「魂を込めて撮影」西島秀俊、構想18年の社会派問題作に (2/2ページ)
中島組初参加の西島は、本作の脚本に惚れ込んだといい「自分が今まであまり触れる事のなかったスペシャルニーズを持つ子供たちとそのご家族の切実な思いが丁寧かつリアルに描かれていた。その先に世界や人に対しての希望があるという素、晴らしい脚本でした」と参加した理由を口にした。

とある映像をきっかけに悪徳探偵・米本(佐藤二朗)に調査を依頼した主婦・尋津民恵役の黒木は「自分だったらどうするのだろう?という事を本当に毎日考えながら演じていました」と熱演を予告。『来る』以来約8年ぶりの中島組参加となったが「中島さんとまたご一緒できる事もそうですし、『来る』の時に演出していただいた時間が自分の中で芝居の事を考えるきっかけになったので」と再会を喜んでいた。

重い障がいのある息子・新(しんすけ)を一人で育てる明野哲夫役の宮藤は、介護の講習をしっかりと受けてから撮影に臨んだといい、スペシャルニーズの俳優たちとの共演をこう振り返った。「彼らは本当に良い表情や素敵な笑顔を見せてくれて、本番に強い!その良い芝居を僕が台無しにしてしまうのではないかと思った。慎重にやろうとするけれど、彼らの良い表情に釣られて僕も良い人の顔になってしまうから…」と哲夫のがさつさを表すのに苦労した様子だった。

離れて暮らす佐竹の妻・佐竹由紀役の柴咲は「内に秘めるタイプ」と役柄を紹介しながら「私は何でも感情を表に出すタイプだと思われがちですが、意外と内に秘めるタイプ。本当に言いたい事は言えていなかったりするので、そこは自分と同じだなと思いながら演じていました」と共感。佐竹との夫婦像について「心の奥に秘めたものがありながら、壊してはいけない今というものがある」と表しながら「それ以上踏み込めないもどかしさを毎回毎回感じながら、伝わってくるものがあったので、傍らでそれを受け止めてお返ししていた」と西島との演技のキャッチボールを回想した。これに西島も「触れる、というのが本作の大きなモチーフ」と明かし「家族関係の中で触れるシーンは距離感が難しくて、柴咲さんと監督と相談しながら探っていった。それが大きな助けになり、充実したシーンになりました」と撮影を振り返った。