【大河べらぼう】瀬川ロス克服のカギ!中盤から活躍する誰袖(福原遥)・てい(橋本愛)2人のヒロインを紹介
20年越しの初恋が実る直前で、蔦重(横浜流星)の元を去ってしまった瀬川(瀬以・小芝風花)。身を引く気持ちも解りますが、去られた心の傷はあまりに深いものでした。
4月が終わってNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」も全体の1/3を過ぎ、蔦重はいよいよ一人前の書肆(本屋)として日本橋へ進出します。
瀬川に代わるヒロインとして、現れる2人の女性。果たして彼女たちは蔦重そして視聴者の「瀬川ロス」を解消できるのでしょうか。
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福原遥演じる誰袖。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
“疑惑の金”で身請けされた、蔦重を慕う当代一の花魁(おいらん)
吉原の新興勢力・大文字屋の女郎。禿(かむろ)上がりの振袖新造(ふりそでしんぞう)の時には「かをり」と名乗り、蔦屋重三郎(横浜流星)に一方的な恋心を抱いていたが、その想(おも)いはやがて…。そして成長し、吉原を代表する花魁となる。
その後、老中・田沼意次(渡辺 謙)の“懐刀”ともいえる勘定組頭を務めていた幕臣・土山宗次郎に莫大な金額で身請けされ、江戸中にその名を広めることとなる。しかし、その金の出どころについてある疑惑が生まれ、やがて吉原と江戸幕府、そして蔦重と誰袖の人生を揺るがす大事件へと発展していく…。
※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
劇中では以前から蔦重を慕い、何かと絡んでは蔦重が女将に尻を叩かれていました。
その”かをり”が成長して、吉原遊廓でも随一の花魁となったのです。
誰袖とは香り袋のことで、袖に仕込んでそれとなく香りを発しました。上品な残り香が「誰袖(たがそで。誰の袖)」から発せられたものか……という奥ゆかしさが源氏名となりました。
※かをりという役名は、ここから創作されているのでしょう。
やがて幕府の勘定組頭を務める土山宗次郎に1,200両という莫大な金額で身請けされます。
五代目瀬川(鳥山瀬川)の1,400両にはもう一歩ながら、現代の貨幣価値(1両≒10万円)でおよそ1億2千万円という大金は、誰袖の器量を示すに相応しいものでした。
しかしその金は、土山宗次郎の不正によって捻出されたもの。土山宗次郎が捕らわれ、斬首されることで夫婦生活は終わりを告げます。
その後、彼女がどうなったか、詳しいことは分かっていません。
わすれんと かねて祈りし 紙入れの
などさらさらに 人の恋しき※四方赤良ら編『萬載狂歌集』恋12-489
これは誰袖が遊女時代に詠んだ狂歌。その意味は「忘れようと思っているのに、この紙入れをくれたあの人が忘れられない」という意味です。
この紙入れをくれたのは、果たして蔦重なのでしょうか。今後の関係に注目が集まります。
べらぼう新ヒロイン②てい(橋本愛)
橋本愛演じる”てい”。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
のちの蔦重の妻
とある市中の本屋の娘。謹厳実直で控えめな女性だが、それが故に損ばかりをしてきた過去をもつ。
ある種世慣れた女郎たちが集まる吉原で育った蔦重(横浜流星)にとっては非常に慣れないタイプの女性であり、ていにとっても蔦重はその出自も含めて受け入れがたい存在であった。
しかし「本を愛する」という一点については共通しており、それが二人の絆となり、いつしかかけがえのない存在となっていく。
※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
いかにも野暮ったい眼鏡をかけたビジュアルで登場するてい(橋本愛)。やんちゃな性格の蔦重に眉を顰める委員長キャラという設定なのでしょうか。
しかし正直なところ、あの眼鏡はヒロインとしていただけません。まして蔦重の妻となれば最終回まで一緒な訳ですから、尚更何とか外して欲しいところ。
あくまで予想ですが、あれは伊達メガネなのかも知れません。
※コンタクトレンズやレーシックなんてない時代ですから、本当に視力の悪い人物がオシャレのためだけにメガネを外すというのは、リアリティに欠けます。
メガネはいわば精神的な鎧であり、蔦重との関係を通じて自信を持つことでメガネを外す……という展開ではないでしょうか。
最後の最後まで、あのメガネをつけ続けたら、それはそれで凄いと思います。
とまぁ真偽定かならぬメガネの話で勝手に盛り上がりましたが、実は蔦重に妻がいたかは確証がありません。
蔦重の菩提寺である正法寺の過去帳に錬心妙貞日義信女(れんしんみょうていにちぎしんにょ)という戒名があり、彼女が蔦重の妻ではないかと見られています。
※戒名の一部に俗名の漢字を入れることがあるため、役名の”てい”は、この錬心妙「貞」日義信女からとったのでしょう。「さだ」の方が時代感が出るものの、やはり「てい」の方が比較的可愛らしいですね。
そんな彼女は蔦重が亡くなる時に別れの言葉を交わし、夫の死から20数年が経った文政8年(1825年)10月11日に世を去ったことが記録されています。
ちなみに2人の間に子供がいたかもはっきり分かってませんが、番頭の勇助を養子に迎え、二代目蔦屋重三郎を襲名させました。
終わりに今回は大河ドラマべらぼうの中盤ヒロインについて紹介してきました。
誰袖といい感じになりながら別れ、そして”てい”との出会いが視聴者の心を惹き付けてくれることでしょう。
まだ観ていないならまだまだ間に合う大河べらぼう、今後も期待しています!
※参考文献:
安藤優一郎『蔦屋重三郎と田沼時代の謎』PHP研究所、2024年 宇田敏彦 校註『万載狂歌集 江戸の機知とユーモア』角川ソフィア文庫、2024年12月 賀川隆行『日本の歴史11 崩れゆく鎖国』集英社、1992年7月日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan
