中村うさぎのホスト狂いを振り返る:ロマン優光連載21 (2/3ページ)
特殊な環境でお金を介在として生まれる人間関係というのは、突き詰めていけば結局は他人同士だと思うんですよ。いや、実際のところお互いに人間同士なのだから、それを超えた感情の交流は存在するし、その一線を越えてしまう例外的な例も実在はします。でも「他人同士でしかない」という前提を、客側(ヲタ側)が持ってないといけないと思うんですよ。お金が介在している以上、向こうは良い対応をしてくれますし、そのテンプレ的な良い対応の隙間からこちらに対する個人的な感情が垣間見えてそれが嬉しかったりするものです。人間は愚かしい生き物です。自分に都合のいいように解釈するようになってる生き物です。ほっとけば、良質なお客さんに対する好意や、人間としてのちょっとした好感の現れを、異性としての自分への好意だと考えたり、自分が特別な存在だと考えたりしがちです。そうすると、相手の内面にがさつに入り込もうとしたり、相手の日常に割り込んでいこうとしてしまうのです。それは相手の漠然とした好意を嫌悪に変えてしまうことになりかねません。どこまでいっても他人同士でしかないという自覚を持つことが、自分を律して楽しい空間を長く成立させていくことになるのではないでしょうか。「本当に向こうが自分に対して特別な感情を抱いていて今の仕事よりそれを取りたいと思ってたら、向こうからくるはず。」とでも思ってればいいんですよ。相手の真心を疑えというわけではなくてですね、自分を律して相手への礼儀を守る必要があるという話です。自分が好きな子を傷つけないためにも。
この本の本編は「今までありがとう! 君は私の星でした! その真実は変わらない!」みたいなホストに対する感謝で感動的に終わりますが、現実にはさらに先があります。「お金がもうないからこれない」と言ったうさぎ女史に対してイロコイ営業を推しホストがしかけ、まんまとそれにはまってしまった上に、テレビで寝たことを告白、バラされたことに怒ったホスト(他の客にも「好きなのは君だけ」みたいなことを言って寝てたんですな。)に自宅に殴り込まれるというオチがついたわけです。もう金出せないって言ったら初めて「愛してる」とか言われるのとかおかしいでしょ、普通に。ほんとに好きだったら、長く来て欲しいから普段から極端なお金は出させないように配慮したり、出しすぎてないか心配されたりします。