わずか18歳で羽柴秀次の切腹事件に殉じた美少年・不破万作がたどった儚く謎多き生涯

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わずか18歳で羽柴秀次の切腹事件に殉じた美少年・不破万作がたどった儚く謎多き生涯

豊臣秀吉と言えば、百姓の小倅から天下人に成り上がった空前絶後の成功者として、知らない者は少ないでしょう。しかし後継者問題に悩み続け、実子に恵まれず、多くの養子を得ては失っています。

そんな養子の一人が羽柴秀次、姉ともの長男を後継者に据えたものの、文禄4年(1595年)7月に謀叛の疑いで切腹させてしまいました。

今回はそんな秀次に殉じた一人の美少年・不破万作(ふわ ばんさく。伴作とも)を紹介したいと思います。

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18歳で秀次に殉死!儚く謎多き生涯

月岡芳年「和漢百物語 不破伴作」

不破万作は天正6年(1578年)に尾張国で生まれました。出自や家族、そして生い立ちなど、詳しいことはわかっていません。

若くして羽柴秀次(秀吉の甥で養子)に仕え、小姓となります。しかし文禄4年(1595年)7月、いわゆる秀次事件に際して、秀次が切腹するよりも先に殉死してしまいました。享年18歳。

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万作の事績はこれ以外に伝わっておらず、秀次に小姓として仕え、先んじて殉死した以外のことはよくわからないままです。

※伝承では名古屋山三郎・高木某と並ぶ森家の三勇士と称され、古寺の怪異を退治したと言われます(上掲画像)。ただし不破万作が森忠政に仕えたという史料の裏付けはありません。

そんな万作がなぜ歴史に名を残したかと言えば、後世「天下三美少年(戦国三美少年)」の一人に数えられたからでした。

美貌と武勇を兼ね備えた若武者たち

不破伴作(右)と名古屋小山三(左)の競演。四代目歌川豊国筆。

いつ誰が決めたのか、天下三美少年(戦国三美少年)とは次の三人を指します。

不破万作 名古屋山三郎(なごや さんざぶろう) 浅香左馬之助(あさか さまのすけ)

名古屋山三郎

天正4年(1576年)生~慶長8年(1603年)5月3日没

はじめ蒲生氏郷に小姓として仕え、槍の名手として知られました。傾奇者でもあり、出雲阿国を妻として歌舞伎の祖になったとも言われます。

浅香左馬之助

生没年不詳

はじめ織田信雄に仕え、その後は主君を転々としました(蒲生氏郷・石田三成など)。美貌と武勇で知られ、山三郎と一番槍を競い合ったこともあるそうです。

彼らは「国色無双(国士無双のもじり)」とも呼ばれており、美貌と武勇を兼ね備えた点が共通しています。

もしかしたら、万作も従軍経験はなくとも武芸に秀でていたため、選ばれたのかもしれませんね。

いつの時代も美少年はもてはやされるものですが、美貌だけでは生き残れませんから、武勇も重視されたことでしょう。

演じられた美少年の争い

歌川豊国「不破」より、不破伴左衛門(右)と名古屋山三(左)による恋の鞘当て。

そんな不破万作は歌舞伎のモデルとなり、不破伴左衛門(ばんざえもん)が名古屋山三(さんざ)と恋の鞘当てをする物語が演じられました。

鞘(さや)当てとは、帯びている刀の鞘が当たったことを無礼と言いがかりをつけ、あわよくば討ち果たそうとする行為です。

一人の女性をめぐって命懸けの争いを繰り広げる美少年たちの物語は、人々を魅了し、好評を博しました。

その後は歴代の市川團十郎が演じたそうですが、現代でも拝見できる機会はあるのでしょうか。

不破万作・基本データ 生没:天正6年(1578年)生~文禄4年(1595年)7月没 出身:尾張国 出自:不詳 家族:不詳 主君:羽柴秀次 身分:小姓 特徴:美貌(戦国三美少年) 特技:武勇に秀でていた? 死因:秀次への殉死 影響:歌舞伎の題材など 終わりに

不破万作と羽柴秀次(画像:Wikipedia)

今回は秀次事件に殉じた不破万作の生涯をたどってきました。儚く謎に満ちており、今後の究明がまたれるところです。

戦国時代には、他にも興味深い人物がたくさん活躍しているので、また改めて紹介したいと思います。

※参考文献:

須永朝彦『美少年日本史』国書刊行会、2002年2月 野口武彦『江戸わかもの考』三省堂、1986年10月

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