なぜ日本人は自然に“並ぶ”のか?行列は国民性?歴史から読み解く「順番」を大事にする理由 (2/3ページ)
下流が勝手にせき止めたら、上流も困る。
つまり、水は「早い者勝ち」にすると、すぐ揉めます。
だから村や水利組合の単位で、「どこがいつ水を使うか」「用水路の掃除は誰がやるか」みたいなことを決めて、当番制で回してきました。これはきれいごとじゃなくて、生活のためのルールです。
順番を決めるのは、人の心が優しいからというより、「決めないと村が回らない」からだった、という感じです。
人が密集する町では、秩序がないと危ない江戸時代になると、江戸・大坂・京都などの都市に人が集まり、特に江戸はとても大きな町になりました。人が増えると、見知らぬ人同士が同じ場所でぶつかりやすくなります。しかも当時は火事も多い。混乱すると危ない。
そんな環境だと、「ここはこう動こう」「こうしたほうが安全だよね」という作法が必要になります。通りをどう歩くか、祭りのときどう動くか、みんなが使う場所をどう扱うか。
こういう“町の暮らし方”の中で、順番や秩序を守る感覚が育っていったと考えられます。
鉄道と学校が「並ぶ」を日常にした
明治以降、鉄道や路面電車が整備されて、駅や停留所にたくさんの人が集まるようになります。ここで並ばないと、単純に危ないし、乗り降りがぐちゃぐちゃになります。だからホームや改札前では、整列して順番に動くのが必要になりました。
同じ頃に広がった学校教育でも、整列や号令、集団での移動や行事が日常になります。好き嫌いは別として、結果的に「大勢が同じ合図で動く練習」をずっとしてきたことになります。駅と学校、この二つが「並ぶのが当たり前」を強くしたのは間違いないと思います。