【べらぼう 解説】屁で復活の春町!そして誰袖「危険な間者ごっこ」の行方は?6月8日放送の振り返り

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【べらぼう 解説】屁で復活の春町!そして誰袖「危険な間者ごっこ」の行方は?6月8日放送の振り返り

辛気臭い、面倒臭い、古臭い……もはや世に求められておらぬと筆を折ってしまった恋川春町(岡山天音)が、自分の殻を破り、狂歌師・酒上不埒(さけのうえの ふらち)として再生するまでが描かれた第22回放送「小生、酒上不埒にて」。

戯けることに向いていなくたって、己の才能をいかんなく発揮できる可能性と希望を見出せる回でした。

いっぽう大文字屋では、誰袖(福原遥)が危険な「間者ごっこ」に乗り出し、田沼意知(宮沢氷魚)に身請けの約束をとりつけます。おや、蔦重兄さんはもういいの?果たして彼女の本心は……。

今週も気になるトピックを振り返っていきましょう!

二週続いて屁で盛り上がる大人たち(苦笑)

春町の説得に来た喜多川歌麿と朋誠堂喜三二。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

屁屁屁
屁屍屁
屁屁屁……と書いて、ひとり。

みんなが屁!コールで盛り上がる中、屍のように立ち尽くし、筆を折ってしまった春町(先週のおさらい)。

自分もこのウェーブというか、ノリよく振る舞えばいいんだろうけど、どうしてもそれが出来ない。そんな葛藤が、視聴者の胸を打ちました。

どんな困難も前向きに乗り越えて来た、陽キャの代表みたいな蔦重(横浜流星)には、ちょっと理解できない人種だったことでしょう。

でもね、そういう人もいるんですよ。何ヵ月、いや何年何十年も前のことを、じぃ~とぉ……っと忘れずにいる。そんな鬱陶しい手合いが(筆者の自己紹介ではありません)。

しかし天地万物が陰陽から成るごとく、そうした味もまた、世から求められているものです。

春町は春町だからいい。春町のままでいながら、自分の殻を破って大きく飛躍したい。そんな思いを込めて、恋川春町改め酒上不埒は、思い切って?放屁芸「花咲男」を披露したのでしょう。

恥をしのんで身体を張った不埒な詫び入れに、一同大爆笑。先週の屁!に続いてプ!の連呼で締められました。

実にめでたいですね。めでたいのですけど、二週連続このノリは視聴者が離れてしまいそうだ……と、少し勝手に心配しております。

不埒がひり出した狂歌の意味は

春町の放屁芸を楽しむ蔦重たち。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

褌一丁で捨て身の放屁芸を披露した不埒先生。せっかくですから、彼がひり出した狂歌についても、振り返っておきましょう。

烏帽(えぼし)着る 人真似猿の 尻笑い
赤恥歌の 腰も折り助(おりすけ)

※酒上不埒

【歌意】人真似で烏帽子をかぶる猿の赤い尻を笑うが、詠んだ歌の腰が折れて恥ずかしい。

折助とは武家に奉公する下男の意味。主君に呼びつけられて「ここに居ります」という言葉から転じたのでしょう。

また「歌の腰が折れている」とは、下手な歌を指します。下男は腰を折って奉公することから、歌の腰とかけたのでした。

猿真似を笑った自分こそ、腰折れ歌で恥ずかしい。そんな自省が込められた一首です。

かつて北川政演(山東京伝。古川雄大)に自分の作品をおっかぶせられて怒っていた春町。しかし言われてみれば、おっかぶせたくなるくらい面白いという評価でもあります。

そもそも文学でも何でも、おっかぶせ合うことで切磋琢磨してきた結果が、今日の洗練をもたらしてきたと言えるでしょう。

自分の作品に、もっと面白くおっかぶせて欲しい。自分はそれが見たい。春町の宣言を通じて、二人は互いに高め合える関係になっていきそうですね。

皮肉屋春町の真骨頂?『郭𦽳費字尽』とは

『廓ばかむら費字盡』(東京都立中央図書館所蔵)より、男女を示す春町文字たち(右列4文字)。三番目が意味不明……と思ったら、男が女を抱いて「きまり」だとか。

春町の手による造字辞典『郭𦽳費字尽(さとのばかむらむだじづくし)』。これは劇中でも解説されたとおり、往来物『小野篁歌字尽(おののたかむらうたじづくし)』のパロディでした。

実在の歌人・小野篁(おの のたかむら)を架空の遊び人・郭𦽳(さとの ばかむら)に変え、教養高い歌字尽を、覚える価値のない費字尽(無駄字づくし)に変えてしまったのです。

ちなみに𦽳(ばかむら)は小野篁の九代子孫という設定になっています。愚の字に竹冠(部首)を加え、篁っぽさを出しているのも味わい深いと言いましょうか……小野篁が聞いたら怒ってしまうかも知れませんね。

