気象庁に隠蔽された御嶽山「噴火の異変」 (2/2ページ)

東京ブレイキングニュース

気象庁の火山対策官はその9日前の5月25日、記者会見で「突拍子もない事は起きないと思う」「火砕流というと大きくとらえられそうだが、オーバーにとらないで欲しい」と、結果的に誤った見通しを口にしていた。

 伊豆大島の全島避難に至った1986年11月の三原山大噴火でも、酷似する状況があった。1986年7月に12年ぶりに火山性微動が観測されたため、気象庁などは観測態勢を強化することになった。しかし、火山噴火予知連は10月30日、「大規模な噴火が切迫している兆候は認められない」、小噴火が始まった11月15日には「大噴火にはいたらない」と発表している。

  原山を10年来観測してきた琉球大学理学部の木村政昭助教授(当時、現・名誉教授)は翌日、現地入り。1987年に出版した『日本列島が危ない』(二見書房)によれば、火口の状況から「これは大噴火、多分に巨大噴火につながる」と確信し、17日午後5時、気象庁大島測候所に報告した。

 一方、予知連は「大噴火にはいたらない」「溶岩が火口の縁に達するとしても、それは数カ月後であろう」という立場を変えなかったという。木村氏はテレビを通じて公表することに決め、同日午後10時の民放ニュース番組で「数日以内に、溶岩は火口の縁に達するだろう」と発言した。予知連が木村氏と同様の見通しに変更したのは18日午後2時だった。約14時間後、溶岩が火口からあふれ出し、2日後には市街地に接近したため全島民が島外避難に追い込まれた。

 東日本大震災による原発事故では、政府はSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)のデータを隠蔽したと批判された。役人は重大な災害が起きる可能性が高まったと判断できても、パニックや〝空振り〟を恐れて公表をためらう傾向がある。いざというとき、重大な災害情報は隠蔽されると考えるべきだ。

Written by 谷道健太

Photo by 緊急報道写真集 2014.9.27 御嶽山噴火

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