利用者の約半数が早いと回答し、費用も満足という「労働審判」はブラック企業からの駆け込み寺か?! (2/2ページ)
『「労働審判」という制度が用意されています。これは労働契約の存否や賃金・残業代に関する紛争といった個別的な労働関係事件について、迅速な手続(3回以内の期日で審理。労働審判法14条2項)で審理し、話し合いによる解決を試みつつも、もし話し合いがつかない場合には、その話し合いの内容を踏まえて審判をするという制度です。労働審判を担当するのは、通常の裁判官(労働審判官)1名と、労働問題について専門的な知識・経験を有する専門家2名(労働審判員)で構成される労働審判委員会です。話し合いを前提にすること、及び、労働関係の知識・経験をもつ労働審判員が手続に関与することから、事案の実態が把握しやすくなりますし、また、当事者の細かな話が丹念に聞かれる傾向にあるので、解決案の納得性が増すなどの特色をもっています。』(向原栄大朗弁護士)
実際に労働審判利用者の満足度に関するアンケート調査が東京大学社会科学研究所によってまとめられています。調査結果からは統計的にも、通常の訴訟より労働審判のほうが満足度が高いことがうかがえます。今後増加する個別的な労働問題に対処する際に、労働審判が利用される件数は一層増えると見込まれます。