【べらぼう】三人の女、つよ・てい・そして歌麿…そうきたか!歌麿の心情に視聴者もらい泣き

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【べらぼう】三人の女、つよ・てい・そして歌麿…そうきたか!歌麿の心情に視聴者もらい泣き

かつて蔦重(横浜流星)を捨てた実母のつよ(高岡早紀)が転がり込み、耕書堂はますます賑やかになっていきます。

米の値は去年の倍にも跳ね上がり、つき合いの派手な蔦重は人を抱える大変さを痛感。改めて養父母のありがたみを実感していました。

そんな中、不貞腐れて出て行きそうな喜多川歌麿(染谷将太)をなだめてみたら、今度はてい(橋本愛)が出家しかける大騒ぎに。歌麿の才能も、ていの支えも必要な蔦重は、今週も知恵を巡らせ駆け回ります。

米価高騰を嘆く蔦重たち。まるで令和7年の苦境を見るようである。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

江戸市中の米不足を解消する一助になればと、蔦重が四方赤良(桐谷健太)らと一緒に出版した狂歌集『金平子供遊(きんぴらこどもあそび)』。めでたい尽くしの挿絵には喜多川千代女(きたがわ ちよじょ)の偽名がありました。

「生まれ変わるなら、女がいいからさ」

寂しそうに言い捨てる歌麿の胸中を、蔦重は察したかどうか……ていを目利きした江戸一の利者、ここはしくじらないで欲しいところです。

いっぽう江戸城では、蝦夷地の上知計画に暗雲が立ち込め、田沼意知(宮沢氷魚)による誰袖(福原遥)の身請け話が流れそうな気配がただよいます。

意知の背中を恨めしげに睨む松前廣年(ひょうろく)と、冷ややかな視線を投げて背を向ける佐野政言(矢野悠馬)……こちらも波乱は避けられないでしょう。

とまぁ今週も盛りだくさんだったNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。第26回放送「三人の女」を振り返っていきます。

つよ・てい・そして……三人目の女に「そうきたか」!

完成した『金平子供遊』を前に喜ぶ二人。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

先週の時点では、サブタイトル「三人の女」と聞いて「つよ&てい、そして誰袖だろうな」と予想していました。

しかし蓋を開けてみれば、蔦重と念者(ねんじゃ。思い合う者、特に男性同士の恋仲)になりたかった歌麿の、潜在的な願望として喜多川千代女を登場させたのです。

喜多川千代女は歌麿の弟子と言われており、一説には妻だったのではないかと考えられています。

これを歌麿のペンネーム、つまり架空の女性という設定にすることで、歌麿の想いを表現する展開は予想外でした。

ちなみに実在の喜多川千代女は天明4年(1784年)から天明5年(1785年)のおよそ2年間だけ活動しており、結婚を機に浮世絵師を引退したとも考えられています。

劇中に登場した『金平子供遊』だけでなく、桜川杜芳『嘘皮初音鼓(うそのかわはつねつづみ)』・恋川春町『元利安売鋸商内(がんりやすうりのこぎりあきない)』・唐来参和『莫切自根金生木(きるなのねからかねのなるき)』等の挿絵も手がけました。

本作では喜多川歌麿=喜多川千代女ですから、「彼女」が活動を引退するキッカケについても今後の見どころとなりそうですね。

蔦重の実母・つよとはどんな女性だった?

商才も人たらしも、さすが蔦重の母?NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

ある日突然、蔦重のもとに戻ってくる母親
蔦重(横浜流星)が7歳の時に離縁し、蔦重をおいて去っていった実の母親。髪結の仕事をしていたこともあり、人たらし。対話力にはたけており、蔦重の耕書堂の商売に一役買う。

※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

いつもみんなに優しい蔦重が、唯一「ババア」と声を荒げる実母のつよ。その実名は広瀬津与(ひろせ つよ)と言い、劇中では蔦重を捨てたことになっていますが、実際は喜多川氏(蔦屋)へ養子に出していました。

7歳で生き別れたとは言え教育熱心な母親だったそうで、蔦重の成功はその教えが大きく影響していたことでしょう。

「入(へぇ)りやがれ、べらばぁ(婆)め(帰りやがれ、べらぼうめ)!」

なんて言っていましたが、実際は蔦重が日本橋に出店した後に、自ら招いています。孝行息子だったんですね。

つよは寛政4年(1792年)10月26日に世を去ってしまうので、物語の終盤までは耕書堂のムードメーカーとして、みんなを盛り上げてくれることでしょう。

人抱え 初めてわかる 父母の恩

図々しくお代わりを要求するつよ。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

米は値上がりする中、つき合いが商売につながるから食客を養うのはやめられない……ここが他の板元とは異なる蔦重の魅力でした。

……唐丸(蔦重)は頗(すこぶる)侠気あり。故に文才ある者の若気に放蕩なるをも荷担して、又食客となして財を散ずるを厭はざれば、是がために身をたて名をなせし人々あり。蜀山老翁うた麿馬琴抔其中也。又己が名をあらはれたるも其人によりてなりとぞ……

