日本中のアニオタダンサーが泣いた夜! 世界初アニソンダンスバトル全国大会レポ
世界初、史上初のアニソンのみで構成されるダンスバトルの全国大会「アキバ×ストリート」。
ついに、3月21日に新宿で行われた当日予選、そしてファイナルを持って第一幕は終了となった。
すでに、第2弾の開催決定も発表され、その一発目の予選は、なんとあの「ニコニコ超会議5」内の企画として、4月25日(土)・4月26日(日)の両日開催される。
「アニメになりたいと思って踊った」 バトル終了直後、当日予選を勝ち抜いた参加者の一人はそう語っていた。
生のアニソンダンスバトルなるものを目撃したのが初めてだった筆者は、異様な熱気に包まれた会場で、アニメ好きなダンサーが、ダンスが好きなアニメオタクが、それぞれの最高のパフォーマンスを発揮してぶつかりあう姿に、何度も鳥肌が立った。
2000年代の後半頃から生まれ、まだ決して大きなシーン、大規模な興行とは言えないアニソンダンスバトルというジャンルだが、その日、熱狂の坩堝と化した新宿の一角で何が起こっていたのか。写真とともに振り返ってみたい。
アニソンダンスバトル全国大会「AKIBA×STREET」 vol.01 Trailer
ダンスが上手いだけじゃ勝てないアニソンダンスバトル

アニソンダンスバトルは、その名の通り、アニソンでダンスを踊り、そのクオリティを競い合うという競技。
オタ汁ほとばしる! 世界最強オタクダンサー決定戦の予選レポート
ポイントは、ダンスが上手いだけの勝負ではない、ということ。
ダンサーは、自分のバトルの時、何の曲がかかるかわからない。出たとこ勝負で、流れたアニソンの拍や展開にあわせて、特には歌真似をしながら、パフォーマンスを決めなければいけないからだ。
そして、これだけは時の運だが、その時にかかった曲がダンサー自身が好きな曲であればあるほど、その熱意はやはりパフォーマンスにあらわれ、観客をうならせるダンスとなっていた。

もちろん、通常のダンスバトルに負けず劣らず、各参加者のダンススキルは非常に高いものだった。
アニソンにあわせた独特なステップの踏み方や拍の取り方、時折繰り出される大技、それまで培ってきた経験とその場でかかるアニソンへの反射的なフィーリングがマッチする瞬間、そしてそれらの応酬は、本当に見応えのあるものだった。

それは、主催しているのが、国内外のダンス大会で功績をあげている凄腕のダンサーで構成されたダンスチーム「R.A.B(リアルアキバボーイズ)」だということも大きいのかもしれない。
アニメとダンスが好きで本気で打ち込んできた面々がしのぎを削り合う様は、鬼気迫るものがあった。
普通のダンスバトルと違う点は?

ただガチンコでぶつかり合う、というだけではないのも、アニソンダンスバトルの大きな特徴の一つだという。
当日、会場に集まった観覧者の多くはダンス経験者だったが、もちろん純粋にバトルを楽しむために観覧に訪れていた人の姿もあった。
中でも、熱心に応援していた数名の女性客は、アニソンダンスも好きだが、通常のダンスバトルもよく観覧しに行っているというダンス好きの集まりだった。
どちらも見てきた彼女たちからみた、アニソンダンスバトルならではの特徴は?
普通のダンスバトルもアニソンダンスバトルも、ダンサーはみんな本気でバトルします。けど、アニソンダンスバトルは、ただ勝つためだけじゃなくて、バトルをどうエンタメにするかをダンサーがすごい意識しているのを感じます
確かに、バトルの途中でも、お互いがノッてくると、鉄板にアツいアニソンが流れると、技をぶつけ合うよりもお互いの呼吸を合わせてダンスのグルーヴを生み出そうとする瞬間がしばしば起こっていた。

どちらかのキレッキレだけど一方的なパフォーマンスを見せつけられた時よりも、オーディエンスがより大きく湧くのは、たいていは対戦者の2人のダンスが噛み合ってセッションとなる瞬間だったように思う。
技を披露しあうだけではなく、合間に挟むヲタ芸や突然飛び出してくるアニメグッズといった小道具が、自由度の高いエンターテインメントなステージ演出に一役買っていた。

