『豊臣兄弟!』直を失った小一郎は何を誓ったのか――竹中半兵衛の知略と斎藤龍興の末路…第9回振り返り
許婚であった直(白石聖)を喪った悲しみを振り払うべく、小一郎(仲野太賀)は美濃攻略の任務に奔走し続けます。
藤吉郎秀吉(池松壮亮)は三顧の礼をもって竹中半兵衛(菅田将暉)を軍師に迎え、ついに織田信長(小栗旬)は美濃攻略を実現したのでした。
大任を果たした小一郎は精魂尽き果ててしまい、直の墓前で弱音を吐きます。そこへ坂井喜左衛門(大倉孝二)に叱咤され、直の思いを胸に「万事円満な世をつくる」という志を立てるのでした。
第9回放送「竹中半兵衛という男」今週も見ごたえ十分。さっそく気になるトピックを振り返って参りましょう。
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半兵衛のもてなしを受ける小一郎と藤吉郎。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
劇中で何度か言及されていましたが、竹中半兵衛はわずかな手勢で斎藤竜興(濱田龍臣)の本拠地であった稲葉山城を乗っ取ったことがあります。
『太閤記』によると、半兵衛は家中の斎藤飛騨守(ひだのかみ)より侮辱され、櫓の上から小便をかけられたことがありました。
飛騨守は竜興の寵臣であったことから、訴え出ても取り合ってもらえません。これを恨みに思った半兵衛は、稲葉山城の乗っ取りを計画します。
まずは人質として稲葉山城にいた弟の竹中重矩(しげのり)に仮病をさせ、見舞いや看病の名目で精鋭を送り込みました。
そして自身は単身城内へ乗り込み、重矩の部屋で武装して一気に挙兵。斎藤飛騨守を斬り殺し、まんまと稲葉山城の乗っ取りに成功したのです。
竜興は慌てふためいて逃亡。この騒ぎを聞いた信長は、半兵衛に対して「稲葉山城を明け渡せば美濃半国をやろう」と持ちかけました。
しかし半兵衛は「今回は主君の非道を諫めるために城を乗っ取ったまでであり、国を売るようなことはしない」と固辞。そして竜興に稲葉山城を返還します。
※実際は舅の安藤守就(田中哲司)らと共に稲葉山城を守っていましたが、竜興の反撃により奪還されてしまったようです。
そんな過去があったため、竜興が半兵衛を警戒したのも無理はないでしょう。
三顧の礼とは?目上の者が目下の者を何度も訪ね、礼を尽くして迎え入れることを言います。
三国志で有名な劉備(りゅう び。玄徳)が、諸葛亮(しょかつ りょう。孔明)を軍師に迎え入れるため、三度にわたって彼を訪ねたエピソードが由来です。
江戸時代に成立した『絵本太閤記』ではこれをさらに脚色して、七度も通って半兵衛を口説き落とした「栗原山中七度通い(くりはらさんちゅうしちどがよい)」にアレンジされました。
そこまでされてしまっては、流石に「知らぬ顔の半兵衛」とはいかず、秀吉に力を貸すことを決意します。
俗説では「信長ではなく秀吉に仕えたい」と申し出たとされているものの、近年の研究では「半兵衛・重矩ともに信長の直臣として仕えた」という見方が主流のようです。
劇中では「強い相手≒小一郎と秀吉とは一度戦いたかった」と残念がっていましたが、これから大いに軍略を発揮してくれることでしょう。
劉備と諸葛亮が「水魚の交わり」であったように、秀吉&小一郎と半兵衛も水魚の交わりとなるのか、今後の関係に注目です。
逃亡した斎藤竜興の末路は
安藤守就に半兵衛の処刑を命じる斎藤竜興。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
永禄10年(1567年)8月、美濃三人衆(安藤守就・稲葉良通・氏家直元)が織田に内通したため、ついに稲葉山城を追われてしまった斎藤竜興。当時20歳、その後大名に復帰することはありませんでした。
木曽川を下って伊勢長島(三重県桑名市)へ逃亡、同時期に信長が伊勢長島へ兵を出しているため、竜興を追ってきたのかも知れません(諸説あり)。
機内へ逃げ込んだ竜興は三好三人衆(岩成友通・三好宗渭・三好長逸)と連携して信長に対抗、さらに石山本願寺などの支援を受けながら戦い続けます。
その後、越前国の朝倉義景(鶴見辰吾)を頼って客将として遇されました。元亀3年(1572年)には美濃奪還作戦を決行するも、肝心の朝倉勢が雪のために撤退。仕方なく越前へ撤退します。
翌天正元年(1573年)8月に朝倉・浅井長政(中島歩)と共に出陣し、近江国北部で信長と対決しました。しかしここで氏家直昌(なおまさ。直元の嫡男)によって討ち取られてしまいます。
本作においては、しぶとく抵抗を続ける様子が描かれるのか、濱田龍臣の熱演に期待しましょう。
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直の墓前にて。小一郎の背を見守る喜左衛門の眼差しには、少し温かみが感じられる。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。🄫NHK
かくして美濃攻略を達成した信長。キーパーソンとなった竹中半兵衛の調略に成功した秀吉は、ますます頭角を現すようになりました。
しかし小一郎は、直がいなくなった世の中など、もはやどうでもよくなっていました。
墓前に銭を供え、また脇指を置き、少し休みたいと呟く小一郎。その背に声をかけたのは、かつての仇敵?坂井喜左衛門でした。
直は生前、喜左衛門と賭けをしていたようです。小一郎が「万事円満」な世をつくれるか否か……何かと争いごとを嫌い、みんなが納得するまで考えて話し合ってきた小一郎なら、それが実現出来るかも知れません。
直を賭けに勝たせてあげたい。そんな思いから、小一郎は再び生きる意味を見出し、気力を湧き起こしました。
人間の世に争いはなくならないだろうけど、無駄な殺し合いを少しでもなくしたい……そんな思いが、後に秀吉の「惣無事令」につながっていくのでしょうか。
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いざ上洛。信長の野望を果たすべく、小一郎と藤吉郎も一心不乱に突き進んでいくことでしょう。
信長(小栗旬)はついに美濃を攻略、半兵衛(菅田将暉)は藤吉郎(池松壮亮)の家臣となる。そんな中、足利義昭の使いとして明智光秀(要潤)が信長を訪ねてくる。さきの将軍を亡き者にした三好一族を討ち、上洛して義昭を将軍に擁立してほしいというのだ。申し出を承諾した信長は、上洛の妨げとなる浅井長政(中島歩)に妹の市(宮﨑あおい)を嫁がせ、和平を結ぶことに。市は嫁ぐ前に、あることを小一郎(仲野太賀)に頼む。
※NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」公式サイトより。
果たして市(宮崎あおい)は、小一郎に何を頼むのか気になりますね。
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