『豊臣兄弟!』父の仇は討てたのか?銭50貫と草鞋の意味…第4回「桶狭間!」伏線と重要ポイントまとめ
NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』第4回放送「桶狭間!」も、色々な伏線が仕込まれていて、うっかりすると見逃してしまいそうな回でした。
果たして小一郎(仲野太賀)と藤吉郎(池松壮亮)は、父の仇を討てた……と言えるのか?そして信長が掴んだ“運”の正体とは?
第4回放送「桶狭間!」の伏線と重要ポイントを順に整理して振り返ります。
大切な人を見送る者たち…寧々と直いざ桶狭間!ということで、織田家中の者たちは一斉に出陣していきました。
小一郎らを不安げに見送った寧々(浜辺美波)に対して、直(白石聖)はのんきにあくびをかましています。そして「戻って休みましょう」と言い放つ神経に寧々は戸惑いを隠せません。
もちろん直にも彼女なりの考えがあって、曰く「いつも通りにしていれば、いつも通りに帰ってくる」とのこと。確かに気を揉み続けたところで、結果にプラスする訳ではないでしょう。
直の言葉に気を取り直し、寧々はいつも通りを心がけるのでした。前回はちょっとピリついた場面もありましたが、今後もよい関係を築いていけそうですね。
寧々と直。二人はいい関係を築いていけそう。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
『豊臣兄弟!』藤吉郎と小一郎の初恋の結末…史実から直(白石聖)と寧々(浜辺美波)の真逆の運命を辿る 義元の居場所を知らせた盛重の首級
盛重の裏切りさえ利用し、義元の居場所≒運をつかむ信長。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
前回、織田信長(小栗旬)に愛想を尽かして今川義元(大鶴義丹)への寝返りを決めた佐久間盛重(金井浩人)。果たして守備を任された丸根砦を今川方へ明け渡しますが、同僚の梁井政綱(金子岳憲)によって暗殺されるとは思いませんでした。
通常、敵将の首級は総大将がいる本陣に届けられますから、信長は義元の居場所をつかむことが出来たのです。という訳で、今回の一番手柄は政綱で文句なしでしょう。
ちなみに実際の盛重が信長を裏切ったという記録はなく、もちろん政綱が同僚である盛重を暗殺したという記録もありません。
両者にとっては不名誉なアレンジであるため、一応明記しておきます。
【豊臣兄弟!】“寝返り” 秒読みな佐久間盛重…史実では織田信長に最後の注進、丸根砦で迎えた最期 雨を知らせた「天の声」とは
「雨は嫌いじゃ」天候を案ずる義元。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
善照寺砦に入った信長は、出陣を前に空を飛ぶトンビを見上げました。
以前に小一郎の言った「トンビが低く飛んでいるから、間もなく雨が降る」という知恵が、桶狭間の奇襲を成功に導いた伏線となっています。
雨が降れば人馬の足音を紛らわせ、また火縄銃の防水対策も万全にして今川軍を制することが出来たのでした。
ところで、よく「火縄銃は雨が降ると、火薬や火縄が湿って使えない」と言われています。筆者もそのように学んで来ましたが、よく考えれば当時の将兵らも防水対策くらいは考えたのではないでしょうか。
もちろん防水対策をしても、濡れたり湿ったりして火縄銃が使えなくなるケースは考えられるます。しかし雨だからまったく使えないというのは、さすがに不用意だったかも知れませんね。
ついに桶狭間!合戦の様子について
戦さを前にテンションが上がる小一郎と藤吉郎。というか正気じゃつき合い切れない。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
「狙うは義元の首、ただ一つ!」
「乱取りはするな。生きて帰った者には、この信長が必ず報いる!」
……ということで、全軍奮い立って今川の本陣に突撃したのですが、違和感を覚えました。信長以下、将クラスの者たちが全員下馬した状態で戦っているのです。
