「豊臣兄弟!」小一郎はなぜ藤吉郎を恐れた?信長お忍び現場作業!テンポの良さに期待大の第1回を考察

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「豊臣兄弟!」小一郎はなぜ藤吉郎を恐れた?信長お忍び現場作業!テンポの良さに期待大の第1回を考察

新年あけましておめでとうございます。ついに令和8年(2026年)NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」が開幕しました。

戦国乱世の真っただ中を小一郎(仲野太賀。後の豊臣秀長)と藤吉郎(池松壮亮。後の豊臣秀吉)の兄弟が駆け抜け、天下を獲るまでの奇跡が鮮やかに描かれていくことと期待しています。

1月4日放送、大河【豊臣兄弟!】超予習まとめ&相関図——秀長の生涯、正室・側室、重要な家臣たち

本作では、豊臣秀吉という超がつくほどの有名人を、弟・小一郎の視点からどのように描いていくのか……さっそく第1回放送「二匹の猿」を振り返ってまいりましょう。

第1回放送「二匹の猿」略年表

野盗の襲撃から逃げる小一郎と直。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

天文3年(1534年) とも(宮澤エマ)が誕生 天文6年(1537年) 藤吉郎が誕生 天文9年(1540年) 小一郎が誕生 天文12年(1543年) あさひ(倉沢杏菜)が誕生、父・弥右衛門が死去 天文20年(1551年) 藤吉郎が中村を出奔(ドラマ設定) 天文23年(1554年)ごろ 藤吉郎が織田家に仕える(諸説あり) 永禄2年(1559年) 第1回放送「二匹の猿」スタート
2月2日 織田信長(小栗旬)が上洛し、足利義輝に謁見

物語の開始時点で小一郎は20歳、ここから30年以上にわたる物語が繰り広げられます。

少年時代から描いた方が兄弟の絆を感じられてよいのでは?とも思いましたが、テンポが悪くなるため割愛されたのでしょう。

むしろいきなり大人時代を見せた方が「数年ぶりに帰って来たうさんくさい兄が、得体の知れない道に自分を引きずり込もうとしている」感が出てよいのかも知れませんね。

争いを好まず、知恵で解決を図る小一郎

争いを収める小一郎。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

のっけから喧嘩していた玄太(高尾悠希)と信吉(若林時英)。貸した種もみを返さないから粗朶(そだ。焚き木)を盗んだ……まったくどっちもどっちですね。

小一郎は「無理に種もみを返してもらうより、むしろもっと貸して収穫で返してもらったらどうだ」と提案。これで一件落着しました。

また道普請の最中に土砂崩れが起きた際は、冷静に状況を判断して見事に復旧。お忍びで現場に来ていた信長から評価されています。

ただし戦が始まると物盗りに加わりたくないと嫌悪感を示したり、坂井喜左衛門(大倉孝二)の館へ野盗が乱入した際も積極的に戦いたくない素振りを見せたり、争いごとは好まないようでした。

持たざる者が争いを好めば、待っているのは身の破滅です。小一郎も藤吉郎も、そうした生存本能が働いていたのでしょう。

しかしこの二人は、間もなく望まない争いの坩堝に巻き込まれていくことになります。

小一郎の家族たち

藤吉郎のホラ話を聞いて、鼻で笑うともと、興味津々のあさひ。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

小一郎は母のなか(坂井真紀)と、姉とも、妹あさひの4人で暮らしていました。

なか:おっとりとして、子供たちを溺愛する慈母のイメージ。後の大政所。 とも:そんな母を見ているせいか、気丈に一家を支える姉。後の日秀尼。 あさひ:母のおっとりした性格を受け継いだ、明るい妹。後の駿河御前。

なお父・弥右衛門(やゑもん)は既に故人。本作では継父・竹阿弥(ちくあみ)は登場しないようです。

劇中では「汚い醜女(しこめ。ブス)」ということで暴行を免れた母娘たちでしたが、このレベルで醜女だと思うのなら、彼らはよほど目が肥えていたのでしょうね。

余談はともあれ、今後も彼女たちの活躍を楽しみにしています。

「自分の道は自分で切り開く」信長との出会い

「他人の悪口を言う前に、自分のなすべきことをなせ」小一郎に説く信長。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

道普請の現場で黙々と働いていたほっかむりの男。道を整備したら敵が攻め込んでくるではないか……無駄口を叩く小一郎にビンタ?を食らわせていました。

まさか信長がお忍びで現場作業員に扮していたとは……さすが「うつけ」と呼ばれるバイタリティとフットワークの持ち主と言ったところでしょうか。

「道があれば、敵に先んじて攻め込める」

「自分の進む道は自分で切り開く」

待っていても攻め込まれるだけ、ならばこっちから積極的に攻め込み、求めるものを手に入れよう。こうしたアグレッシブな心意気は、現代を生きる私たちにとっても大切だと思います。

