「ブラックシリコン」のソーラーセルが変換効率の新記録を更新! (2/2ページ)
■ 表面再結合の問題を解決
そして、このブラックシリコンを使ったソーラーセルの効率を4%引き上げ、22.1%という新記録を得ることができたというのが、今回の発表だ。同研究チームは、ブラックシリコンのナノ構造の上に、Atomic Layer Deposition(原子層堆積)による薄い非反応性の膜を形成するとともに、セル背面に金属接点を組み込むことでこの成果を実現したという。
これまで『表面再結合』という現象が、ブラックシリコン・ソーラーセルの性能を制限する大きな要因になっていたという。しかし、このソーラーセルでは、表面再結合に対して感度の高い背面接点構造を採用したことで、その問題を解決したということだ。
また、この新しいブラックシリコン・ソーラーセルのメリットは、単なる変換効率だけではない。低い照射角の太陽光線を受けたときの発電力も高いのだという。これは、フィンランドのような高緯度の国での太陽光発電には特にメリットが大きい。太陽高度が低いからだ。
今回実験に使われたソーラーセルは、p型シリコンを使っているが、このp型シリコンは不純物に関連した劣化が起こりやすいことで知られている。そのため、今後はn型シリコンやそのほかの構造でもできるようにしたいという。
現時点では、ソーラーセルによる発電量というのは意外と低い。化石燃料や原子力による発電を簡単に補えるようなものではないのだ。しかし、こういった技術開発を各国の研究者が行っている。やがてソーラーセルによる発電効率が大幅にアップし、サステイナブルなエネルギー源としての役割を担っていくことを期待したい。