『豊臣兄弟!』大沢次郎左衛門、史実ではどうなる?一触即発の調略回、第5回放送の解説と考察
人質の身分から一国一城の主となった松平元康(松下洸平)に憧れて、臆面もなく「偉くなるにはどうすればいいか」尋ねた藤吉郎(池松壮亮)に、元康はあえてデタラメを教えました。さすが「狸親父」ですね。
いぶかる小一郎(仲野太賀)の懸念をよそに、藤吉郎は大真面目。「誰にもできないことをする」「己を信じて突き進む」ため、御前試合に調略に奔走する姿を見て、視聴者は呆れたり胸打たれたり……。
そんな第5回放送「嘘から出た実(まこと)」今週も気になるトピックを振り返っていきましょう!
松平元康(徳川家康)との出会い
これからどんな「狸親父」ぶりを魅せてくれるのか。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
人質から一国一城の主になったと言いますが、根っから百姓だった藤吉郎と異なり、元康の場合は元から大名の息子でした。
それが政略上仕方なく人質になっていたのが、桶狭間の混乱によって「然るべき場所へ戻った」というのが実情です。
「大切なのはここ(心)じゃ」
藤吉郎に乞われて助言する家康。しかし彼の真意は逆で、余計な私情は捨てて冷徹かつ合理的な判断を重んじたことでしょう。
しかし藤吉郎はこれを真に受けました。心が動けば、人は動く。家康の教えが、藤吉郎に天下を獲らせるキッカケとなったのかも知れませんね。
※徳川家康に関する記事
【豊臣兄弟!】徳川家康(松下洸平)の妻になる豊臣 妹・あさひ(倉沢杏菜)との出会いと儚い結婚の結末 時は流れて永禄6年
寧々にここまでさせておきながら、まだ好意すら伝えていない藤吉郎。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
永禄3年(1560年)の桶狭間から時は流れて永禄6年(1563年)。織田信長(小栗旬)は本拠地を清洲城から小牧山城へ移転し、藤吉郎や小一郎の身辺も大きく変わっていました。
故郷の中村から母なか(坂井真紀)・姉とも(宮澤エマ)・妹あさひ(倉沢杏菜)を連れてきて、姉妹にはそれぞれ弥助(上川周作)・甚助(前原瑞樹)という夫がいます。
しかし小一郎は直(白石聖)を娶らず、許婚のままにしていました。曰く「兄者より先に結婚できない」とのことで、藤吉郎は寧々(浜辺美波)に好意を伝えすらしていませんでした。
これまでの作品では、藤吉郎が寧々に言い寄るパターンが多かったので、本作のケースは新鮮な印象を受けますね。
果たして藤吉郎は、どんな形で寧々を妻に迎えるのでしょうか。
犬と猿の御前試合!場外の舌戦に苦笑
御前試合の様子。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
信長は犬山城の攻略に手を焼いていましたが、将兵の士気を高めるために御前試合を開催します。
ここで寧々にいいところを見せて、褒美をもらって家族を楽にしたい藤吉郎は、意気揚々と出場しました。
小一郎は奉行の武田左吉(村上新悟)を言いくるめて番組に細工させ、藤吉郎を順調に勝ち進めさせます。
「すべては殿を喜ばせるため」御前試合を盛り上げる策が功を奏して藤吉郎は苦もなく決勝戦へ。対するは「槍の又左」こと前田利家(大東駿介)、わざと強敵ばかり当てられてきたのに、まったく疲れた様子もありません。
果たして藤吉郎に勝機はあるのか……手に汗握る視聴者をよそに、格子の外でも場外戦?が繰り広げられていました。
まつ(菅井友香)が「猿を山に追い返せ」と言えば、寧々は「そんな犬っころ(前田犬千代=利家)に負けたら承知しない」と野次を飛ばします。
結局は卑怯な手を使ったにもかかわらず、藤吉郎の惨敗。参ったの声すら無視してこっぴどく打ちのめされてしまいました。
そして小細工は信長に見抜かれており、名誉挽回とばかりに大沢次郎左衛門(松尾諭)の調略に抜擢されたのです。
大沢次郎左衛門とは何者?
