なぜ「三日坊主」と言うのか?ことわざの由来と起源を、過去の文献から迫る
何か新しいことを始めても、飽きっぽくてすぐにやめてしまう三日坊主(みっかぼうず)。
一度出家をして(僧侶になって)はみたものの、厳しい修行や質素な暮らしが嫌になり、すぐに還俗(げんぞく。僧をやめて俗世間へ戻ること)してしまう様子を笑ったことが由来です。
この三日坊主という言葉は、いつごろから使われ始めたのでしょうか。今回は三日坊主の始まりについて調べてみました。
江戸時代・元禄以前から使われていた三日坊主まずは国立国会図書館で「三日坊主」という言葉が掲載されている書籍を調べます。
すると『さへずり草 松の落葉』という明治43年(1910年)~明治45年(1912年)の慣用句集が見つかりました。
「三日坊主」を書に記した井原西鶴(画像:Wikipedia)
ページをめくると三日坊主の項目があったので、さっそく読んでみましょう。
〇三日坊主
同書(同巻)に、「朔日二日三日坊主」とあり、此諺は元禄の昔すでにありて今に絶ず、
※『さへずり草 松の落葉』より
※同書(同巻):井原西鶴『世間胸算用』を指します。
※文末に「、」を使っていました。
この文章から、三日坊主という言葉は江戸時代の元禄年間(1688~1704年)時点で既に使われていたことが分かります。
また語呂合わせなのか「朔日(ついたち)二日三日坊主」と、3日だけでなく1日2日(で投げ出した者)も同類とばかり、一括りに呼ぶこともありました。
ただこれ以上さかのぼって記録されている文献はなく、三日坊主の起源を突き止めるには、今後の究明がまたれます。
恐らく世の中が比較的平和になり「僧侶よりも俗人でいた方が快適である」と感じられるようになった江戸時代以降(17世紀半ば?)に生まれた言葉と考えられるでしょう。
※世の中が貧しければ贅沢も言っていられないため、お寺の方がまだマシと思って頑張ったかも知れません。
終わりに今回は三日坊主ということわざについて、その初出を紹介しました。300年を超える伝統があるのですね。
何をやっても三日もたたずに投げ出してしまう様子を批判する言葉ですが、実際に長続きできるかどうかは、まずやってみなければわかりません。
自分が本気で打ち込めるものを見つけるまで、三日坊主のそしりを恐れずチャレンジを続ける意欲と行動力があれば、きっと成功をつかめることでしょう。
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藤原長房ほか『さへづり草 一名・草籠』国立国会図書館デジタルコレクション日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