※『戯作者小伝』より

【意訳】蔦重はとても男気があり、才能ある者たちと一緒に遊び、また食客として養うことを厭わなかった。そのお陰で成功できた者もいる。大田南畝・喜多川歌麿・曲亭馬琴などは代表であろう。また蔦重自身も彼らの貢献によって成功できたのである。

まさに共存共栄の関係だったと言えますが、日々の食事代は蔦重が負担してやらねばなりません。

人を抱える身になって、初めて自分たち捨て子を養ってくれた駿河屋市右衛門(高橋克実)やふじ(飯島直子)のありがたさを感じる蔦重でした。

ていが劇中で「鳩に三枝(さんし)の礼あり、烏に反哺(はんぽ)の孝あり」と言っていましたが、これは親に対する恩返しを示す言葉です。

ハトは親より枝三本下にとまって敬意を示し、カラスは年老いた親のためにエサをとってきてあげるのだとか。

日本橋に進出して、ますます成功する蔦重。年老いた親たちに孝行する段階に入ってきているのが感じられます。

ていが出家しようとした白山観音寺とは?

ていに手を差し伸べる蔦重。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

御暇を頂戴したう存じまする
つたなき物なれど過日御やくそくの系図仕上申し候みなさま益の御多かう并ニ蔦や耕書堂の繁盛ちう心より御祈ねん申し上候
てい

※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第26回「三人の女」より、ていの書状。

【意訳】おいとまを頂戴≒離縁したいと思います。
つたないものですが、先日お約束した作品の系図を仕上げました。
皆様にはますますのご多幸ならびに蔦屋耕書堂の繁盛を衷心より御祈念申し上げます。

……つよの社交性や歌麿たちの才覚、そして蔦重の度量を前に、自分は相応しくないと身を引こうとしたてい。真面目な性格が丹念に表された系図と書状(離縁状)を置いて、出て行ってしまいました。

何とか白山観音寺の門前で追いついた蔦重は、引き留めの説得を図ります。

てい「江戸一の利者の妻は私では、務まらぬと存じます」

蔦重「そりゃ随分な言い草ですね。『あんたは江戸一の利者だ。けど、てめぇの女房の目利きだけはしくじった』……おていさんは、そう言ってんですよね」

てい「私は、あくまで己で己を顧み……」

蔦重「おていさんは、俺が俺のためだけに目利きした、俺のたった一人の女房でさ」

蔦重は自分と同じように本を愛し、同じ辛さを味わってきたていだからこそ、一緒になろうと心に決めたのでした。

※確かにあの「お初徳兵衛プロポーズ」じゃあ、商い(丸屋買収)のためだけと誤解されても仕方ありませんが……。

かくして手を取り合い、共に寝るようになった二人。襖一枚へだてた向こうで、蔦重を祝いながら布団をかぶる姿に、多くの視聴者がもらい泣きしたことと思います。

なお劇中に登場した白山観音寺とはどこなのか、調べてみても検討がつきませんでした。東京都心部(蔦重が走って追いつける範囲内。日本橋周辺)にある尼寺とは思うのですが、ご存じの方はご教示ください。

第27回放送「願わくば花の下にて春死なん」

田沼政権の苦境はまだまだ続く。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

蔦重(横浜流星)は、意知(宮沢氷魚)が誰袖(福原遥)を身請けする話がなくなると聞く。一方、道廣(えなりかずき)は、治済(生田斗真)に蝦夷地の上知の中止を進言する

※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。

株仲間の解散を進言することで当座の難局を切り抜けた田沼意次(渡辺謙)。しかしこれで解決したわけではありません。

身請け話がなくなった誰袖ですが、さすがに結婚した蔦重に言い寄る筈もなく、史実どおり土山宗次郎(栁俊太郎)との身請けルートへシフトしていくのでしょう。

サブタイトルの「願わくば……」は、以前に意知と誰袖が詠み交わした西行法師の和歌。そろそろあの事件が勃発しそうですね。

時代が大きく変わりつつある大河べらぼう、来週も注目していきましょう。

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