さて、そんな『郭𦽳費字尽』には、どのような春町文字があるのでしょうか。今回は全60文字の中から、面白いものを紹介したいと思います。

「門」の中に「笠」で「しのぶ」:お忍びで吉原遊郭へやってきました。 「指」+「切」で「心中(しんぢう)」:指を切って誓いを立てたのでしょう。 「言」+「似」で「声色(こわいろ)」:声を似せますからね。 「舟」+「渡」で「猪牙舟(ちょき)」:河を渡って吉原へ。 「イ」+「夕」+「方」で「俄(にわか)」:夜遊び前の夕方、テンションが上がります。 「休」+「取」で「間夫(まぶ)」:間夫は遊女勤めの憂さ晴らし。 「三」+「分」で「昼三(ちゅうさん)」:最上級の遊女。揚げ代が三分だから。 「千」+「秋」で「身請け(みうけ)」:一日千秋の思いで待っています。

こういう自分でオリジナル漢字を作って遊ぶのって、面白いですよね。皆さんは、どの春町文字が気に入りましたか?

誰袖が目をつけた蠣崎廣年(ひょうろく)とは何者?

蠣崎波響「夷酋列像 乙箇吐壹(イトコイ)」

吉原に出入りする中で、人生が翻弄されていく…
松前道廣(えなりかずき)の弟で、松前家の江戸家老。幼少のころから画を学び、蠣崎波響(かきざき・はきょう)としての画名も持つ。あることがきっかけで、吉原の大文字屋で花魁・誰袖(福原 遥)と出会う。松前藩の繁栄のために尽力するが、自由奔放で非道な兄・道廣とは違い、心根の優しさがあだとなり、のちの松前家を揺るがしていく…。

※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

抜荷の証拠?として琥珀の腕輪を盗まれてしまった(あるいはねだられて譲った?)松前廣年。演者さんの都合でかなり年長者に見えますが、これでも蔦重より14歳年下です。

劇中「絵を少しやっている」ことに言及しており、有名なアイヌ画「夷酋列像(いしゅうれつぞう)」などいくつかの作品が今日に伝わりました。

いわば多くの日本人が持っているアイヌのイメージを形づくった人物とも言えるでしょう。

※ちなみに夷酋とは「野蛮人(夷)の酋長」を意味します。現代の感覚ではとんでもない差別ですが、当時はそういう感覚だったようです。

誰袖の接近に鼻の下を伸ばしていましたが、もちろん彼女の狙いは「抜荷の証拠」でしかありません。

人物紹介にもある通り、今後大きな事件に巻き込まれていくのでした。不憫キャラとして、今後も彼の奮闘に注目です。

それっていいの?抜荷をそそのかそうと企む誰袖

蠣崎廣年に接近する誰袖。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

蔦重(横浜流星)が手掛けた狂歌の指南書などが売れ、耕書堂は大注目の本屋に。一方、誰袖(福原遥)は、直接オロシャと取り引きするよう廣年(ひょうろく)を口説くが…。

※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

抜荷の証拠がなければ、抜荷をさせればいいじゃない……田沼意知に身請けされたい一心?で、誰袖がとんでもないことを言い出しました。

確かに抜荷を理由に蝦夷地を上知(領地召し上げ)したいのだから、罪状などでっち上げればよいではないか……理屈としては、分からないでもありません。

が、相手に濡れ衣を着せて陥れるのは、あまりにもリスクが大きすぎます。誰袖はいつからそんな子になってしまったのでしょうか。

※そう言えば、以前から遺言書を偽造?するような子でしたね。蔦重も相手にしなくて正解です。

そもそも蝦夷地を上知するだけが幕府の再建策ではないはず。こんなロクでもない話に乗らなければいいのですが、松前廣年が誰袖の毒牙にかからないか、実に心配でなりません。

第23回放送「我こそは江戸一利者なり」

田沼意知と再会し、大きな事件に巻き込まれそうな予感。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

蔦重「蔦屋は江戸一の利者(ききもの)」

?「近ごろ、いい気になってやしねぇか?」

てい「日本橋のためとは?」

須原屋市兵衛「日本橋に出る気はねぇか?」

蔦重「日本橋に店を出させてくだせぇ」

※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第23回放送予告

雨降って地固まるとはよく言ったもので、チーム蔦重は作家・絵師・職人・文化人を巻き込んでいよいよ絶好調。次回はとうとう日本橋への進出がテーマになるようです。

しかし順調な時ほど要注意。思わぬトラブルが物語を盛り上げてくれることでしょう。

そして後に蔦重の妻となるてい(橋本愛)が初登場。トレードマークの野暮メガネが鋭い光を放ちます。

吉原遊郭から江戸市中の日本橋へ雄飛していく蔦重の姿を、これからも追い駆け続けていきましょう!

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