その日、審査員をつとめたR.A.BのDRAGONさんは、途中のMCで「(自分も)泣いちゃうんだよね、油断すると」とこぼしていた。

汗をほとばしらせて全力でぶつかり、勝っても負けてもバトル後に涙しながらお互いを称え合うダンサーたちの姿は、「ダンスが好き」「アニメが好き」という強い思いを何よりも雄弁に語っていた。
熱気むんむんの当日予選

まず、当日予選が行われたのは、新宿DECABAR Z。ぎゅうぎゅうになった会場は、むせかえるような熱気が充満していた。

予選では、4つのサークルにわかれ、対戦ごとに8人ほどが輪になって、かかったアニソンに対して呼応したダンサーが自分のタイミングで輪の中心に踊り出し、それぞれのパフォーマンスを披露する。

この時、どこでパフォーマンスを辞めるかも、自分のタイミングで決められる。長いケースではイントロからサビまで踊り切るダンサーもいれば、サビだけを踊るダンサーもいる。

そして、一人が踊りきったらまた次の曲がかかって、また次のダンサーが輪の中に躍り出るのを待つ。それを全員が踊りきったところで、審査員たちがジャッジ。4サークルごとに2名ずつが選出され、最終的に残ったのは8名だった。

そして、ファイナルに駒を進める2人を決める壮絶なバトルを勝ち抜いたのは、90年代アニソンをこよなく愛すMega☆音さん、ブレイクダンスとヲタ芸をマッシュアップした独特のパフォーマンスを魅せたふみろくさん。
その日、一番正直に自分を表現した人間

そして、この日ついに、2ヶ月以上にも及んで全国各地で繰り広げられてきた全国大会の頂点が決まった。
決勝は、新宿のビルの7Fにある新宿FACEにて、アニソン・ボカロのダンスライブイベント「SSD720°」の1ステージとして行われ、予選のむせかえるような熱気とはまた違った緊張感に包まれていた。
すでに多くのバトルレポートがあがっているので、各バトルの詳細は他をご覧いただきたい。
ただ、ベスト8・ベスト4・そして決勝を含めた7回に及ぶ戦いで、オーディエンスの目の前で、7回分の濃厚なドラマが繰り広げられた。
主宰で審査員をつとめたR.A.Bは、当日予選の終わり際、「うそをつかずに、自分を表現した人間が、今日の主人公になる」と宣言していた。アニメもダンスも骨の髄まで愛した連中が魂をぶつけあう決戦の栄冠は、その熱意を、素直に、十全にパフォーマンスした人間に与えられるべきものだ。

そして、世界初となるアニソンダンスバトルの全国大会を制したのは、ストイックなダンスをオーディエンスを巻き込みながら最高のダンスを踊りきった、東京代表・超妖怪弾頭ネオたんさんだった。
決勝戦で勝者として自分の名前が呼ばれた瞬間、勝利の雄叫びをあげてその場に突っ伏した彼のもとに、全国各地から集まったアニソンダンサーたちが我先にとリングを飛び越えて駆け寄り、全員が抱き合い涙を流していた。




最後に、ネオたんさんの勝利者スピーチの全文書き起こしで締めくくる。アニソンダンスイベントの歴史はまだ浅く、始まったばかりだとも言える。少しでも興味を持った人は、「ニコニコ超会議」で幕開けとなる第2期をチェックしてほしい。

おつかれさまです。ほんとに、ほんとに、今日のために練習してきて、ほんとに……僕は、関東AB-BOYZっていうダンスチームに入ってるんですけど、今日のために、みんな練習にも付き合ってくれたり……自分、『ひぐらしのなく頃に』が超好きで、ほんとに、仲間の大切さとか、運命に抗うじゃないですけど、ダイエットとかして……ほんとに、仲間の大切さってものを今日は主張したくて、チームのTシャツも着てレペゼンしてがんばってきたので、ほんとに…………『ひぐらしのなく頃に』観てください泣!優勝者スピーチより