『ブラッサム』17歳で結婚、連れ子の娘とはわずか14歳差…珠の継母(国仲涼子)のモデル・佐伯リュウの生涯
朝ドラ『ブラッサム』には、魅力的な人物が数多く登場します。実母を亡くした幼い珠を育て、葉野家を支える継母・葉野リョウ(国仲涼子)もその一人です。
リョウのモデルとなったのが、宇野千代の継母・佐伯リュウ(さえき・りゅう)でした。リュウは17歳で45歳の宇野俊次と結婚。しかし俊次には亡くした先妻との間に幼い千代がいました。
継母となったリュウは、千代を我が子同様に養育。自分の子以上に可愛がって育て上げました。
やがて夫の俊次が世を去ると、リュウと残された子供たちは千代によって生活を支えられることとなります。
リュウは何を思い、どのように千代を愛し、家族の一員として過ごしたのか。佐伯リュウの生涯について見ていきましょう。
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佐伯(宇野)リュウをモデルとした葉野リョウ(演:国仲涼子さん)。写真は番組公式Xから。
17歳での結婚!宇野家へ入って千代と4男1女を育てる明治16(1883)年5月26日、佐伯リュウは山口県玖珂郡川下村に、佐伯順一郎とミヱの四女として生を受けました。
明治33(1900)年5月、17歳となったリュウは、醸造業の宇野家の次男である宇野俊次と結婚します。俊次は45歳になっていました。
しかも俊次には先妻・トモとの間に幼い千代(このとき、2歳)を設けています。リュウは千代とは年齢が14歳しか違わず、継母というより姉に近い年齢差でした。
リュウは俊次との間に薫、鴻、勝子、光雄、文雄の4男1女をもうけます。千代を加えれば、家には6人の子どもの母となりました。
継母というと、どうしても我が子を優先的に考えるイメージがあります。しかしリュウは違いました。食事においては、最も美味しいものを千代に食べさせ、入浴の順番でも千代を先にします。
このことから、リュウはむしろ実子よりも気遣いをしていたことがわかります。
千代はリュウを実母と思い、慕っていました。異母弟妹の子守を引き受けていたと言います。リュウが千代を大事にしたことにより、むしろ姉と弟妹たちの結びつきが強まっていきました。
夫の死後の家族を支え、作家となった千代を迎える
やがてリュウと千代との関係は、新たな局面を迎えます。
明治44(1911)年、成長した千代はリュウとは別に生母トモがいたことを初めて知らされました。それまで千代はリュウを実母だと思っていました。同年、千代は父・俊次の命によって従兄の藤村亮一と結婚。しかしわずか10日ほどで実家に帰っています。
大正2(1913)年2月8日には、俊次が病没。リュウは千代と5人の実子を抱える立場になりました。
このとき、俊次が放蕩生活を送っていたこともあり、生活は途端に窮迫したと伝わります。
俊次の実家からの援助も少しはあったと推察されますが、暮らし向きは決して豊かであったとは想像できません。リュウは暮らしを支えるために製糸工場に就職。千代の学費も工面して学業を続けさせました。
大正3(1914)年、千代は岩国高等女学校を卒業。川下村尋常小学校の代用教員として勤務します。しかし翌大正4(1915)年、千代は代用教員の職を失って郷里を離れることとなりました。
大正5(1916)年、千代は実母・トモの姉であるカツの子・藤村忠(亮一の弟)を頼って京都へ移住します。
その後、しばらく千代が岩国に帰郷することはありませんでした。
大正11(1922)年、作家となった千代は、原稿料を手に帰郷。リュウや弟妹と再会します。
大正15(1926)年、千代が尾崎士郎と岩国の新港に滞在。このときも、リュウと弟妹は二人を訪ねています。その後も千代は東京で生活しましたが、リュウや弟妹を助け故郷との関係を保ちます。
昭和26(1951)年、リュウは世を去りました。享年98。千代たち家族を慈しみ、慈しまれた生涯でした。
後年、千代は著作『おはん』を描きます。そのモデルとなったのが、ほからなぬリュウでした。
千代が人の心を打つ物語を紡げたのは、リュウをはじめとした大切な存在があったのだ、と感じずにはいられません。
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「宇野千代さんのホームページ」 宇野千代・藤江淳子ほか『新版 宇野千代 女の一生』新潮社 2026年 宇野千代『生きて行く私』中央公論社 1992年日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

