迷った時はこう覚える!雨の擬態語「ぽつぽつ・ぱらぱら・しとしと・ざあざあ」の使い分けを解説

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迷った時はこう覚える!雨の擬態語「ぽつぽつ・ぱらぱら・しとしと・ざあざあ」の使い分けを解説

雨の日の会話って、意外と難しいですよね。「雨だね」で終わる日もあれば、「どのくらい降ってる?」と聞かれて、うまく言えずにスマホの画面を見せてしまう日もあります。

でも日本語には、雨の様子を手ざわりまで伝えられる言葉がそろっています。しかも、たった四文字で言い分けられます。

歌川広重 画「東海道五拾三次之内 庄野」

今回は、雨の様子を表す「ぽつぽつ」「ぱらぱら」「しとしと」「ざあざあ」という日本語の違いについてまとめてみました。

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ポイントは「間」「広がり」「湿り気」「音」です

雨の擬態語は、単に強い弱いだけでは決まりません。次の四つを見ると、言葉が選びやすくなります。

間があるか
雨粒が広く散るか
湿り気が続くか
音がはっきりするか

この視点で、四つを並べるとこうなります。

「ぽつぽつ」
間がある雨です。始まりや終わりの気配が出ます。

「ぱらぱら」
軽い連続の雨です。小雨でも「降っている」感じがはっきりします。

「しとしと」
音は控えめでも、湿り気が長く残る雨です。気づくとしっかり濡れます。

「ざあざあ」
音も量も強い本降りです。行動まで変えさせる雨です。

「ぽつぽつ」 迷いが生まれる、始まりの雨です

「ぽつぽつ」は、雨粒が点で落ちてくる感じです。間が空きやすく、雨がまだ定まっていない印象があります。だから、こんな場面に合います。

校門を出た瞬間に一滴当たる
空を見上げて、傘を出すか迷う
降りそうで降らない時間が続く
雨が弱まって、終わりかけている

例文にすると、雰囲気が出ます。
「駅まで急いでいたら、雨がぽつぽつ落ちてきました。」
この文は、雨そのものより「どうしよう」という気持ちが立ち上がります。読者も一緒に空を見上げる感じになります。

「ぱらぱら」 小雨でも、もう「降っている」雨です

「ぱらぱら」は、雨粒が散りながら当たってくる感じです。ぽつぽつより頻度が高く、軽い音が続きます。これが地味に厄介で、たいした雨じゃないと思っていると、気づけば肩が濡れています。

似合う場面は、こんなときです。

小雨がしばらく続いている
窓や葉っぱに軽い音が当たり続ける
傘を差すかどうかの迷いが減ってくる
上着がじわじわ湿ってくる

例文です。
「窓に雨がぱらぱら当たって、教室が少し暗く見えました。」
同じ小雨でも、「降り始め」より「続いている感じ」が出ます。

「しとしと」 静かなのに、気づけば濡れる雨です

「しとしと」は、音がうるさくないのが特徴です。なのに、濡れます。しかも、わりと確実に。
雨粒が細かく、空気全体が湿っていくような雨です。朝から夕方まで続いて、気分まで少し重くなることがあります。

似合う場面は、こんなときです。

空が低く、景色がぼんやり見える
弱い雨が長く続く
髪や袖がじわじわ湿る
傘を差しても、なんとなく湿気がまとわりつく

例文です。
「朝から雨がしとしと続いて、靴下まで冷たくなりました。」
しとしとは、雨の量よりも、湿り気と時間の長さを伝える言葉です。

「ざあざあ」 音でわかる、文句なしの本降りです

「ざあざあ」は、雨が面で落ちてくるような本降りです。屋根や地面を叩く音がはっきりして、外の景色が白っぽく見えることもあります。
この雨になると、傘を差すか迷う余地はありません。差しても濡れます。

似合う場面は、こんなときです。

傘を差してもズボンの裾が濡れる
水たまりがすぐ増える
会話の声が自然と大きくなる
走るか、諦めて濡れるかの二択になる

例文です。
「帰りのチャイムが鳴ったころ、雨がざあざあ降っていました。」
この一文だけで、空気の荒さや、帰り道の面倒さまで伝わります。

使い分けに迷ったとき 「傘を出すタイミング」で考えると決めやすいです

雨の強さを数字で覚えるより、「自分ならいつ傘を出すか」に結びつけるほうが、感覚的にスッと入ります。

「ぽつぽつ」
傘を出すかどうか、まだ迷う雨です。

「ぱらぱら」
傘を差したほうがよさそうな雨です。気づくと少し濡れてきます。

「しとしと」
傘はあったほうが安心です。弱いのに、じわじわ濡れていきます。

「ざあざあ」
傘は必須です。移動するだけでも一苦労になります。

雨の日に「どれくらい降ってる?」と聞かれたとき、たった四文字で状況が伝わるのは、日本語の面白いところです。こうした言葉は「オノマトペ」と呼ばれます。

オノマトペは、音や様子を、音の感じで表す言葉のことです。これは日本語だけのものではなく、世界中の言語にあります。ただ、日本語はとくに種類が多く、音のない状態や気持ちまで表せるのが特徴です。

雨は同じように降っているようで、実は一瞬ごとに表情が違います。「ぽつぽつ」「ぱらぱら」「しとしと」「ざあざあ」⋯。

言葉を選ぶたびに、空の様子が少しだけ輪郭を持って見えてきます。次に雨が降ったら、スマホを見る前に一度だけ耳を澄ませて、どの雨か心の中で名づけてみてください。たった四文字の違いを意識することで、いつもの帰り道がちょっとだけ楽しくなるかも知れません

参考文献

田守育啓『オノマトペ 擬音・擬態語をたのしむ』(2002 岩波書店) 小野正弘『日本語オノマトペ辞典』(2007  小学館)

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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