【べらぼう】まもなく終盤、蔦重が生き抜いた”6つの元号”に込められた思いを一挙紹介

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【べらぼう】まもなく終盤、蔦重が生き抜いた”6つの元号”に込められた思いを一挙紹介

NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」皆さんも楽しんでいますか?

物語も終盤に差しかかり、蔦重こと蔦屋重三郎(横浜流星)も晩年を迎えようとしています。

今回は蔦重が生きた時代の元号を一挙紹介。蔦重は寛延から寛政まで、6つの元号を生き抜いたのでした。

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まずは元号の一覧

山東京伝『箱入娘面屋人魚』より、蔦屋重三郎。

蔦屋重三郎が生まれたのは寛延3年(1750年)、そして亡くなったのは寛政9年(1797年)の数え48歳です。

寛延(1748〜1751年) 宝暦(1751〜1764年) 明和(1764〜1772年) 安永(1772〜1781年) 天明(1781〜1789年) 寛政(1789〜1801年)

物語は明和9年(1772年)、明和の大火により、安永と改元するところから始まりました。

それでは、寛延・宝暦・明和・安永・天明・寛政の各元号を見ていきましょう。

寛延(かんえん)

志半ばに非業の死を遂げた田沼意知。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

西暦:1748年8月5日〜1751年12月13日

開始:延享5年7月12日(改元当日)

理由:桃園天皇(第116代)の即位

終了:寛延4年10月26日(改元前日)

出典:『文選(もんぜん。中国南北朝・梁の詩集)

……開「寛」裕之路、以「延」天下之英俊也……

読み:かんゆうのみちをひらき、もって、てんかのえいしゅんをのぶるなり。

意訳:心広く豊かな政治で、世の逸材たちが力を発揮できるようにするのだ。

寛延に生まれた人物:

田沼意知(宮沢氷魚)寛延2年(1749年) 大田南畝(桐谷健太)同年 など 宝暦(ほうれき/ほうりゃく)

自称「宝暦の色男」朋誠堂喜三ニ。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

西暦:1751年12月14日〜1764年6月29日

開始:寛延4年10月27日(改元当日)

理由:徳川吉宗(第8代将軍)の薨去

終了:宝暦14年6月1日(改元前日)

出典:『貞観政要(じょうがんせいよう。中国唐王朝の政治書)』

……及恭承「宝暦」、寅奉帝図、垂拱無為、氛埃靖息……

読み:すなわち、うやうやしくほうれきをうけたまわり、とらにていとをたてまつり、むいをたれこまねき、ふんあいせいそくす。

意訳:素晴らしい暦を承り、寅年に皇帝陛下の意図するところを奉る。自然のままに政治を行い、紛争によるホコリが立たなくなった。

宝暦に生まれた人物:

一橋治済(生田斗真)宝暦元年(1751年) 松平定信(井上祐貴)宝暦8年(1758年) 山東京伝(古川雄大)宝暦11年(1761年) 明和(めいわ)

明和の大火で、九郎助稲荷を担いで非難する蔦重。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

西暦:1764年6月30日〜1772年12月9日

開始:宝暦14年6月2日(改元当日)

理由:後桜町天皇(ごさくらまち。第117代)即位

終了:明和9年11月15日(改元前日)

出典:『書経(しょきょう。四書五経の一つ)』

……九族既睦、平章百姓、百姓昭「明」、協「和」万邦、黎民於變時雍……

読み:きゅうぞくすでにむつみて、ひゃくせいへいしょうし、ひゃくせいしょうめいにばんぽうきょうわし、れいみんしげるにおいてこれやわらぐ。

意訳:人々が助け合い、それぞれに相応しく振る舞って徳を示せば、世界の共存共栄が実現する。

明和に生まれた人物:

光格天皇(未登場) 明和8年(1771年)など 安永(あんえい)

安永4年(1775年)、視聴者を大いに沸かせた五代目瀬川の身請け。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

西暦:1772年12月10日〜1781年4月24日

開始:明和9年11月16日(改元当日)

理由:後桃園天皇(第118代)の即位

終了:安永10年4月1日(改元前日)

出典:『文選』

……寿「安永」寧、天禄宣明、温飾迎春…

読み:えいねいをことほぎやすんじ、てんろくせんみょうして、おんしょくにはるをむかえる。

意訳:永く続く平安に感謝し、天から与えられた徳を明らかにすることが、何よりの正月飾りである。

安永に生まれた人物:

徳川家斉(城桧吏)安永2年(1773年)など 天明(てんめい)

天明狂歌華やかなりし頃。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

西暦:1781年4月25日〜1789年2月18日

開始:安永10年4月2日

理由:光格天皇(第119代)の即位

終了:天明9年1月24日

出典:『尚書(しょうしょ。書経と同じ)』

……顧諟「天」之「明」命……

読み:このてんのめいみょうをかえりみる。

意訳:天から与えられた明らかな使命を、今一度思い出そう。

寛政(かんせい)

寛政の改革で、蔦重らに逆風が吹き荒れる。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

西暦:1789年2月19日〜1801年3月18日

開始:天明9年1月25日(改元当日)

理由:天明の大飢饉など

終了:寛政13年2月4日(改元前日)

出典:『左伝(さでん。春秋左氏伝)』

……施之以「寛」、寛以済猛、猛以済寛、「政」是以和……

読み:かんをもってこれをほどこし、もうをたすけるをもってかん、かんをたすけるをもってもう、まつりごと、これ、わをもってす。

意訳:政治は寛容さと調和が大切である。そして寛容さは厳しさと表裏一体である。

終わりに

47年・6つの時代(元号)を駆け抜けた蔦屋重三郎。NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。🄫NHK

今回は蔦重が生きた時代の元号について、一挙に紹介してきました。

それぞれに込められた思いと実際の世相を照らし合わせると、なかなか感慨深いものです。

第37回放送「地獄に京伝」は寛政2年(1790年)、蔦重が世を去る寛政9年(1797年)まで、あと8年しかありません。

横浜流星の月代(さかやき)頭もそろそろ見納め。心して見守っていきましょう!

※参考文献:

山本博文 編『見る、読む、調べる 江戸時代年表』小学館、2007年10月

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