子どもに文字を教えるとき大人が陥りやすい「カワカマス理論」って何?
『カワカマス理論』ってご存知ですか?
「固定観念にとらわれていては真実が見えない、外からの風を入れると真実が見えてくる」というたとえ話で、ビジネスの世界ではよく使われる教訓です。
これって、子育てのシーンでも気を付けたいことなんですよ。
今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者・立石美津子が“固定観念から解放された文字の教え方”についてお話したいと思います。
■カワカマスのお話
『カワカマス』は肉食系の魚です。
餌となるフナを同じ水槽に入れて、水槽の中央を透明なガラス板で仕切るとカワカマスはフナを食べようとしますがが何度も仕切り板に鼻先をぶつけることになりますが、この痛さに懲りたあとは仕切り板を取り去ってもフナのところまで行って食べようとはしません。
そこに、ガラスの“仕切りを入れたことをを知らない”カワカマスを入れます。すると当然ですが、この新入りカワカマス達はフナを食べに行きます。
元々いたカワカマスは「何故、あなたは食べることが出来るの?」と思いますよね。カワカマスが言葉に出したわけではありませんが、そう思った違いありません。
■漢字が苦手なママの固定観念
カワカマスのように“漢字書き取りテスト“で苦労した経験がある大人は頭から「漢字は難しい。だから”ひらがな“からまず教える」と決めつけています。そして、当たり前のように、子どもに「そろそろひらがなの読み方を教えようかしら」なんて思います。
街中で下記のボードを出して「どれが一番難しい文字ですか?」とアンケートを取っても、きっと“蟻”と答える人がほとんどです。
あ 中 虫 蟻
でも、文字が全く読めない子ども達に実験した結果は真逆。一人の例外もなく、“蟻”を一番よく覚えます。信じられないと思ったらまだ文字を知らない1~2歳の我が子に実験してみてください。
■よく考えてみると当たり前のこと
何故、こんな結果が出たのでしょう。考えてみれば当たり前のことです。
「あ」・・・ひらがな一字一字は、音を表すだけで意味そのものを表していない単なる記号です。“あ”と見せられても色もなければ形もない、何か具体的なものが頭に浮かぶことはなく、覚えにくいのです。
「中」・・・画数は少ないので小学1年生で習うが、“コップの中”“部屋の中”と使用法に掴みどころがない。ちなみに、“上”“下”“左”“右”の漢字もイメージが湧きにくいので覚えにくい漢字です。
「虫」・・・“中”よりはイメージが湧くが“虫”という名前の虫はこの世にはいません。“蟻”のようにパッとイメージできません
「蟻」・・・子どもは頭の中に、実物のあの黒くて小さい“蟻”を直ぐに思い浮かべることができ、記憶に留めることが簡単にできます。
ひらがなの“あいうえお表”を貼って見せているのは、大人がアラビア文字を見せられていることと同じこと。子どもにとっては訳がわかりません。
■英単語と同じ
英語の絵本を読んでいるときアルファベット一文字一文字を知っていても、“Icecream”“apple”など言葉として単語が頭に入っていなければ、子どもは声にすら出すことは出来ないのと同じです。
ひらがなをバラバラで知っていて、一見、声に出して読んでいる風に見えても“拾い読み”しているだけ。意味がよくつかめません。ママだってひらがなばかりの絵本を読み辛いと思うでしょう。漢字に置き換えていくと、意味がわかります。
子どもも同じ。漢字力がある子は、最終的には高い読解力が付きます。
■実践編
街中の“●●銀行”“(牛丼屋の)●●家”など、漢字満載なのにお子さんが読めるということはありせんか。
“林檎”“救急車”“怪獣”“冷蔵庫”などの漢字も見せてください。あっという間に覚えてしまうでしょう。これを名刺サイズのカルタにしてゲームをしましょう。高い漢字力がつき読解力がついていきます。
いかがでしたか?
昔、ママが苦労した漢字テストの苦い経験”仕切り”にならないようにし、「漢字は難しい」という常識を捨ててみましょう。親が固定観念にとらわれてしまうカワカマスにならないことが子どもの能力を伸ばすコツですよ。
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【参考】
※ 立石美津子(2014)『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』(日本実業出版社)
【著者略歴】
※ 立石美津子・・・専門家ライター。32歳で学習塾を起業。現在は保育園、幼稚園で指導しながら執筆・講演活動に奔走。自らは自閉症児の子育て中。著書に『小学校に入る前に親がやってはいけない115のこと』『読み書き算数ができる子にするために親がやってはいけない104のこと』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『「はずれ先生」にあたった時に読む本』『一人でできる子が育つ「テキトーかあさん」のすすめ』