第三十一回 強烈に伸びる中国。世界経済を比較すると...。 (2/2ページ)
前回の人口ボーナスで注目と書いたインドとインドネシアは10位と16位です。
時系列で見ると、1990年の日本のピークの時点では日本の世界全体に占めるGDPの比率は14.3%ありました。それが2013年には6.5%と半分以下に下がっています。米国のピークは2000年で、その後は少し下がっています。
逆に強烈に伸びているのが中国で、1990年には1.9%しかなかった構成比が、2013年には12.5%と日本の倍になっています。ついこないだ日本が抜かれたと思っていたら既に倍。これは結構衝撃的なことです。
ここには、為替のマジックも一部あります。アベノミクスによる円安で、このときちょうど日本のGDPは米ドル建てで2割くらい減って見えているからです。とはいえ、実力面でも日中の逆転は劇的です。
この傾向はいつごろから始まったのでしょうか。実は、ちょうどリーマン・ショックが分水嶺になっています。
このとき日本は景気の縮退を最小限に留めるのが精一杯でしたが、中国は世界に先駆けて4兆元の経済対策を打ち出し、インフラの整備等に邁進しました。この地力の差がその後の展開を決めています。
2013年になって打ち出されたアベノミクスは、金融超緩和と財政出動による景気刺激策と規制改革、イノベーションの促進といった構造改革を共に打ち出して、このときの中国の後を追うような形に見えます。
とはいえ、中国も人口ボーナスのピークを迎え、これから1990年以降の日本が辿ったのと同じような働く人が減り出す社会になります。
成長期待が屈折すると、将来の成長を見越して形成された経済のバランスにはあちこちにガタが出てきます。例えば、経済成長を見込めば合理的だった不動産価格が、それが見込みにくくなれば割高に見えてきて、担保としての価値、財産としての価値が毀損するかもしれません。
高成長を見越して作られた生産設備やインフラが余ってしまい、稼働率が下がったり不良資産化したり、更にはダンピング競争が始まったりしてデフレ経済化が進行するかもしれません。
前回のチャートと今回の表を並べてみてみてください。きっと、色々感じるところがあるはずです。