近年「戦国武将たちは馬を移動にのみ用いて、戦闘時は必ず下馬して戦った」といった言説を見聞きしますが、必ずしもそうではありませんでした。
今回のように、とにかくスピード勝負の強行突破であれば、軍馬の損耗をいとわず義元目がけて突っ込むのが常道ではないでしょうか。
現実的な話をすれば、騎馬戦を演じるだけのリソースが割けなかっただけかも知れませんが……ちょっと騎馬戦も見たかったなと思ったのでした。
「戦国時代の騎馬合戦は絵空事」説に異議!武士らしく馬上で武勲を立て「槍大膳」と称された武将【上】 城戸小左衛門の最期
本作では成り行きで悪役にされてしまったが、実際の城戸小左衛門はどんな人物だったのだろうか。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
初登場から憎々しさを全身で熱演し、視聴者のヘイトを溜めに溜め続けた城戸小左衛門(加治将樹)。藤吉郎から言われるまでもなく、あの顔を忘れる視聴者はいなかったことでしょう。
桶狭間の決戦直前でも、藤吉郎にインチキ賭博を仕掛けて身ぐるみを奪い(結局突き返されたからよかったものの……)、窮地の豊臣兄弟を救った?かと思いきや……。
「(手元が狂って)討ち損じたか」
実は小左衛門の方も、藤吉郎らを殺そうと狙っていたのですね。さんざん大暴れした後なので、疲れて手元が狂ったのでしょうか。
この野郎……と思った次の瞬間、小左衛門に流れ矢が当たり、あっけなく討死してしまいました。
「許してやったのに、勝手に死ぬな!」
とは勝手な言い草ですが、これで亡き父・弥右衛門(小林顕作)の仇は討てた?のでしょうか。
『豊臣兄弟!』あれは不穏な伏線!?藤吉郎に容赦ない稽古をつけた城戸小左衛門の正体と今後の展開 見届けたかった義元の最期
よもや勝てるとは思わなんだ……茫然としながらも勝鬨を上げる小一郎。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
今回の桶狭間で、最も残念?ポイントは「海道一の弓取り」と謳われた英雄・今川義元の最期が見届けられなかったことです。
劇中に槍を取りながら話をしていた服部小平太(角屋直)と毛利新介(永田崇人)こそ、義元の首級を上げた功労者でした。
服部小平太が一番槍をつけ、毛利新介が義元の首級を掻き切る場面は、皆さん見届けたかったのではないでしょうか。
……服部小平太義元にかゝりあひ膝の口きられ倒伏毛利新介義元を伐臥頸をとる……
※『信長公記』首巻廿四「今川義元討死之事」
ただ本作は小一郎と藤吉郎の視点で描くものですから、近くにいなかった(迫れなかった)であろう義元の最期を描くのは、不自然だったかも知れませんね。
なお服部小平太と毛利新介はその後も活躍するので、今後も期待しましょう。
桶狭間の戦いで今川義元を討ち取った服部小平太と毛利新介…その後の人生どうなった?【一】 人事を尽くしてこそ天は味方する
お市にしか見せない、信長の素顔?NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
家臣たちの前では酒宴を開いたり敦盛を舞ったり、勝つべくして勝ったかのような余裕を見せる信長でしたが、お市(宮崎あおい)の前では焦っていた内心を吐露していました。
すべては運ではあったものの、その運は人事を尽くした者に天が与えるもの……信長が得た天啓とは、まさに小一郎が示したトンビの知恵だったようです。
一方の小一郎も、信長が巡らし続けた最善の策に感服し、見直していたのではないでしょうか。
これまで道普請や懐草鞋など、何度も反発してきた信長に対して、心から従うようになっていきます。
平然と飯を食い続ける元康
金陀美具足姿で飯を頬張る松平元康。折敷に載っているのは青菜の漬物?それにしても美味そうである。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
さて、義元の本隊が壊走したことで、大高城の松平元康(松下洸平)は窮地に陥ってしまいました。しかし石川数正(迫田孝也)が撤退を促しても、元康は飯を掻き込む手を休めようとはしません。
