安倍政権は政治とカネの問題噴出でもタカ派路線を邁進する|岡留安則コラム (2/2ページ)
この法案が狙うのは、いつでも戦闘行為を可能にする自衛隊の海外派遣である。連立与党の公明党の平和主義にかすかな期待を寄せる向きもあるが、日々の報道を注視していると、公明党は安倍政権の勢いに押し切られる可能性が強い。まもなく福島第一原発のメルトダウンから4年目を迎えるが、高濃度放射線水の海への流出も続いている。自宅に戻れなくて仮設住宅暮らしを強いられる住民も多い。除染で大量に出た放射性物質の処分のメドもついていない。
廃炉まで40年のスパンで見れば、原発事故の後処理は遅々として進んでいない。にもかかわらず、安倍政権は原発再稼働の方針を打ち出しているのだから、信じがたい政治感覚だ。
その一方、沖縄では県民意志を無視した辺野古新基地建設が着々と進められている。巨大なコンクリートの塊を海中に投下し、サンゴ礁が壊される事態も発生している。反対派の運動に対しても、沖縄防衛局、沖縄県警、海上保安庁の強引なやり口が日常化している。反対運動をリードする沖縄平和運動センターの山城博冶議長を逮捕するなど、政府の強権的な姿勢も強まっている。国会で政治とカネにまつわる論戦が交わされている間にも、安倍政権は自らの政策を確実に進めているのだ。政治とカネの問題が論議されている間隙を縫って、安倍政権によるタカ派路線が着々と進められていることを見過ごしてはいけないということだ。それは、国民もそうだが、メディアのチェックも不可欠という事である。
最後に、最近出た本を一冊紹介しておこう。青木理氏の「ルポ国家権力」(トランスビュー)である。「権力に対峙すること」、「事実を伝えるということ」、「問うべきを問うこと」の三章で構成され、警察、法務・検察、政治家、メディアなどの現状を広範にわたり取り上げている。本のコピーには「批判を拒む権力は必ず腐敗する。」という筆者のスタンスが明確に示されている。おススメの一冊だ。
Written by 岡留安則
Photo by jonathan.leung