大沢次郎左衛門と大沢主水父子。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
犬山城の背後を固める鵜沼城の主・大沢次郎左衛門については諸説あり、詳しいことはわかっていません。
『寛永諸家系図伝』によると妻の篠(映美くらら)は斎藤道三(麿赤兒)の娘と言われているため、信長とは義兄弟とも言える関係です。
本作では永禄年間(1558~1570年)に藤吉郎の調略で信長に寝返ったとする『美濃雑事紀』の説を採っており、藤吉郎が宇留間城(鵜沼城)に暫く留まった点も共通していますね。
『美濃国諸旧記』や『濃陽諸士伝記』では、永禄年間に信長へ寝返ったものの、信長から謀叛の疑いを受けたため逃亡。そのまま行方不明になってしまいました。
ほか『寛永諸家系図伝』によると信長の元を去った後、歳月を経て藤吉郎(豊臣秀吉)・豊臣秀次(秀吉の養子)に仕え、秀次事件の後に放浪。晩年は相模国小田原の万松院に身を寄せて76歳で亡くなったそうです。
果たして本作の大沢次郎左衛門は、どんな活躍を魅せてくれるのでしょうか(早くも斬られてしまいそうですが……)。
何が次郎左衛門を動かした?
斎藤竜興「天地神明でなく、わしに誓え」。忠誠を強要する組織から人が離れていく、悪しき好例。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
あらぬ謀叛の噂を流され、斎藤竜興(濱田龍臣)から不審の目を向けられている次郎左衛門。妻の篠を人質に差し出すか、改易(所領没収)か……。
下賤の身分から城主にまで引き立ててくれた斎藤道三の恩義に報いるため、これまで忠節を尽くしてきた次郎左衛門ですが、その心中は大いに揺らいでいました。
そこへやって来た織田家の使者(藤吉郎と小一郎)。会うまでもないと思っていたものの、得意の石礫(つぶて)を的から外したことで、心中の動揺を自覚します。
そこで、いつもなら追い返していた織田家の使者と面会してみたのでした。
ここで小一郎が言葉巧みに調略を試みますが、それでは次郎左衛門の心を動かすことはできません。そして弥助が捕らわれて万事休す……しかし藤吉郎は言い張ります。
「自分はこの任務を成功させて侍大将となり、寧々殿と夫婦になる。だからここで死ぬわけにはいかない!」
いったい何を言っているのか、一同あっけにとられた中で、次郎左衛門には響いたようです。
下賤の身から城主となった自身と、これから侍大将を目指す藤吉郎が重なったのかも知れません。
「やっぱり、兄者にはかなわんわ」
巧詐は拙誠に如かず……どんな巧みな策略よりも、拙い誠の心こそが人を動かすことを、小一郎は実感したのでした。
第6回放送「兄弟の絆」
このまま次郎左衛門は斬られ、兄を見殺しにするのか?どうする小一郎。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
果たして信長に謁見した次郎左衛門ですが、荷物の中から暗殺用の武器が発見。残念至極、ここで次郎左衛門は殺されてしまうのでしょうか。
そうなると、人質として鵜沼城に残った藤吉郎の身もタダではすみません。果たして小一郎は、藤吉郎と再会できるのか……何だか「走れメロス」みたいな展開ですね。
「私と藤吉郎さんの、どっちが大事なのよ!」
泣きながら訴える直。そりゃ小一郎とすれば「お前に決まっているだろ」と言いたいところですが、じゃあ兄を見捨てるのかと言われると……それも出来ません。
「いつ!?誰を見たのじゃ!?」
このセリフが意図するところはわかりませんが、もしかしたら次郎左衛門を陥れた犯人を見つけて一件落着……と言った展開も予想されます。
次週2月8日(日)は総選挙のため放送休止、次回放送は2月15日(日)……待ち遠しいですね!
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