広重「名所江戸百景」全120点が公開!展覧会『歌川広重「名所江戸百景」 最後の挑戦』開催 (2/3ページ)
風景画の革新 ―奇抜な構図への挑戦
本作の大きな特色の一つが、手前に極端に大きなモチーフを配した、「近像型構図」と呼ばれる大胆な構図でしょう。そのほかにも、広重はトリミングや俯瞰視点などを駆使した、革新的でデザイン性の高い画面を、多く生み出しました。広重による壮大な実験の場であったとも言える本作は、西洋美術へ深い影響を与えたことでも知られており、和洋を問わず、以降の風景画の流れに影響を与えた重要な作品と言えるでしょう。
江戸の「今」を写す ―新しい名所の開拓と最新の世相広重は本作において、構図以外にも新たな試みを随所に盛り込んでいます。王子や目黒といった自然景観に恵まれた地域をはじめ、市中から郊外にまで視野を広げ、新たな名所を精力的に開拓。さらに、黒船来航後の御台場建設によって削られた御殿山の姿を描くなど、激動する幕末の社会状況も敏感に捉えました。浮世絵の風景画のあり方を再定義し、時代性も反映させた、広重の幅広い工夫を作品から読み解きます。
『歌川広重「名所江戸百景」 最後の挑戦』は2026年4月15日(水)~6月14日(日)の期間、太田記念美術館で開催されます。