【春画】汚いオヤジ×美青年シチュに興奮する江戸の腐女子…喜多川歌麿が描いた表現が巧みすぎる!

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【春画】汚いオヤジ×美青年シチュに興奮する江戸の腐女子…喜多川歌麿が描いた表現が巧みすぎる!

蔦屋重三郎のお抱え絵師から出発し、やがて江戸時代を代表する「当代一の絵師」となった喜多川歌麿(きたがわ うたまろ)。精巧な筆から描き出される豊かな表現力で、多くの人々を魅了し続けています。

今回はそんな歌麿が描いた一作「見るが徳(とく)栄花(栄華)の一睡」シリーズ「娘の夢」を紹介。果たしてどんな世界が描かれているのでしょうか。

自分を守ってくれるため、美青年が汚いオヤジに……

喜多川歌麿「見るが徳栄花の一睡」上半分。山賊に脅され、女を守るために自分の身体を差し出す男。

絵を見ると右側に粗野な男が……これは山賊かと思われます。

左側にはひざまずく男と、その背中で泣く女。山賊が持つ刀に脅されて、言われるままに従うしかありません。

どうやら男女が山中を旅していたら、山賊に襲われて身ぐるみを差し出そうとしている……そんな情景でしょうか。

気になるのは山賊の表情と、口元のよだれを拭うような左手の仕草。これはもしかして、山賊の目当ては身ぐるみ以上に「男の身体」なのかも知れません。

「へへへ、こいつぁそそられるぜ。おい旦那、命が惜しけりゃさっさと脱ぎな!」

帯をほどく男の仕草や、屈辱とためらいの入り混じった表情。くぅ~っ、たまらんぜ!(by山賊)

……という夢を見ている女。というのが、この絵の全体像です。

男性同士の絡み合いを見たり想像したりすると興奮してしまう……きっと彼女は、そんな性癖をお持ちの腐女子(ふじょし)に違いありません。

(※)婦女子の捩りで、特に男性同士の性的関係を好む女性を指す。

しかも芸が細かいことに、夢を見ている女と、夢の中の女は同一人物として描かれています。

喜多川歌麿「見るが徳栄花の一睡」下半分。眠っている表情が、心なしかニヤけて見えないこともない。

つまり彼女は夢の中で、

「自分(女)を守ってくれるために、美青年が山賊に対して『俺のことは好きにしていい。だから彼女に手を出すな!』と身体を張ったところ、山賊は『バカ野郎。元からお前の身体が目当てだ』とばかり事に及ぶ」

というストーリーを描いているのでしょう。

かくして美青年が汚いオヤジによって凌辱・蹂躙されていく……そんなシチュエーションに興奮してしまう、とことん腐った性癖を見事に描き上げたのでした。

彼女が枕にしている書物が、そんな内容だったのでしょうか。また彼女の背中に乗ろうとしている猫についても、何らかのメッセージが込められているのかも知れませんね。

終わりに

喜多川歌麿「見るが徳栄花の一睡」全体図

今回は喜多川歌麿「見るが徳栄花の一睡」シリーズから、腐女子の山賊×美男子シチュエーション「娘の夢」を紹介してきました。

性的嗜好の是非はともかく、表情や仕草の巧みさは「そうきたか」「さすが歌麿」と唸ってしまいます。

正直「浮世絵なんて、どれもみんな同じ顔じゃん」と思っていた時期もありましたが、よく見ると絵師ごと・キャラクターごとに個性が光っているので、機会を作ってもっと観賞したいですね。

また他にもユニークで魅力的な浮世絵について、紹介したいと思います!

※参考文献:

喜多川歌麿『喜多川歌麿 風流風俗画Ⅰ』Kindle版、2016年1月

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