金正恩氏が5月訪ロへ、プーチン氏が贈る「手土産」は何か (2/2ページ)
もっとも、こうした見解について韓国の国防当局者からは、「最近の米国の発表はあまりにも先走り過ぎだ」との声が聞こえる。
これ以外にも、オリ・ハイノネン国際原子力機関(IAEA)元事務次長も3月、米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)とのインタビューを通じて、米国専門家らの安易な分析に警鐘を鳴らしている。
米国がこうした脅威論を連発するのは、「THAAD(サード=高高度ミサイル防衛体系)」を韓国に配備するための推進圧力とするためであり、THAADがターゲットとするのは中国の弾道ミサイルであると一般的には考えられてきた。
ところが、ここへきてそれとは異なる動きも見られる。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)の報道によれば、中国の核専門家が米国の専門家との非公開の会合で、昨年末の時点で北朝鮮が「核弾頭20発」を保有しているとの見解を示したという。
中国は従来、北朝鮮の能力を過小評価していると見られてきたのに、現在の保有数を10~16個とする米専門家らの推計を上回る数を示したのである。
いま、米中が北朝鮮の核問題で同調する理由があるとすれば、それは何か。第一に思い浮かぶのは、北朝鮮が完全にロシアの「勢力圏」になってしまうことに対する警戒感である。
それもそのはずである。ロシアと北朝鮮はいま、人工衛星打ち上げなどの宇宙開発における協力について話し合いを始める気配を見せている。
周知の通り、衛星打ち上げとICBMの開発は表裏一体の関係にある。安保理常任理事国として拒否権を持つロシアが北朝鮮と衛星打ち上げで協力することになれば、ゆくゆくは、国連の対北制裁が骨抜きになることにもつながりかねない。
北朝鮮からすれば、金正恩氏訪露によってこうした協力を取り付けられるならば、きわめて大きな成果と言える。
これから5月に向け、北朝鮮とロシアの動向から目が離せない。(高英起 デイリーNKジャパン編集長)