小栗忠順から情報リーク!大河『逆賊の幕臣』で松坂桃李演じる旧主と富を築いた三野村利左衛門とは
令和9年(2027年)大河ドラマ「逆賊の幕臣」では、日本の近代化に貢献しながら、逆賊として処刑されてしまった小栗忠順(おぐり ただまさ。小栗上野介)の姿が描かれます。
短い生涯を通じて国事に奔走した小栗忠順の活躍は、多くの人と出会い、彼らに支えられてこそのものでした。
今回は小栗忠順を支えた一人である三野村利左衛門(みのむら りざえもん)を紹介。果たして彼はどんな人物で、どんな活躍をしたのでしょうか。
今回の記事が、大河ドラマ「逆賊の幕臣」を楽しむ参考になれば幸いです。
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三野村利左衛門の出自については正確な史料が存在せず、そのほとんどが本人による口伝すなわち自称でした。
この辺りから彼の胡散臭さが感じられますが、こういうキャラクターは嫌いじゃありません(個人の感想です)。
ともあれ本人の自己申告によると、利左衛門は江戸時代末期の文政4年(1821年)11月10日に関口彦右衛門為芳(せきぐち ひこえもんためよし)の三男として誕生しました。
父は出羽国庄内藩(山形県鶴岡市)に仕える武士だったそうですが、利左衛門が7歳となった文政10年(1827年)に浪人となってしまったそうです。
一体何があったのか、詳しいことはわかりませんが、関口一家が困窮を強いられたのは間違いないでしょう。
オラこんな暮らし嫌だ、とばかり利左衛門は、19歳の天保10年(1839年)に故郷を飛び出して江戸へ向かいました。
転がり込んだのは深川の干鰯問屋、そこでの奉公を経て、小栗忠高(忠順父)の中間(ちゅうげん)となります。
ここで小栗忠順と出会ったことが、その後の人生を大きく変えたと言えるでしょう。
インサイダー取引で大成功
しばらく小栗家で奉公した利左衛門は、弘化2年(1845年)に美濃川利八(みのかわ りはち)の婿養子となって紀ノ国屋(きのくにや)を継ぎ、次代の利八を襲名しました。
紀ノ国屋は菜種油や砂糖の商いを行っており、利左衛門は蓄財に励んで安政2年(1855年)に両替商の株を買います。
そして万延元年(1860年)になると、勘定奉行となっていた旧知の小栗忠順から小判吹替(ふきかえ。改鋳)の情報をリークしてもらった利左衛門は、ここぞとばかり小判を買い占めて巨万の富を得ました。
現代ならインサイダー取引として一発アウトな事案ですが、結局捕らわれていないので、結果オーライだったのでしょう。
小栗忠順と言えば頑固一徹で生真面目なイメージですが、意外とこういうところは融通が利いたのか、あるいは当時はこれが常識?だった可能性もあります。
ちなみにこの時、三井両替商にも吹替情報を共有したことから、三井家から大変感謝されたのは言うまでもありません。
勘定奉行の小栗忠順とツテがあったため「紀ノ利(紀ノ国屋の利八)」と呼んで懇意にされ、両者の橋渡しも行ったそうです。
この功績によって、利左衛門は慶応2年(1866年)に三井家に通勤支配(取締役待遇)として迎えられ、大番頭を務めました。
三野村利左衛門と改名したのはこの頃で、三野村とは「三」井と美「濃」川、そして亡き父の養家である木「村」からとって合わせたとされます。
利左衛門が故郷を飛び出した後、父は木村家へ養子入りしていたのですね。
幕末維新の動乱を乗り越える
日本の未来を信じて、粛々と命を指し出した小栗忠順(イメージ)
やがて倒幕の機運が高まると、利左衛門は三井家と共に新政府(薩長藩閥)へ資金提供を行うなど、滅びゆく幕府に巻き込まれぬよう存続を図りました。
一方で恩義ある小栗忠順に対しても千両を贈ってアメリカへの亡命をうながすなど、どちらへ転んでもよいよう最善の布石も怠りません。
しかし小栗忠順は利左衛門の好意を辞退し、所領の上野国権田村(群馬県高崎市)へ隠棲します。そして新政府軍に捕らわれ、慶応4年(1868年)閏4月6日に処刑されてしまいました。
あまりにも潔すぎた旧主の最期を、利左衛門は惜しんだことでしょう。
やがて幕末維新の動乱も落ち着いてきた明治6年(1873年)、利左衛門は豪商の小野組と共同で第一国立銀行(現代のみずほ銀行)を設立しました。
しかし小野組は翌明治7年(1874年)に経営破綻で銀行事業から撤退してしまいます。
いっぽう利左衛門は明治9年(1876年)、三井銀行(現代の三井住友銀行)を設立しました。これが日本初の民間銀行となります。
貧困に苦しんだ浪人の子から大銀行家へと成り上がった利左衛門は、明治10年(1877年)2月21日に世を去りました。
享年57歳、死因は胃癌だったそうです。死後の30年以上が経った大正4年(1915年)、日本の金融発展に貢献した功績から、従五位を追贈されます。
終わりに今回は幕末から明治にかけて活躍した三野村利左衛門の生涯をたどってきました。
怪しげな素性や前半生、そして小栗忠順と組んでのインサイダー取引など、ダーティな面が印象に残ります。
とは言え幕末維新の混乱した世の中を乗り越えるには、清濁併せ呑む度胸や器量が求められたことでしょう。
果たして大河ドラマ「逆賊の幕臣」では、どんな三野村利左衛門が描かれるのか、楽しみにしています。
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荒川祐蔵とは?大河『逆賊の幕臣』で松坂桃李が演じる小栗忠順に最期まで殉じた家臣 大河『逆賊の幕臣』小栗忠順(松坂桃李)の父「小栗忠高」の波乱の生涯、あまりに不運な最期※参考文献:
富田仁ら『横須賀製鉄所の人びと』有隣堂、1983年6月 村上泰賢 編 『小栗忠順のすべて』新人物往来社、2008年3月日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

