哨戒艦撃沈事件から5年、今なお北に手玉に取られる韓国 (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

警備艇どうしが出会い頭に撃ち合っていた時とは、次元の違う作戦行動だ。

同事件に続く2010年10月の延坪島砲撃で北朝鮮は、海岸・陸上の砲兵部隊も動員。武力行動の範囲は水面から水中、地上へと広がった。

それにしても、北朝鮮がここまでムキになる理由は何か。

それはこの海域を含む黄海が、中国の「裏庭」だからだ。中国が米海軍の黄海での展開を嫌っているため、北朝鮮はアメリカや日本の海上自衛隊の介入を恐れることなく、韓国に対して武力挑発を行えるのである。

「天安」事件と延坪島砲撃を受けて、韓国軍は艦船や海底のソナーを強化。イスラエル製の無人機「ヘロン」を導入して、北朝鮮側の動きを早期に察知する能力を高めた。さらに、艦対地ミサイルや多連装ロケットシステムによって、遠巻きから相手を攻撃できる手段を整備している。旧式兵器ばかりの北朝鮮が相手なら、とりあえずは十分な備えと言える。

しかし今年に入り、北朝鮮側が意外な新兵器を持っていることが明らかになった。従来より性能が数段上と見られる対艦ミサイルと、それを装備したステルス高速艇だ。

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新型対艦ミサイルを試射する北朝鮮海軍のステルス高速艇/労働新聞より

対艦ミサイルはロシア製のコピーだが、韓国メディアの中には「外見を真似ただけのハリボテだ」と見る向きもある。精密な電子部品を入手できない北朝鮮に、高性能なミサイルを作れるわけがない、というわけだ。

その見立てが正しいかどうかは、北朝鮮の軍部から機密情報が流出するか、あるいは件のミサイルが実戦で使われてみなければわからない。

しかしまさか「試しに撃たれて見る」わけにもいくまい。実際の性能がどうあれ、前線で対峙する部隊にとっては脅威に変わりないのだ。

従来とは異なる次元で対峙する南北の部隊は、おそらくかつてとは異なる緊張の中にある。そして過度の緊張は、偶発的な衝突を一気に拡大させかねない。

「天安」事件から5年を経て、沈没現場となった海域はさらに危険の度を増していると言えるのだ。

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