「せっかく運び込んだ兵糧を、このまま敵にくれてやるのは惜しいから、少しでも減らしてやる」とのこと。まったく豪胆なのか、それともうつけなのか……。
にしても、実に美味そうですね。おかずは漬物か干し魚か、見ていると腹が減ってきました。
今後、豊臣兄弟にとって最大のライバルとなる元康は、果たしてどうするのか?本作のアレンジに注目していきましょう。
【豊臣兄弟!】松平元康(松下洸平)の“金色の鎧”が話題!18歳の元康がまとった金陀美具足の由来と特徴 銭50貫と草鞋の褒美
兄を思う小一郎の姿に、信勝との関係を思い出す信長。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
戦後の論功行賞で、藤吉郎は一宮宗是(いちのみや そうぜ/むねこれ)の首級を獲った……のではなく、盗ったのでした。城戸小左衛門から。
【豊臣兄弟!】桶狭間で織田信長(小栗旬)に討ち取られた今川義元(大鶴義丹)と家臣たち20人超を一挙紹介亡き父のお守りを取り返すのはともかく、敵将の首級≒手柄を仲間から盗むのは、にっくき小左衛門と同じ因果をたどることになりそうです。
だから藤吉郎は思い直して、正直に自分の手柄でないことを申告しました。ここに藤吉郎は小左衛門を乗り越え、真の意味で亡き父の仇をとれたのかも知れませんね。
それでも信長は藤吉郎を足軽組頭に任じ、また吉運にちなんで木下藤吉郎秀吉の名を与えました。秀の字は亡き先代・織田信秀からとったものと考えられます(諸説あり)。
続く小一郎は我が近習に……と思ったら、小一郎から何と異見が。曰く「これからも兄と一緒に仕えたい」とのこと。これを聞いて、自身がかつて謀殺した実弟・織田信勝(中沢元紀)の最期が脳裏をよぎります。
【豊臣兄弟!】“仮病の見舞い”で信長の罠に…弟・織田信勝、史実が伝える無情な最期この兄弟を引き裂きたくない……そう思ったのか、信長は小一郎が望む銭50貫と、自分の草鞋を放って与えました。
草鞋は片方では役に立たない。片方ずつ与えるゆえ、互いに支え合いながら奉公するがよい。そんな信長の言葉を胸に、小一郎と藤吉郎は生涯を駆け抜けることでしょう。
帰って来た小一郎に、直は……
無事で帰ってきた小一郎を、全力で喜び迎える直。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
戦場では敵の一人も殺せず、何なら良心?に駆られて藤吉郎の足さえ引っ張ってしまった小一郎。武士として見ればまったく散々な結果でしたが、直にしてみれば、ただ生きて帰ってきたことが嬉しくてなりません。
ボロボロになった小一郎に「よう無事じゃったな」と喜びの言葉で迎えます。「生きておれば、それで十分じゃ」人目もはばからずに抱き着く直に、小一郎も嬉しかったことでしょう。
「えぇのう」と横からひやかす藤吉郎。寧々が「お帰りなさいませ」と声をかけてくれたかと思いきや、それは養父の浅野長勝(宮川一朗太)に対して……誰か、藤吉郎に優しくしてやってちょうよ。
そこは小一郎が藤吉郎を抱きしめ、みんなご無事でめでたしめでたしでした、
とまぁ、こんな感じで相変わらず暴力に関してはからっきしな小一郎。果たして彼が人を斬る日は来るのでしょうか。
余談ながら、直が非業の死を遂げるタイミングで、仇敵を斬るといった流れを予想しています。
『豊臣兄弟!』小一郎と直(白石聖)はその後どうなる?史実ベースで悲劇的末路や二人の子供を考察 第5回放送「嘘から出た実(まこと)」さて、桶狭間の決戦に勝利した織田家中はますます盛ん、次週予告では御前大試合が開催されるようです。
この格子で囲ったコロシアムには、ちょっと見覚えが……ともあれ前田又左衛門こと前田利家(大東俊介)が初登場。果たして藤吉郎は勝利できるのでしょうか。
また美濃攻略に先んじて敵方の調略活動を命じられ、小一郎と藤吉郎の世界はますます広がりを見せていきます。
果たしてどんな嘘からどんな実(まこと)が飛び出すのやら……次週も楽しみですね!
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