スタンフォード大学が温室効果ガスを半減するシステムを構築 (2/2ページ)
■ キャンパス内の廃熱も再利用される
もうひとつSESIの核となるのが、キャンパス内の熱回収プロセスを活用する、Central Energy Facility(CEF)と名づけられたシステムだ。これは、キャンパス内の冷房や冷却システムから発生する廃熱の3分の2を回収して水を温め、暖房システム等に再利用するもので、キャンパス内の暖房の90%をまかなえるという。
この熱交換を可能にするために、同大学は地中のパイプ22マイル分を交換し、155の建物を改修した。
また、このCEFは高圧変電所も含んだシステムになっているが、予測コントロールを可能にする独自のソフトウェアで制御されている。
このソフトウェアはキャンパス内の時間帯別の暖房、冷房のニーズ、電気料金を10日前から予測し、冷暖房設備をいつ稼働させるともっともコストが抑えられるかを判断したり、CEFの貯蔵タンクにどれくらい温水や冷水を貯蔵しておくべきかを判断している。そうやって効率を最適化しているのだ。
これらのシステムによって、スタンフォード大学は世界でもトップレベルの省エネキャンパスを実現した。
この手のニュースのときに必ず考えなくてはいけないのが、設備を作る際と廃棄する際の環境負荷、そして設備の寿命だ。そこまでは言及されていないケースがほとんどだが、そのトータルで環境負荷を比較しないと本来は意味がない。
また、上記の数字を見てもらえばわかるが、キャンパス内の太陽光パネルで発電できるのは、大学で使用する電力の4%にも満たない。キャンパスとは別に300エーカー(東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを合わせた面積より広い)の土地が使えて、はじめて消費電力の53%をまかなうことができるのだ。しかもこれはピーク時の数値なので、つねにこの電力が供給できるわけではない。
とはいえ、このスタンフォード大学の例は土地と日照をおおいに活用しているといえるだろう。では都市部の施設はどうしたらいいのだろうか? ヒートアイランドなどといわれるくらいだから、あんがい熱回収システムは有効かもしれない。