一方でイメージどおりの苛烈さも備えており、戦国乱世の先駆者として、小一郎に道を示す存在となるのでしょう。

参考記事:

織田信長が小姓を呼びつけておいて「何でもない」実は“試して”いた、信長の繊細すぎる人材登用術

厠で語る藤吉郎の夢

幼いころからバカにされてきた藤吉郎。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

藤吉郎に盗みの容疑がかけられ、真犯人を捕えねば柴田勝家(山口馬木也)に首を斬られる……小一郎と二人で丹羽長秀(池田鉄洋)に進言して警備を固めさせ、自分たちは厠(かわや。トイレ)で待ち構えます。

「兄者は偉くなってどうするんじゃ」

小一郎の問いに、藤吉郎は夢を語りました。まずは家族を腹いっぱい食わせたい。もっと偉くなったら村のみんなを、もっともっと偉くなったら……どこまでも夢は広がりますが、広がりすぎて自分でも訳がわかりません。

しかし本音は、もうみんなからバカにされたくない、嫌われたくない。感謝してもらいたい、よくやったと褒めてもらいたい……そんな無邪気でささやかななものでした。

「ありがとう。藤吉郎、よくやった」と言われたい。

藤吉郎のこの言葉、最終回近くに出て来るのではないでしょうか。

横川甚内は密偵だった?

京都にて、刺客を背にする信長。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

盗人を追っていたら、現れたのはいつも親切にしてくれる横川甚内(勝村政信)。まさか美濃の斎藤義龍(DAIGO)と通じていようとは思いませんでした。

「見回りであれば(怪しまれないよう)なぜ灯りを持っていない?」

ここでも小一郎の洞察力が冴えを見せて、情報漏洩を未然に防いだのです。

かくして上洛していた信長は難を逃れた……と思いきや、実は既に丹羽兵蔵(にわ ひょうぞう)が情報を掴んでおり、手柄は兵蔵に持っていかれてしまいました。

※この丹羽兵蔵のエピソードについては『信長公記』に記録(丹羽兵蔵御忠節の事)があります。

落胆する小一郎に対して、藤吉郎はめげません。手柄を立てたければ、誰よりも早く動け……信長の発した言葉が、後に藤吉郎をして「中国大返し」など、速さ勝負の活躍をなさしめたのでしょう。

なお横川甚内について、現時点で詳しいことはわかりません。創作人物なのか実在していたのか、引き続き調べていこうと思います。

小一郎はなぜ兄を恐れた?

思わぬ所で藤吉郎と8年ぶりの再会を果たした小一郎。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

横川甚内との斬り合いで血飛沫を浴びた兄に恐れを抱いた小一郎は、やはり武士になどならぬと清州を去りました。なぜ小一郎は藤吉郎を恐れたのでしょうか。

考えられるのは「いつか自分もこうなってしまうのではないか」という恐怖です。眉一つ動かさず、返り討ちとは言え、冷徹に恩人を斬ってしまえる兄のように。

まったく似ていないようで、そこかしこに共通点がある小一郎と藤吉郎。女が好きでお調子者、知恵と速さが身上で、争いごとは好まない。

好む好まざるにかかわらず、武士として生きて行くには、冷徹にならねばなりません。まして苛烈な織田家中ならなおさらです。

劇中では「ただの足軽」に過ぎない藤吉郎ですが、ここに武士と非武士の明確な違いが浮き彫りになっていました。

ここで引き返さなければ、修羅の道を進むことになる……実に懸命な判断ながら、小一郎はどういう訳か修羅の道へ引き戻されてしまうのです。

第1回放送「二匹の猿」全体的な感想

天下を統一し、全国の諸大名をひれ伏させる豊臣兄弟。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK

3年ぶりの戦国作品ということで、楽しみにしていた「豊臣兄弟!」。しかし一方で「また秀吉がらみか」「他の戦国大名や武将もとりあげて欲しい」……という食傷気味な思いも正直ありました。

しかしいざ始まってみると、テンポがよくて飽きさせず、またキャラクターの個性がわかりやすく楽しめます。

冒頭に30年後の「栄華」を見せてから、貧しい青年時代にさかのぼるという趣向も嫌いではありません。

OPは戦国時代の昂揚感を表現する映像とBGMで楽しませてもらいました。細かな演出や工夫については、繰り返し見ていくうち鮮明になっていくことでしょう。

第2回「願いの鐘」では、皆さんお待ちかね?の桶狭間が予想されます。尾張中村に戻った小一郎は、直(白石聖)とどんなやりとりを交わし、修羅の道へと戻っていくのか……これから一年間、みんなで一緒に楽しんでいきましょう!

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