たったひとりで東京電力を訴えた自営業男性の訴え「恐怖感じる生活に一変した」 (2/3ページ)
通学中に被曝していた可能性もあります」
原発事故からはすでに4年経った今はどうしているのか。
「野菜などからはもう数値が出ないでしょうね。ただ、被曝した危険のある産地のものは注意しています。最近はキノコを買うようにはなりましたが、天然物は買わないようにしています。また、魚は産地によって買わないようにしています。もちろん、個体差があることはわかります。個別に努力している方がいるにはわかりますが、県別に判断せざるを得ない。お米は特定の人が作っているものにしています。そんな中でも、長女は尿検査でセシウムの数値が微妙にあがっているのですが、もう高校生。外食が増えて、もう行動を統制できない」
●最初の答弁書で東電は原告の人格を攻撃した福島第一原発から東京は300キロ弱。旧警戒区域となった20キロ圏内には保証があったり、周辺の観光業にも保障が支払われている。また、線量が高い地域である宮城県南部や栃木県北部では裁判外紛争解決手続(ADR)がすすんでいる。しかし、首都圏の住民に対しては何もない。
「福島や宮城、栃木での問題はそれはそれで大事です。私たちの裁判よりも(被害が大きいという意味で)大事かもしれない。ただ、そっちはそっちで考えるべき。娘の知り合いにも東京を出て行った人はいる。働くことを意識しなければ、東京から逃げていた人はいます。私も移住を検討しましたが、自営業なので、移住したところですぐに仕事になるかどうかはわからない。被曝リスクと移住リスクを天秤にかけるしかなかったんです」
事故から17日後の提訴。そのため、東電側もこうした訴訟が起きる可能性があるとわかっていたとしても、対策を取ろうとする段階ではなかったかもしれない。しかし、最初の答弁書では原告の人格を攻撃するものが書かれていた。東電からすれば「変わり者の個人が起こした訴訟」にしたかったのかもしれない。
「東電にしてみれば、個人の問題にしないといけないのでしょう。そうしないと、仮に私に1万円でも支払うとなったら、都民だけで1000万、首都圏となると、3000万人にもなったりする。そうなれば、事故があった場合の補償を加味して考えたとき、原発の設置コストをいくら見積もるのかが問題となる。