【川崎火災】頻発する放火事件...簡易宿泊所が集まるドヤ街の現在 (2/2ページ)
そんな場所に、日雇い労働者や生活保護受給者が身を寄せ合うようにして居住している。以前は、外観では3階建てだが、中に入ると4階建てになっている違法な建物も多く存在していた。周囲には50円のコーヒー自販機があるなど、物価は安いように思えるが簡易宿泊施設以外の賃貸物件の家賃は平均して高くなっている。それはこの地域は「大阪市の1人暮らしの生活保護の家賃補助の最低限額4万2000円」に設定されているからだ。つまり、この地域の単身者用アパート・マンションは生活保護の受給が前提となっているのだ。
従って、この地域では何とも奇妙な「生活保護大歓迎」「福祉アパート」といった看板を多く見ることができる。これは物件オーナー側の「下手な人間を居住させるより、国が家賃を保証してくれる生活保護受給者の方が安心できる」という心理を現している。日本で唯一暴動が起こる街として知られることで治安が著しく悪いという印象もあるが、それは違法賭博場のノミヤ等が集中する一部地域だけのこと。居住している人たちの年齢も他の地域に比べて極めて高く、生活保護受給日直後を除き、夜の10時過ぎには人通りがまったくなくなってしまうほどだ。
今回の川崎ドヤ火災の原因は、一部で放火とも言われている。怖い話だが、ドヤ街で放火は珍しいものじゃない。先日もあいりん地区でも放火があり、死者こそ出なかったものの負傷者を出している。過去に何度も放火事件があり、死者も出ているが身元不明の人間が多い。それは彼らが偽名で宿泊していたからだ。
建物も違法なら、泊まる側も偽名だらけで正体不明ーー。彼らには法令を遵守する心構えははなからない。これからもドヤ街での不審な事件が続いていくだろう。
Written Photo by 西郷正興