「光る君へ」道長暗殺計画は事実?禁忌をおかす喜び…『和泉式部日記』爆誕!?第35回放送(9月15日)振り返り

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「光る君へ」道長暗殺計画は事実?禁忌をおかす喜び…『和泉式部日記』爆誕!?第35回放送(9月15日)振り返り

形ばかりの妻を訪ねて行ったら、いきなり泣きながら「お慕いしております」って何事ですか?

ドン引きして逃げた夫に「そりゃそうだよね」と思ったのも束の間、もろもろすっ飛ばして初夜?に及ぶ心境が分かりません。

大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより

このかなり距離感のバグった強引すぎる展開に驚いたのは、筆者だけではないと思います。

すべてはまひろ(藤式部。吉高由里子)が口添えしたお陰か、あるいは藤原道長(柄本佑)が命懸けの御嶽詣を果たしたご利益か……しかし最近、この二人は油断しすぎではないでしょうか。

女房たちがうごめき回る内裏でそんな夫婦感を出していたら、たちまちスキャンダルの餌食になってしまいそうです。

ともあれNHK大河ドラマ「光る君へ」第35回放送「中宮の涙」今週も気になるトピックを振り返っていきましょう!

第35回放送「中宮の涙」関連略年表

道長暗殺を謀る者たち(イメージ)

寛弘4年(1007年)まひろ38歳/道長42歳 8月2日 道長・頼通・俊賢らが御嶽詣に出発 8月4日 道長一行が井外堂(いどどう。奈良県天理市)に宿泊。 8月5日 道長一行が軽寺(奈良県橿原市)に宿泊。 8月6日 道長一行が壷阪寺(高市郡高取町)に宿泊。 8月7日 道長一行が野極(のぎわ。金峯山寺周辺か)に宿泊。 8月8日 道長一行が雨のため足止め。 8月9日 藤原伊周・隆家・平致頼らが道長暗殺を共謀。 8月10日 道長一行が金照房(蔵王権現の僧房)に到着。 8月11日 道長一行が仏事を執り行う。 8月12日 源頼光・平維叙(これのぶ)・高階業遠(なりとお)らが道長一行を護衛する。 8月14日 道長一行が馬で帰京し、内裏へ参上する。 10月2日 敦道親王が薨去。享年27歳。 12月 藤原彰子が妊娠する(皇子の出産日から推測)

今回は道長の御嶽詣とあかね(和泉式部。泉里香)の失恋、そして一条天皇(塩野瑛久)と藤原彰子(見上愛)の成就がメインでした。

ところどころ『源氏物語』のモチーフを散りばめた演出が、ファンを沸かせたことでしょう。

道長暗殺計画は本当にあったの?

道長を護衛する武士団(イメージ)

劇中では平致頼(中村織央)らを率いて道長の暗殺を謀った藤原伊周(三浦翔平)。しかし弟の藤原隆家(竜星涼)に阻まれてしまう展開でした。

この道長暗殺計画については『小記目録』に概要のみ記録されています。

『小記目録』とは藤原実資(秋山竜次)の日記『小右記』の目録。時代を減るにつれて散逸してしまった日記の概要をまとめた目録です。

それによると寛弘4年(1007年)8月9日に藤原伊周・隆家・平致頼らが道長の暗殺を企んだことが書かれていました。

平致頼についてはこちら:

藤原道長 暗殺計画に加担!?平維衡と伊勢国の覇権を争った軍事貴族「平致頼」とは何者?【光る君へ】

しかし実行に移されることはなく、道長らは無事に帰ってきました。

暗殺計画は単なる噂に過ぎなかったのか、あるいは道長らの復路を武士団が護衛したからかも知れません。

源頼光(よりみつ/らいこう)・平維叙(これのぶ)・高階業遠(なりとお)らの融資を見たかったですね。

早死は神の斎垣を越えた祟り?

神の斎垣を越えた惟規(イメージ)

藤原惟規の夜這いエピソードはこちら:

夜這いで危機一髪!”神の斎垣”を越えた紫式部の弟・藤原惟規のエピソード【光る君へ】

源為理の娘
斎院の中将(さいいんのちゅうじょう)
小坂 菜緒(こさか・なお)
源為理の娘。62代・村上天皇の第十皇女である選子内親王(のぶこないしんのう)に仕える。藤原惟規の恋人。

※NHK大河ドラマ「光る君へ」公式サイトより。

斎院の中将(小坂菜緒)に夜這いをかけ、一度は捕まったものの和歌を披露したことで解放された藤原惟規(高杉真宙)。

神域をおかす禁忌ゆえに燃え上がる……なんて言っていますが、まひろの忠告どおり?早死にしてしまうのです。

ちなみに今回の元ネタである『今昔物語集』などの説話では、惟規は捕まらず、賀茂斎院・選子内親王(せんし/のぶこ)の計らいで解放されました。

恐らく制作当局は「引き離される男女」を描きたかったのでしょう。

アレンジとしては許容範囲ながら、原作の方が雅やかでよかったな、と思います。

それにしても、禁忌をおかすことに喜びを感じる人って、いつの時代も一定数いたのでしょうね。

まひろの勧めで書かれた?『和泉式部日記』とは

菊池容斎『前賢故実』より、和泉式部。

ものをのみ 乱れてぞ思ふ 誰かには
今は嘆かん むばたまのすじ

※『和泉式部集続集』974(帥宮挽歌群)

【意訳】亡きあなたのことばかり想い、心が続けます。黒髪が乱れてしまった嘆きを、誰に伝えたらいいのでしょうか……。

……まぁ、少なくともまひろではなさそうですね。多分実際の和泉式部も伝えてはいないでしょう。という心中のツッコミはさておき。

書くことで悲しみに向き合い、立ち直ることができる。そんなまひろのアドバイスによって書かれるであろう『和泉式部日記』。

こちらは為尊親王(ためたか)・敦道親王(あつみち)との恋愛遍歴を描いた回顧録です。

道ならぬ恋によって夫・橘道貞(みちかだ)と離婚し(諸説あり)、父・大江雅致(まさむね)からは勘当され……まさに悲劇のヒロインとして自らを省みました。

他にも複数男性との関係が噂される中、道長の家司である藤原保昌(やすまさ)と再婚。その任国へ下って表舞台から姿を消します。

果たして今後、登場することはあるのでしょうか。

※和泉式部の前夫・橘道貞について:

【光る君へ】相次ぐ和泉式部(あかね)の不倫、不倫、不倫…それでも離婚しなかった夫・橘道貞の生涯

第36回放送「待ち望まれた日」

まひろの助言と道長の御嶽詣により、諸々が好転し始めました。次週は念願の皇子出産が描かれるようです。

その記録係に抜擢されたまひろは『紫式部日記』を書きしるし、世にもめでたい乱痴気騒ぎが描かれることに。

道長にとっては権力の絶頂に昇るまでカウントダウンが始まる中、死んだ魚の目をして現れたのが清少納言(ファーストサマーウイカ)。

「その物語を、私も読みとうございます」

……なるほど。後世ライバルと呼ばれた紫式部と清少納言の関係は、少納言の一方的な嫉妬と憎悪によるものとされるようです。

そりゃ遠回しに亡き皇后・藤原定子(高畑充希)を悪しざまに言われれば、気づかぬ彼女ではないでしょう。

次週も大盛り上がりの予感、楽しみに見守りたいですね!

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