大河「べらぼう」前半の名シーン5選|視聴率が伴わない理由と波乱の後半戦を解説

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大河「べらぼう」前半の名シーン5選|視聴率が伴わない理由と波乱の後半戦を解説

令和7年(2025年)NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」皆さんも楽しんでいますか?

前半では明和9年(1772年)の大火事に始まり、天明3年(1783年)の浅間山噴火までの約12年間が描かれました。

主人公の蔦重(蔦屋重三郎。横浜流星)としては23歳から34歳まで、吉原の引手茶屋から書肆「耕書堂」を始め、日本橋に進出するまでとなっています。

今回は第1回放送「ありがた山の寒がらす」から第25回放送「灰の雨降る日本橋」までの半年間を振り返ってまいりましょう。

【大河べらぼう】前半の名場面5選

蔦重と鱗の旦那。本づくりにかける情熱が視聴者の共感を呼んだ。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

一、げにありがたき白眉毛
一、鱗の旦那
一、瀬川ロス
一、吉原俄の神隠し
一、灰降って地固まる

25回分の放送から、選びきれない名場面をあえて5つ選びました。順不同ですが、順番に紹介します。

げにありがたき白眉毛

「そなたのことは気に食わぬが、この件でそなたを追い落とせば、真犯人を見逃すことになる」

松平武元(石坂浩二)が亡くなる直前、嫌いな田沼意次(渡辺謙)をあえて呼び出し、私情を超えて大義を貫く場面に胸打たれた視聴者は多いのではないでしょうか。

※第15回放送「死を呼ぶ手袋」

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鱗の旦那

「ウチの本を読んだガキが本屋になるなんてよ……」

蔦重が初めて本づくりを手がけた際、サポート(ていよく利用?)してくれた鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)。後に対立してしまうものの、創作の喜びに盛り上がる場面は、視聴者の胸を大いに躍らせました。

※第19回放送「鱗の置き土産」ほか

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瀬川ロス

「おさらばえ」

物心ついた時からずっと一緒だった幼馴染の瀬川(小芝風花)。20年越しに彼女への想いを自覚した蔦重が、紆余曲折の末に結ばれたのも束の間。蔦重の行く末を案じ、身を引いてしまう展開に、メンタルを削られたのが昨日のようです。

※第14回放送「蔦重瀬川夫婦道中」ほか

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吉原俄の神隠し

「お幸せに」

大文字屋市兵衛(伊藤淳史)と若木屋与八(宮本泰風)が繰り広げた吉原の俄祭り。一度は足抜(脱走)に失敗したうつせみ(小野花梨)と小田新之助(井之脇海)が、喧騒にまぎれながらまさかの「神隠し」。よもや成功するとは思いませんでした。

※第12回放送「俄なる『明月余情』」

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灰降って地固まる

「灰降って地固まる。これからはよりよい縁を築ければと存じます」

これまで永らく蔦重はじめ吉原者と対立してきた(侮蔑してきた)日本橋の地本問屋・鶴屋喜右衛門(風間俊介)。天明大噴火の復旧作業を通じて、日本橋のみんなと打ち解けた蔦重の器量を認めます。そして蔦重へ歓迎の暖簾を贈る心意気に、忘八連中までもが涙しました。

※第25回放送「灰の雨降る日本橋」

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これ以外にも名場面がたくさんあったのは承知しておりますので、「この名場面はどうした」「こっちの名場面を紹介しろ」などのクレームは、どうかご容赦願います。

【大河べらぼう】本作の魅力5選

完成した吉原細見を手に喜ぶ蔦重。何ごとも全力で取り組む姿勢が、つい応援したくなる。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

一、主人公・蔦重のキャラクター
一、個性的な登場人物
一、丁寧な解説でわかりやすい
一、現代にも通じる生き方や志
一、現代社会へのアンチテーゼ

半年間毎週欠かさず「大河べらぼう」を視聴してきて、実に面白いと感じています。

放送開始前は「合戦がないからつまらない」「そもそも蔦屋重三郎なんか知らないから興味ない」という声が多く出ていました。しかし合戦が比較的頻繁にあって、かつ超がつくほどメジャーな主人公が出ていても、つまらない作品はつまらないものです。

