高校生の自殺で見舞金の支払い拒否、遺族は最高裁へ上告 (2/2ページ)

東京ブレイキングニュース

 東京地裁・清水響裁判長は、同センターが、高校生の「故意または重大な過失などの場合災害共済級を行わない」としている件について、「刑事責任能力が14歳とされていること、不法行為における未成年の責任能力がおおむね12歳程度であると解されていること、16歳に達すると、注意能力が成人相当に備わっているとの考え」にもとづいているとして、違法性はないとしていた。

 また、生徒(故人)の自殺は、外部からの力や生徒の不注意などにより落下したわけではなく、「転落行為の認識及びその結果としての死亡に対する認容があった」と推測した。さらに原告が主張する急性ストレス障害の症状が出ていなかったとして、「故意による死亡」と認定し、遺族側の主張を退けていた。

 その後、遺族側は判決不服として控訴。10日、東京高裁の控訴審でも公訴棄却の判決が出された。この判決では、精神科医の意見書について、採用しなかった。これまでの過労死・過労自殺裁判では、原告側と被告側の医学的な所見の主張をぶつけ合い、少しでも可能性がある側の意見書を採用する。今回、同センターは、医師の意見書を提出していない。

 菅野博之裁判長は、過労死・過労自殺における「故意」かどうかと、同センターの災害共済給付における「故意」は違うとした上で、「本件生徒を過去に自ら診断した経験や診察した医師の記録等を踏まえた判断」ではなく、一般論と可能性にもとづく推論でしかないと一蹴した。この考えでは、過労死・過労自殺の方法を否定することになる。

 では通院歴がなければ、同センターは死亡見舞金を支給しないかといえば、そうでもない。過去には通院歴がなくても支給されたケースがあり、基準が曖昧だ。

 遺族は「センターの基準は合理性を欠いている。小・中学生と高校生がどう違うのか、判決を読んでも納得できない。子どもの命を守るという教育以前の問題だ」「どうして自殺に至ったのかという直前の心理を推測する努力をしないで、機械的に基準を当てはめただけ」と話し、判決不服として、最高裁に上告する意向を示している。

Written by 渋井哲也

Photo by Photomiqs

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