「息子はまだ生きている」心臓移植によって蘇った愛息子の鼓動

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「息子はまだ生きている」心臓移植によって蘇った愛息子の鼓動

不慮の事故で、若くしてこの世を去った25歳のティム·コンリーさん。 本人の意志により、心臓など4つの臓器が、それを必要とされる人々に移植されました。 通常、提供する側(ドナー)と、提供を受ける側(レシピエント)は、厳重にプライバシーが保たれており、お互いを知ることはありません。しかし、ティムさんの母、スー·エレンモナハンとレシピエントのジョン·クラフリンさんの強い意志により、面会が実現したのです。 そこでスー·エレンさんがとった行動とは?

A mother listens to her son’s transplanted heart beating in another man

出典: pressherald.com

突然、25歳で脳死状態に

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アメリカ・メイン州の港町ポートランドで、イタリア系アメリカ人夫婦の一人息子として生まれた、ティム·コンリーさん。3歳の時に父を亡くした後は、母のスー·エレンモナハンさんと2人暮らしに。
スー·エレンさんの愛情をたっぷり受けてすくすくと育ったティムさんは、身長190センチ、体重100キロの体格を活かして、高校時代はアメフト、バスケ、ラクロスの選手として活躍しました。

スー·エレンさんの自慢の息子だったティムさんは、女手ひとつで育て上げたお母さんの再婚の報告に、こんな素敵な言葉を贈っています。

“Mom, words can’t describe how happy I am for you. … I wish you and Peter a lifetime of happiness. … You are my hero and I hope to be as strong as you one day.”
(言葉に言い表せないくらい、すごく幸せだよ。・・・ママとピーター(継父)が幸せな人生を送れますように。・・・ママは僕のヒーローだよ。僕もいつか、ママみたいに強くなりたい)

そしてこのわずか2ヶ月後、ティムさんは仕事場での不慮の事故により、脳死状態になってしまったのです。まだ25歳という若さで。

悲しみの中に見えたひとつの光

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脳死状態のティムさんに5日間寄り添ったスー・エレンさん。ティムさんにはもう望みはありません。
しかし、悲しみに打ちひしがれながらも、ひとつの小さな光が見えました。
ティムさんは、臓器提供の意思表示をしていたのです。

「『あなたの息子さんは、ヒーローですよ』。その一言が、私を励ましてくれたのよ。臓器移植のコーディネーターの優しさと思いやりは、一生忘れられないわ。」

ティムさんの心臓はジョン·クラフリンさんに

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一方、レシピエントのジョン·クラフリンさんは、2012年にうっ血性心不全と診断されました。
「継続的に呼吸ができず、深呼吸もできない。どこにも出かけられないような状況でした。」
その2年後、ドナー提供者が現れたことを告げられます。その時の様子を、ジョンさんはこう語っています。
「初めに思ったことは、誰かが亡くなったんだ、ということです。なんとも言えない気持ちでした。」

そして、6時間の手術は成功し、無事ティムさんの心臓は、ジョンさんの体に移植されました。

「移植のお陰で、第二の人生を歩むことができることに、本当に感謝している」。

2人の強い意志で実現した面会

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通常、提供する側(ドナー)と、提供を受ける側(レシピエント)には秘密が保たれ、お互いを知ることはできません。
しかし、スー・エレンさんとジョンさんの強い意志により、コンタクトを取ることが許可されました。
そして、2人はスー・エレンさんの自宅で面会することになったのです。

「これは、本当に私にとって大切なこと」スー・エレンさんが取り出したのは聴診器

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「これは、本当に私にとって大切なことなんです。」と言って、箱から取り出したのは聴診器でした。
聴診器をジョンさんの胸に当て、心臓の音を聞きます。息子の存在を確かめたスー・エレンさんは、涙を流しながらこう語りました。

「ここに、息子の一部がまだ生きているの。息子はこの世を去ったけれども、まだジョンさんの中で生き続けている。彼の鼓動が聞こえる。この子は私の子。他に何もいらないわ」

5月17日は「生命・きずなの日」

残念ながら、今の我国では、移植医療の背後にいる“真のヒーロー”と言われるドナー及びドナーファミリーに対する社会的な理解と認識が不足しており、移植に関わる関係者の意識も低く、ドネーションの真価が社会的理解にまで達しているとは言えません。そんな中で、ドナーファミリーが、複雑な感情を抱え苦しんでいる状況があります。
だからこそ、私達は日頃から、恒常的にドナーファミリーを支え、啓蒙の活動を続けていますが、記念日、メモリアル・デーの制定と共に、レシピエントの団体との共同、交流、経験のつみ重ねを深めて、毎年5月17日を大切な記念日として守り、発展させ、ドナー及びドナーファミリーへの社会の理解を高める努力をこれからも続けていきます。

出典: jdfc.net

日本では、新緑の季節、5月の17日を「生命・きずなの日」として制定されています。ドナーの数だけではなく、ドナーに対する理解もまだまだ足りていないのが現実。臓器提供や移植医療について、少しでも考えるきっかけにしたいですね。

日本ドナー家族クラブ
(公社)日本臓器移植ネットワーク

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