それはさておき、大河べらぼうの何が面白いかと言えば、まずは蔦屋重三郎のキャラクター。何と言いましょうか、努力・友情・勝利というジャンプ三原則が服を着て駆けまわっているようではありませんか。

個人的には「横浜流星が蔦屋重三郎の役をしている」というよりは「蔦屋重三郎って、こんな人だったのかもな(かなり魅力的に脚色されているとは言え)」と感じさせてくれました。

魅力的な主人公を引き立てるには、魅力的な脇役も欠かせません。吉原の忘八連中やライバルとなる地本問屋仲間たち、武士も町人も個性的なメンバーが揃っています。

あの憎たらしい鶴屋とか西村屋与八(西村まさ彦)だって、物語によい意味での摩擦や刺激をもたらしてくれる貴重な存在です。

全体的に知らない演者さんが大半なので、そのイメージに引っ張られず純粋に歴史人物としてお芝居を楽しめる点が好ましく感じました。

また九郎助稲荷(綾瀬はるか)が物語の随所で解説を入れてくれるため、耳慣れない用語が登場しても分かりやすかったのではないでしょうか。また蔦重との掛け合い(※蔦重には聞こえていない)が好評でした。

そして本作の魅力として特筆したいのは、現代にも通じる生き方や志。これまで蔦重は書肆(本屋)としてお江戸の街を奔走してきましたが、その動機に私利私欲はほとんどありません。

吉原をよくしたい、書を以て世を耕し、みんなが豊かに暮らせる日本をつくりたい……そんな願いを込めて平賀源内(安田顕)が贈ってくれた耕書堂の屋号を掲げ、公益にひた走ります。

天下分け目の合戦なんかなくても、幕府を倒そうとなんかしなくても、よりよい世を求めて力を尽くす蔦重の姿に視聴者は惹かれるのではないでしょうか。

今だけよければいい・カネさえ儲かればいい・自分だけ得できればいい……そんな世の中に一石を投じるような本作には、そういう魅力があります。

【大河べらぼう】本作で気になる点5選

明和九年の大火で実母を見殺しにした唐丸の過去。児童虐待や性的搾取などが話題となった。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

一、情報量や登場人物が多すぎて覚えきれない
一、場面転換が多すぎてついていけない
一、スケールが小さい?
一、家族での視聴は難しい?
一、ダジャレや親爺ギャグのノリが嫌い

しかし「大河べらぼう」の視聴率を見ると、最高が第1回放送の12.6%、最低は第24回の8.1%とかなり不振のようです。

視聴率10%に届いたのは12/25回と半分以下、現時点での平均視聴率は10.09%。令和元年(2019年)「いだてん」こそ上回るものの、去年「光る君へ」一昨年「どうする家康」を下回るワースト2位ペースとなっています。

「なぜ?こんなに面白いのに!」と一ファンが騒いだところで始まりませんから、ここでは「大河べらぼう」がつまらないと言われてしまう課題について、調査してみました。

その結果が上記ですが、要するに「リラックスして視聴できない」「集中しないと話についていけない」「子供に見せられない」「江戸っ子のノリが好きじゃない」と言ったところでしょう。

確かに多くの視聴者は大河ドラマを歴史の勉強ではなく娯楽として視聴しているであろうため、ながら視聴ができない(楽しめない)となれば、自然と億劫になってしまうかも知れません。

またダジャレだけならともかく、序盤から何かと「屁」を連呼する場面が散見されました。この小学生みたいなノリは、受け付けない方が少なくないのではないでしょうか。

極めつけは第21回放送「蝦夷桜上野屁音」でまさかの屁コール。続く第22回放送「小生、酒上不埒にて」では、自分の殻を破った恋川春町(岡山天音)が、捨て身の放屁芸を披露。この連続が視聴率9%を割り込んでしまった一因ではないかと考えてしまいます。

