訃報、ひとり妊娠で話題となったエイのシャーロットさんが死去
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とても残念なお知らせがある。オスのいない水槽でひとりで妊娠したと話題となったエイのシャーロットさんが亡くなったことがわかった。
アメリカ、ノースカロライナ州にある「Aquarium & Shark Lab(アクアリウム&シャークラボ)」のスタッフは、7月1日のFacebookへの投稿で、「治療の甲斐なく、本日シャーロットが亡くなりました」と報告した。
「大きな喪失感」があるという悲しい報告とあわせて、ファンや関係者たちからの愛と支援に対する感謝の言葉も伝えている。
・ひとり妊娠のエイのシャーロットさんが死去
アクアリウム&シャークラボは、2024年7月1日(現地時間6月30日)、Facebookでシャーロットさんの死を報告した。
残念なお知らせです。医療チームや専門家と治療が続けられていたエイのシャーロットが、本日亡くなりました。
医療チームや研究者との協力は引き続き行われます。チームECCO一同、大きな喪失感の最中にありますが、皆様からの変わらぬ愛とご支援に感謝しております。
なお水族館は一時的に閉館としますが、その間もスタッフはほかの魚や動物の世話を続けてまいります
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[画像を見る] ・ひとり妊娠で世界的に話題となったシャーロットさん
シャーロットさんの妊娠が発覚したのは、2023年9月頃の話だ。お腹が膨らみ始め、妊娠していると診断された。
これが大きな話題になったのは、シャーロットさんが飼育されている水槽にオスがいなかったからだ。そのため、この妊娠はエイとしてはきわめて稀な「単為生殖」だと推測された。
こうしてシャーロットさんは世界の生き物ファンから注目され、お腹の子供は単為生殖によるものではなく、サメとの禁断の恋の結果かもしれないという人気アイドルらしいスキャンダラスなニュースまで飛び出した。
そう推測されたのも、シャーロットさんの妊娠が発覚する少し前、その水槽には若いテンジクザメの若いオスが入れられていたからだ。
そして異種間の情事を裏付けるかのように、シャーロットさんの体にはテンジクザメが交尾の時メスにつける噛み跡らしきものまで残されていたという。
こうしてお腹の子供は、父親のいない単為生殖の子と、エイとサメのハイブリッドの子の2つの可能性が考えられるようになり、世界からますます注目されることになった。
めずらしい処女懐胎による赤ちゃんの誕生が今か今かと待たれることになった。
ところが、その後だんだんと雲行きが怪しくなり始める。待てど暮らせど赤ちゃんは生まれてこなかったのだ。
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・シャーロットさんに生殖器系の病気が発覚
そして今年5月末、このエイに生殖器系の病気が見つかったとの報告があった。
水族館によると、専門的な研究がほとんどされていないめずらしい病気で、医療スタッフたちも今後どのように治療を進めていくのか、手探りの状態だったという。
だが、確かなことは、その時点でシャーロットさんがもう妊娠していないと診断されたことだ。水族館のスタッフは、「本当に悲しく予想外の事態です」と無念の思いを伝えている。
なお水族館側では、確かにシャーロットは妊娠していたという。
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・シャーロットさん死去
水族館は最善を尽くしたが、シャーロットさんは死んでしまった。その正式な死因は不明だが、殖器系の病気が関係しているのではと思われる。
この訃報は、めずらしい赤ちゃんの誕生を楽しみにしていた世界中のファンにとって、とても残念なものだ。
だが一番ショックを受けているのは、献身的にシャーロットの世話をしてきた水族館のスタッフたちだろう。
悲しみだけが原因ではないのだろうが、アクアリウム&シャークラボはしばらく臨時休業するとのことだ。
なお、死亡年齢については不明だが、シャーロットさんはラウンドエイとして知られるUrobatis halleri(ハレリー・ウロバティス)で、平均寿命は、野生では約10年から15年程度とされている。
References:Charlotte the stingray, the would-be mom, has died at her N.C. aquarium : NPR / written by hiroching / edited by / parumo
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