらさきのうえ)を妻候補として幼少期から養育していたため、宣孝と自分の関係をモデルにしたのかも知れませんね。女性にマメなところとか、似ている点もありますし。
帰ってきた藤原隆家と出雲のシジミ?
隆家が献上した蜆(しじみ)は但馬産?平安時代から産地偽装はあったのだろうか(イメージ)
大赦が出たと聞いて、飛ぶように帰ってきた藤原隆家(竜星涼)。さっそく道長に取り入るための賄賂?として、出雲のシジミを献上しました。
確かに出雲のシジミは現代でも名物ですが、当の隆家は出雲まで行っていません。
実は配流に処される際、病気ということで但馬国(兵庫県北部の日本海側)に留まっていました。
その内ほとぼりが冷めればいいなぁ……なんて考えていたら、一年ばかりで大赦が下り、急いで帰ってきた訳です。
だから公卿たちが訝しむほどのスピード帰京ができたのでした。
まぁ、シジミなんて最近までどこでも獲れましたしね。テキトーにお土産とか言っとけばいいのです。
道長に出雲産か但馬産か、それこそその辺の川で獲ったって、分かるはずもないでしょう。
ちなみに隆家は「そのままでも食える」と言っていましたが、当時は佃煮なんてないはずなので、味噌か塩で煮たものと思われます。
定子が住む職御曹司とは?出家したにも関わらず、一条天皇の寵愛冷めることなく呼び戻された藤原定子&脩子内親王。
内裏には入れるのははばかられたので、職御曹司(しきのみぞうし)に住むこととなりました。
職御曹司は内裏の外だけど大内裏の中なので、すぐ会いに行けるとは言っても天皇陛下にすれば外出(お渡り、行幸)となります。
聞けば母屋に鬼がいたとも言われる曰くつきの場所で、定子たちは不安だったのではないでしょうか。
世間の避難をものともせず、ひたすら定子を寵愛し続けた一条天皇。
もう政務なんてどうでもいいから、今すぐにでも皇位を譲り渡さんとする勢いでしたね。
そして仏道に帰依した定子と事に及ぶという禁忌を犯します。これを藤原実資(秋山竜次)は日記に「天下不甘心(天下は甘心せず。みんな批判している)」と書いたのでした。
暫く離れていたからこそ、否が応でも熱を帯びる一条天皇の寵愛。果たして定子はかつての勢いを取り戻すのでしょうか?
第25回放送「決意」ずっと近くに居ても、他人のことは分からないもの……道長もまひろも、また一つ教訓を得たようです。
まひろ「誰かの妻になることを、大真面目に考えない方がよいのではと、このごろ思うのです」
結婚は妥協の芸術なんて誰が言ったのか、最初からハードルを高くしない方が、心安らかに暮らせるという意味と思われます。
熱烈な恋は長くて三年(個人差あり)。しかし夫婦生活は数十年にも及ぶのですから、永く愛情を育ててこそと言えるでしょう。
「恋は運命。愛は意志。」
どこかで見たキャッチコピーの通り、まひろはこれから宣孝との結婚生活を覚悟するのでした。
次週もドタバタ展開が予想されます。果たして何が起きるのか、楽しみにしておきましょう!
日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan