地球上の複雑な生命は、これまで考えられていたよりも約15億年早く誕生していたかもしれない (2/3ページ)
だがチ・フル博士らは今回、これよりもずっと以前、今から21億年前に同じようなことが起きただろうことを明らかにしている。
そのきっかけとなったのが、古い大陸地殻(クラトン)の衝突だ。
「コンゴクラトン」と「サンフランシスコクラトン」が衝突した後で活発になった海底火山は、このあたりの海をほかの海から切り離し、栄養たっぷりの浅い内海を作り出した。
そこでは豊富なシアノバクテリアが盛んに光合成を行い、海水の酸素が増え、大量の食物資源も作られた。
こうして大きくて複雑な体を支えられるだけのエネルギーが提供されることになった。そして誕生したのが、化石に見られる原始的で単純だが、それでも動物のような謎めいた生命たちだ。
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こうした葉状の化石が生物であるかについては議論があるが、今回の研究はそれを強く裏付けている/Credit Professor Abderrazzak El Albani of the University of Poitiers, France
・初期の複雑な生命は世界中に進出するには至らなかった
だがこうした生命たちは、世界進出にはどうやら失敗している。
そこが切り離された環境だったことにくわえ、外の世界はまだ過酷な状況だった。そのために、せっかく誕生した複雑な生命は、そう簡単に広まることができなかったのだ。
だとするなら、チ・フル博士らの発見は、地球上の複雑な生命には2つのステージがあった可能性を伝えているのかもしれない。
第一ステージは、21億年前に起きた大気中の酸素の増加を受けたもので、この時誕生した生命は世界進出を断念した。
現在の生物たちに直接つながるのは、その15億年後の大気中の酸素の増加を受けて登場した、第二ステージの生命たちだ。