他にはこんな意見も。

「蔦重に限って言えば江戸市中と吉原を行き来して内輪の商売争い、江戸城の中では政争が繰り広げられているだけで、スケールが小さく感じられる」

「ほとんどの人物が同じ髪型かつ似たような服装なので、見分けがつきにくい」

「それなりに闇も描いてはいるが、どうしても主人公寄りなので吉原遊郭を美化しているきらいがある」

「死んだ遊女が全裸で捨てられている場面を見て、子供には見せられないと第1回で離脱した」など。

本作は好き嫌いが分かれるというより、視聴率を見る限り、残念ながらネガティブイメージの方が強いようです。

後半では、何とか覆して「そうきたか!」と膝を打たせていただきましょう。

【大河べらぼう】後半の展開と期待

晴れて日本橋通油町に出店叶った蔦重。しかしここからが本番である。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

ここまでNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」前半を振り返ってきましたが、後半は天明3年(1783年)から蔦重が亡くなる寛政9年(1797年)+エピローグまで残り14年ほどが、半年かけて描かれます。

後半の略年表

天明6年(1786年)

徳川家治が世を去り、田沼意次が失脚する

天明7年(1787年)

松平定信が老中となり、寛政の改革が始まる

天明8年(1788年)

蔦重が朋誠堂喜三ニ『文武二道万石通』を出版、改革を批判する

寛政元年(1789年)

蔦重が恋川春町『鸚鵡返文武二道』を出版、改革を批判する
蔦重が唐来参和『天下一面鏡梅鉢』を出版、改革を批判する

寛政2年(1790年)

幕府が出版規制を強化する

寛政3年(1791年)

蔦重が出版した山東京伝『箱入娘面屋人魚』などが摘発される これにより、蔦重は身上半減(全財産の50%没収)に処される

※以後、蔦重は表現方法を工夫するほか、書物問屋への事業展開を図る

寛政6年(1794年)

芸術性の違いから、蔦重と歌麿が疎遠になる 看板絵師を補充するため、蔦重が東洲斎写楽を起用する

寛政7年(1795年)

東洲斎写楽の活動が止まり、蔦重が歌麿との関係修復を図る

寛政8年(1796年)

遠回しな表現方法も幕府によって規制される 蔦重が体調を崩し、伏しがちとなる

寛政9年(1797年)

5月6日、蔦重が脚気で世を去る(享年48歳)

ごくざっくりまとめると「寛政の改革によって大打撃を受け、苦境の中で再起を図りつつ世を去る」と言ったところでしょう。

寛政の改革では、松平定信(寺田心⇒井上祐貴)&一橋治済(生田斗真)らがここぞとばかり改革の大鉈を振るう姿が目に浮かびます。

そんな中で「何がどう転んでも、ずっと蔦重の隣にいる」と言っていた歌麿が、どんな思いで蔦重の元を去っていくのかも気になるところです。

他の仲間たちも次々と筆を置き、あるいは世を去っていく中で、残された蔦重の苦闘が後半の見せ場と言えるでしょう。

孤独にさいなまれる蔦重を、妻のてい(橋本愛)がどう支えていくのか、その辺りも注目が集まります。

終わりに

第1回放送では九郎助稲荷を背負って走った蔦重。これからも多くのものを背負いながら、時代を駆け抜けていく。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

【大河べらぼう・後半の見どころまとめ】

一、蔦重とていの絆
一、蔦重と歌麿の絆
一、蔦重と仲間たちとの絆
一、表現の自由を守る抵抗と闘争

早いもので、もう半年が過ぎてしまった令和7年(2025年)。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」も折り返しになってしまいましたが、今から見てもまだまだ楽しめます。

どうか蔦屋重三郎や仲間たち、そしてライバルたちの活躍にご期待ください。

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